テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#YJ
23,099
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
🩷side
メンバーに話がある―――
社長からの呼び出しで会社に向かうべく、マネージャーの車に乗り込む。
順にメンバーの家を回っているようで、既に車内には柔太朗、大智、舜太が居た。
🩷「みんな、はよ。社長からの呼び出しだなんて…なんか緊張するな。」
💙「おはよぉ。佐野さんも何も聞いてないん?俺らもなーんも聞いてないんよなぁ…」
❤️「いい事やったらいいんやけど…ほんと、なんやろ…」
🤍「あとはよっしーか。」
マネージャー「吉田さんは居ません。」
🩷「……どゆこと?」
当然、5人で向かうと思っていた俺らに、衝撃が走った。
仁人が居ないって…どういうことだ?
❤️「え、なんで…?仁ちゃん抜きで僕らと社長が話するん…?」
🤍「よっしーが居ないのに、俺らだけで話を聞く意味ってあるの?」
マ「はい。寧ろ、吉田さん抜きで話さなければならない内容です。」
「……」
マ「この4人で会社に向かいますので、よろしくお願いします。」
なんだか胸騒ぎがする…
逸る気持ちを抑えようとしていると、隣に座っていた柔太朗が耳打ちしてきた。
🤍「ねぇ、勇ちゃん…よっしーと連絡取れなくなってるかも。」
🩷「え…」
🤍「グループL●NE見て。よっしー、抜けてる。」
🩷「…は!?」
急いでスマホを取り出しL●NEを見るが、柔太朗の言う通り“仁人が退室しました”と表示されている。
電話もしてみたが、返ってきたのは無機質な“現在使われておりません―――”の言葉。
🩷「マジで…どうなってんだよ…!!」
❤️「は…勇ちゃん…?」
車内だというのに、大声を上げてしまった。
普段の俺なら絶対にしない行いに皆が驚愕している。
マ「詳細は社長室でお伝えします。僕の口から説明できずに申し訳ないです。」
なんとも重苦しい空気が車内に立ち込めるが、誰も、何も取り繕うことができなかった―――
吉 田 仁 人が心身の不調を理由にm!lk脱退を希望した―――
絶句とは…こういった時に使うのだろう。
社長から聞いた内容は衝撃すぎて、信じられなくて…
なんで…という言葉しか出てこなかった。
🩷「…は?どういうことですか… 」
💙「な…に言ってるんですか!仁人が…アイツが辞めるわけないやろ…!!」
❤️「そうやん!だって…!一緒にドーム行こうって…そう約束したばっかやん…!なんで…。なんで脱退なんか…!!」
舜太の目には、大粒の涙が溜まっている。
社長「詳細は聞いていない。本人からは、メンバーへの説明と今後の対応を任されただけだ。」
🤍「納得できません。社長、本人と話をさせてもらえませんか…?」
柔太朗の言う通りだ。
仁人本人と話がしたい。
俺らが、あんなことをしたから嫌になっちゃった…?
けど、あれは仕方の無いことで…
色々な感情が渦巻いて言葉を発せられずにいると、マネージャーがポツリと話し始める。
マ「実は…社長にも、メンバーの皆さんにも、話していないことがあります。」
皆の目線がマネジャーに集まる。
マ「……吉田さんは、性被害に遭っていました」
🩷「は…!?」
頭を鈍器で殴られたかのような衝撃だった。
あの仁人が…性被害を、受けていた…?
一体誰に……?
🤍「…ねぇ。それって…大型音楽番組の日だったりする…?」
柔太朗の言葉にハッとする。
あの日、マネージャーに抱えられてメイク室から帰宅した仁人の首元には、複数の赤い痕が散っていた。
マ 「…はい。あの日、プロデューサーとメイク担当の2人に襲われているところを、僕が助けました。」
❤️「……え?…なんて?」
舜太は明らかに混乱している。
🩷「……あいつらが…。」
あの日…リハーサル時に突如現れたプロデューサー。
特段変な様子は無かったが、去り際に仁人へ耳打ちしていたことは気になっていた。
あの時から…いや、下手したらもっと前から目を付けられていたということか…
マ「…以前にもそういった未遂行為を確認していたので…吉田さんの現場に僕が呼ばれている時には、いざという時のために防犯グッズを必ず携帯させていました。」
💙「まさか…あの時の非常ベル……」
マ「はい。吉田さんからのSOSを受けて、僕が鳴らしました。」
何も言えなかった―――
気付かなかった。
気付けなかった。
仁人からは…そんなこと一言も聞いてない…
🤍「ちょっ…と、待って。以前にも未遂行為が、って言った…?」
マ「はい…今回が1番酷かったですが、似たような行為は今までに複数回確認しています。」
💙「……マジかよ…」
❤️「…」
興奮して立ち上がっていた大智はソファに座って項垂れている。
舜太は静かに泣いていた。
社長「…全く気付かなかった自分が情けない。君が…君が、タレントをしっかり守ってくれていたんだね。」
マ「いえ…今回は間に合いませんでした。結果的に吉田さんは限界を迎えしまって…こういった決断をさせてしまいました。」
申し訳ございませんでした―――
マネージャーが、深く深く頭を下げた。
違う…マネージャーが悪いんじゃない。
仁人が悪いんじゃない。
🩷「1番悪いのは…仁人を追い詰めた俺だ…」
💙🤍❤️「…」
椅子から立ち上がり、社長の前に立つ。
🩷「社長。お願いがあります…仁人は、社長に今後の対応をお願いしたんですよね?」
社長「そうだ。」
🩷「なら……仁人の脱退は認めません。」
マ「!!」
🩷「仁人の居ないm!lkは有り得ません。仁人が脱退するなら…それは、m!lkの解散を意味します。」
その場の皆が息を飲む。
🩷「今回の一件は…仁人を信じ切ってやれなかった自分の弱い心が影響しています。俺が責任を持って、仁人を連れ戻してみせます。」
社長「…吉田は既に東京を離れている。私も行先は知らない…奇跡的に吉田と会えたとしても…必ず戻る確証は無いだろう。」
社長の鋭い目線が刺さる。
足が竦む…
けど…
🩷「いえ。必ず連れ戻します。ですから…お願いします。時間をください。」
社長「…」
💙「俺からも…お願いします。仁人が1番輝ける場所はステージです。 …こんな理由でアイドルを辞めたらいかんのや。」
🤍「お願いします。よっしーが居なかったら…だれが俺らをまとめるんですか…今のm!lkは、誰一人として失えません。」
❤️「お願いします。絶対、仁ちゃんを見付けます。」
マ「……僕も…。吉田さんの辞める決断をした時の顔が忘れられません。まだまだ歌いたい、そんな顔をしていました。」
マネージャーの言葉に胸が締め付けられる。
マ「僕は吉田さんの気持ちを優先したいです。だから…皆さんが吉田さんを見つけた時、吉田さんが戻りたいと言ってくれるのであれば…全力でサポートします。」
社長「………分かった。では、こうしようか。」
「───次のニュースです。
5人組アイドルグループのm!lkが 活動休止を発表しました。
メンバーの喉の不調が原因とのことで、 おおよそ半年の休止を 見込んでいるとのことです。
個々の活動は続けるとのことで、 メンバーの佐 野 勇斗さんは
ご心配をおかけして申し訳ございません。
より良いパフォーマンスを今後も続けていくために、グループでの活動を少しお休みします!
一応半年を見込んでいますが、もしかしたらもう少し早めに再開できるかもしれません。
また5人でパワプルなパフォーマンスを届けたいと思いますので、楽しみにしていてください!
と話しています―――」
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!