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代わり映えのないまいにち。
今日も 、あの地獄に 自ら足を踏み入れる 。
がや がや
自分の席について、机に 最低限の荷物を放り込み 、適当に音楽をかける 。やはり 、有線イヤホンに勝るものはないと思う 。なくしても 、忘れても 、百均ですぐに買えるし 。安くても 雑音を掻き消すのには十分だから 。
目をつむって 、聴いたことがあるような 、ないような音楽に集中する 。
瞼の裏にうつる光が ぱっ と急に減った 。何事かと目を開けると 、風霞が私の目の前で手を振っていた 。
「…風霞 。おはよ 、今日遅いじゃん」
彼女は割と信用できる友達だ。
「琳嗄 ぁ 、ピンチだよ 、」
「どうしたの」
「今日の 単語テストの範囲 、全然違うとこやってきちゃった …」
「うわ 、2限だっけ 。どうする」
「琳嗄に出そうなとこだけ教えて貰う …」
「全然いいけど」
「ほんとに??ありがと…恩人だよ 、
さっそくいい …?」
「もちろん 。うーんとね 、ここと~」
──
「神 …天女様だよ 、ほんとありがとう…」
「全然 。間に合ってよかった 、」
「ありがとう… てか時間やばい!健闘を祈る !! 」
「笑 風霞もね」
──
無事 、朝を乗り越えた 。今日は座学だけだから そんなに憂鬱じゃない 。クラスメイトは「だる 、体育ないのかよ」とぶつくさ言っているが 、そんなの私は知ったこっちゃない 。
─1限終わり
お腹が痛い 。このまま はらわた が飛び出てきそうだ 。嫌な汗が額をつたう 。そういえば 、今日の朝はもちろん 、昨日は3食とも食べていない気がする 。絶対それだ 。だから「ちゃんと食べなさい」ってよく言われるんだ 。最悪だ 。
「琳嗄 ~ 、次単語テストだよ…って どうしたのその顔色」
「…ぁ 」
いきなり話しかけられると流石に上手く取り繕えない。微笑みかけたつもりだが 、風霞が額に皺を寄せてこちらを見つめている。きっとかえって酷い顔になってしまったんだろう。
「保健室行こうか??付き添うよ 。」
「、でも、テスト」
「琳嗄と後で受けられるし 、別にいいよ!!」
なにか言わなきゃ 。と考えるうちにいつの間にか視界が回りはじめた。体がぐらりと揺れたような気がした 。
「琳嗄 、?ねぇ 、琳嗄ってば!!」
「…ん 。え 、ごめ…なん 、か言った」
頭は回らなくて 、ぽつりぽつりと呟く
「保健室まで歩ける?おぶっていこうか?」
「…うん 、」
「おぶってくのでいいよね?」
「ん 、」
「大丈夫?とりあえず保健室行くからね」
「あらら、どうしたの?」
保健室の小梁先生が琳嗄の顔色を見て駆け寄ってきた。
「漣さんいつもありがとうね。
鹿倉さん、今日はどんな症状なの?」
鹿倉 琳嗄こと私の親友はしょっちゅう私とともに保健室に来る。いつもは朝から見るからに具合が悪そうだから、早めに連れてくるけど、今日は急に症状が悪化した。あまりない事だったので先生も驚いている。
───
私は朝からの琳嗄の様子をいつもの様に伝えた。すると 、小梁先生が溜息を吐きながら口を開いた 。
「…そう。ご飯を食べていないのね 。」
「…」
琳嗄は多分 、躁鬱だ 。躁のときは 「食べなくていいや 。全然お腹空かないし」と言い 、鬱のときは食べることすら諦めてしまう 。今は 、症状的に鬱だろう 。食べないということは 、生きるのを諦めるということだ 。どうにかして 何か食べさせなければと思うが 、どうやら本人はそんなこと気にしていないみたいだった 。
「親御さんに連絡しなきゃいけないわね 。漣さんありがとうね 。授業もあるだろうし 、1度戻りなさい 。」
「…はい 。」