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【第二話】
そして今に至る。 せめてカゴに入れて欲しかったな。 こんなところに一人でいたら死んでしまう。早くこの森を出……。
「ギィギィ」
振り返るとそこにはゴブリンがいた。 一匹なら余裕で倒せ……。
「ギィギィ」
「ギャァギャァ」
そう思ったのも束の間、数十匹のゴブリンたちが影から姿を現した。ゴブリンは群れで動く魔物だった。まずいな……。
なんて考えていると、突然ゴブリンたちが動揺し始めた。
なんだ?急に空気が重く……。
「グルルルル」
森の奥の方から狼の唸り声が聞こえた。その瞬間、ゴブリンたちが慌てるように逃げていった。
周りが静かになった頃、森の奥から黒い壁が迫ってきた。
「グルルルル」
黒い壁だと思ったものはブラックウルフだった。ブラックウルフは山奥を住処にしているはずなのに、どうしてこんな麓まで降りて……。流石にブラックウルフに勝てる自信はない。ここで死ぬのか……。
「グル……。」
死を覚悟したが、なぜかブラックウルフが襲ってくる様子はない。
私のことを穴が空きそうな程見つめてくるだけ……。
そういえばブラックウルフは闇魔法を使うんだっけ。もしかしたら闇の魔力を感じて降りてきたのかもしれない。
「私を食べるの?」
そう問いかけると、ブラックウルフは目を見開いた。普通の子供であればまだ舌が回らない時期だろうから、そりゃ驚くよね。
「グル……グルル」
なんて言ってるんだろう……。食べないでいてくれるのかな。
ブラックウルフは言葉が伝わっていないのを察すると、鼻息が当たるほど近寄ってきた。次の瞬間、ブラックウルフは私の指を軽く噛んだ。
「いたっ」
反射的に声が出てしまった。 指を見ると血が流れていた。
なんで指を噛んだんだろう……。
「ペロッ」
え、舐め……。
ブラックウルフが指から出た血を舐めた瞬間、心臓が強く跳ねた気がした。
次の瞬間、ブラックウルフのおでこが光だしたーーー。