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ドキンガシャ東京のパインだ
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若井 .
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うわあ……第16話、読み終えました。数年後、大学で「ちゃんと笑って」いる和葉と、仕事に充実しながらも「空白」を抱える滉斗。お互い「忘れてると思ってた」のに、実はずっと止めてただけっていうのが切なすぎます。最後の『久しぶり。今、ちょっと話せる?』のたった一文に何年分もの時間が詰まってる感じがして、胸がぎゅっとなりました。この再開、どう転ぶんだろう……続きがすごく気になります。
数年が過ぎた。
あの夕焼けの帰り道も、言えなかった言葉も、全部ちゃんと時間の中に沈んでいった——はずだった。
和葉は大学生になっていた。
一人暮らしにも慣れて、友達も増えて、毎日は忙しくて、ちゃんと笑って過ごしている。
あのとき付き合った同級生とは、もう別れていた。
嫌いになったわけじゃない。ただ、どこかでずっと比べてしまっていた。
“どうしても埋まらない何か”と。
(もう忘れてると思ってたのにな…)
夜、ふとした瞬間に思い出す。
名前を呼ぶ声。
不器用な優しさ。
踏み込まなかった距離。
——滉斗。
スマホを手に取って、連絡先を開く。
ずっと消せなかった名前。
何度も消そうとして、やめた名前。
一方で、若井滉斗もまた、同じ夜を過ごしていた。
仕事は順調だった。
忙しさは相変わらずで、充実もしている。
でも——
ふとした瞬間に空白がある。
埋めてこなかった部分。
埋めようとしなかった部分。
(今、何してんだろうな)
考えてしまう時点で、答えは出ていた。
忘れてなんかいない。
ただ、“止めていただけ”。
あの時の自分の選択を、正しいと思い込むために。
スマホが震えた。
画面を見る。
一瞬、息が止まる。
和葉。
名前がそこにあった。
『久しぶり。今、ちょっと話せる?』
たったそれだけ。
でも、何年分もの時間が詰まっていた。
滉斗は少しだけ目を閉じて、それから返信する。
『いいよ』