俺は神様を信じている
神様はいつでも
どんなに心が醜い人間でも
存在を信じていれば
大切な時に救ってくださる
俺のように神様を信じる人は
この国では少なく、
特に財産を持っている、高い地位についている者は
信じていない傾向がある
『今日もお祈りに行ってくるめぅ〜』
“めぅ”という可愛らしく、
大して俺に似合わない語尾。
これも神様から聴いたんや
救われると
過去の罪を犯したことによってできた
記憶の穴を通る様に抜ける様に繋ぐ様に
ふさぐように。うめるように。
『いつか治るんかなぁ…』
この過去の罪への執着も
尊敬していたあいつへの想いも
まだ失いたくなかったという言葉も
心の奥底に
沈めて、沈めて。
深く、深く、深く。
w国は、国民、兵士、幹部、総統が
とても仲良く、
軍の中でも仲間割れはあまり起きない。
俺は国を動かしてる総統を
深く尊敬していた
明るすぎない金髪、真っ赤なルビーのような瞳
俺の憧れそのものやった
とっても平和な国やってんなぁ
しあわせだっためぅ
あの頃は
ことの起こりはじめは
些細なことやった
俺は外交官やから
その日は早く起きて
外交の準備をするはずだったんや
0.52秒遅れてしもてん。
あいにく、相手の外交官は
時間に厳しい面倒臭いやつやった
どうやら寝癖が少しついていたみたいで
大層…幻滅されたとおもう
たったそれだけの事で
いきなりそいつの隣にいた兵士が
俺の隣にいた総統に
切りかかろうとしたから
止めようとした。
否、止めたかった。
虚しくもあいつの胸元に
さいた真っ赤な花に
いつしか失った涙を溢した。
嗚呼
彼は
死んでしまったのだろうか
最初からもっとちゃんとしてれば
俺が生まれて来なければ
良かったのかもしれない
嗚呼きっと俺の罪は
大切なときに手を抜いたこと
だなぁ、、、
そこら辺にあった
誰の血液で汚れているか分からない
真っ赤なナイフで
俺は
俺の
存在を
消した
。
暗転。
消えたかった。
助かってしまった