※話ぐちゃぐちゃで読みにくいです。
それでも良い方のみどうぞ。
「ねぇ、願いは何?夢は何?」
うちは何でも叶えてあげられるよ?
だってーーーーなんだから。
、、。
俺は何も答えない。
…答えられない。
この世界に、希望なんて、願いなんて、夢なんて、無い。
1人、暗い部屋で手首を切る。
おかしいよな…こんなの…
意味なんて無い。
俺だってそう思ってる。
でもこの痛みは謝罪。
生きてることへの、生まれてきた事への。
せめてもの罪滅ぼし。
俺に居場所など無い。
学校にも、家にも。
家では、殴られ、蹴られ、蔑まれ。
学校でも、バレない程度に殴られ、蹴られ、
投げかけられる罵詈雑言。
もちろん、意味なんて無い。
どれだけ頑張っても、認めて貰えない。
だからもう諦めた。
あの時までは、少なくともそうだった。
〜〜
「今日も息してて偉いね。
今日生きてて、偉いね。
勉強して、偉い。
ご飯食べて、偉い。」
褒められる。
その褒め言葉は、他の誰でも無い俺に向けられた言葉。
当たり前の事でも、当たり前の事じゃなくても。
やり切れても、やり切れても。
褒めてくれる。
「頑張ったね、偉いね、」
って。
でもこの傷は消えない。
心に刻み込まれた傷は。
記憶に刷り込まれた恐怖は。
どれだけ君を信用出来ても、君が俺の事を撫でようとしたら、本能が、
「殴られる、避けて」
って叫ぶんだ。
俺はやっぱり生きてちゃダメなのかな。
ごめんなさい。
「しぐちゃは生きてていいんだよ。
僕が認めてあげるから。
僕こそ怖がらせてごめんね」
まるで心を読まれたみたいだ。
でも悪い気はしない。
俺らは似たような環境で生まれ育ってきた。
親には殴られ、蹴られ、叩かれ、学校でも、殴られ蹴られ。
俺に向けられた汚い言葉。
あぁ、生きててごめんなさい。
汚くてごめんなさい。
そんな事わ考えながら、1人に眠り、起き、学校へ向かい、虐められ。
家でもそうだ。
殴られ、蹴られ。
1人手首を切り、謝り、眠る。
そんな毎日が続くの。
痛みは感じない。
人前で泣くことなんて出来ず。
夜羽の方も酷い。
学校でも、家でも、殴られ、蹴られの毎日。
酷い時には刺されたり首締められたり。
もう俺らは痛みなど感じない。
哀しいという気持ちも失った。
「親」というのを理解できなくて
毎日死にたがって。
でも全部自殺未遂で終わって。
ても、今思うと生きてて良かったのかもしれない。
だって今は幸せに2人で暮らしている。
近所の奴らには変な目で見られるけど。
だって、同性だから。でもいいじゃん俺の心は男だし。
それに、幸せだから。
今でも心に、本能に、記憶に刷り込まれた恐怖は消えないけど。
互いが互いを支え合って、慰めあって、縛りあって。
現世に互いを留めてる。
どちらかが消えると、もう片方も消える。
そんな存在だ。
理解してくれる唯一の友達は言う。
「お前ら、ほんと似てるよな」
と。
そうだよ。
俺らは似てる。いや、同じだ。
2人で、1人の人間。
でも、それでも、時々暗い所にひとりぼっち、誰もいない所にいる夢を見る。
夢だと解っていても、夜羽を頼ってしまう。
起こしてしまう。
「ね、ぇ…夜羽…?」
「ん〜、どしたの…?」
「1人にせんといて…俺を捨てないで…」
「うん。捨てないよ。」
そう言って抱き締めてくれる。
汚い俺を。
汚い、アイツらの血が流れてる俺を。
そしてそのまま眠りにつく。
生きてて良かった、そう思える。
こう言ってると俺だけが酷い様に思えるが夜羽の方がよっぽどか酷い。
親に首を締められ、刺され、殺されかけて。
それが原因で、刃物が持てない。
見るのすら、ダメらしい。
見たら必ず泣いてしまって、酷けりゃ気を失って倒れる。
だから、手首を切るのは夜羽のいない時、俺の部屋で。
でも30分も俺が部屋から出なかったら必ず見に来てくれる。
それが、手首を切ってるのが毎回だけど。
でも、今にも崩れそうな足取りでこっちに来てくれて、そっと抱き締めてくれて、泣きながら、
「ごめんね、我慢させちゃった…?
辛いよね、痛いよね…」
って泣きながら、謝ってくれる。
君のが辛いでしょ、。
だから俺はすぐにカッターをしまって、
「ごめんね、夜羽、刃物怖い…よな…」
って言う、
でも夜羽は
「ううん…大丈夫、しぐちゃが辞めたくなるまで…切っていいから…」
そう言ってくれる。
その優しさに、甘えて切ってしまう。
夜羽の綺麗な、銀色をした髪に、俺の、汚い血が飛ぶ。
「ごめ…汚い…よな…」
そう言って謝る。
でも、
「綺麗…だから…だい…じょぶ…だよ…?」
と俺の背中に顔をうずめて泣きながらもそう言ってくれる。
ごめん、本当は怖いよな、
心の中で謝る。
でも体は切り続けてしまう。
部屋が、カッターが、夜羽の綺麗な髪が、赤く、紅く、赫く染まるまで。
綺麗な、夜羽の髪が、汚い、赤で染まる。
そのあとはすぐに風呂に入る。
俺の汚い、血を、赫を流すため。
家事はほとんど夜羽がしてくれる。
料理以外は。
料理はどうしてもダメらしい。
刃物を、包丁を使うから。
小5、6、の朧げな記憶を頼りに、調理する。
中学は、やめた。
勉強は俺より3歳年上の夜羽が教えてくれる。
高校も、やめたけど、。
俺らのカバンやら制服やらを売ったらまぁまぁの額にはなって、。
その金で、宝くじを買ったら見事に当たって、
その金で家を建てて。
その金はすぐに無くなったから、今は2人で稼いでる。
2人ともの趣味で。
それは「歌い手」というやつだ。
2人でユニットを組んで、歌って、
オリジナル曲をよく出す。
作詞、作曲、イラストは俺が。
音程調節、音合わせ、MIXなど難しい事は夜羽が。
2人いるからこそ出来る事だ。
全てが暗い歌詞だがそれがまたいいらしい。
夜羽も必ず褒めてくれる。
骨が俺そうになるくらいまで抱き締めてくれる。
それが嬉しくて、歌詞を沢山かいた。
浮かんだフレーズをメモって、繋ぎ合わせて。
メロディーを付けて、俺らの声を入れて、投稿する。
夢の内容、過去の経験を、思い出して。
例えば、
「暗い場所、ひとりぼっち、嫌われたかな、捨てないで」
という歌詞は俺がよく見る夢。
他には
「もう嫌だ。疲れたの。何もかも投げ出して楽になりたいの。お願い、僕を殺して」
という歌詞は夜羽が限界を迎えた時によく言う言葉
全て実際にあった事だから歌詞分けはものの数分で終わる。
曲を上げる。
みんな喜んでくれる。
でも少なからずアンチはいて。
その言葉が心に刺さって。
爆発して。
「消えたい。ねぇしぐちゃ、僕を殺して?」
「なぁ夜羽、疲れた。殺してくれ」
そういう暗い言葉が、部屋を飛び交う事が多々ある。
でも支え合って、慰めあって、必死にもがきながらも生きている。
中途半端に壊された俺らは、お互いが居ないとすぐに消える。
明日も明後日も来週も来月も来年も、支え合って。
終わりが来るなんて、知らずに。
今日は夜羽が部屋から出てこない。
泣いているのか…?
すぐに部屋へ向かう。
扉を開ける。
そこにはロープを手に、泣きながら立っている夜羽がいた。
「なぁ、何しとるん?」
声のトーンをいつもより少し低くして、問う。
夜羽はその瞬間、何かに取り憑かれたかのように謝る。
あぁ、そんなに泣かなくてもいいのに。
「ぁ…しぐちゃ…ごめ…なさ…ごめんなさ…い…
僕が…全部…悪いから…嫌わな…で…お願い…します…捨てないで…1人に…しない…で…」
声をいつものトーンに戻す。
「俺が捨てる訳ないから。な?あの時約束したやろ?」
そう言って震える夜羽を、そっと抱き締める。
「う……ん…」
「それで、なんでロープ持ってたん?」
つい関西弁が出る。
でも気にしない。
「あの…ね、しぐちゃ見てると…殺したく…なっちゃう…の…それで…言ったら…嫌われるかなって…思って…言えなくて…しぐちゃに嫌われるぐらいなら…死んだ方が…いいって…思って…」
「そっか。」
「1人で…死のうとして…ごめ…なさい…」
「ええよ。んで、俺の事はどうやって殺したいとかあるんか?」
「全部言っても…嫌わない…?」
「うん。だから全部言ってみて?」
「えと…ね、屋上で、僕がしぐちゃの上に乗って…しぐちゃの事見つめながら…首締めて…それで…それで…」
「…え?」
「ごめ…やっぱり…気持ち悪い…よね…」
「ううん。そんな…事無い…」
「ほんと…?」
「うん、俺はそうやって…殺されたかった…。いや、夜羽に、そうやって殺されたかった…」
「僕ら全部同じだね…」
「じゃ、今日の夜そうするか〜」
「いい…の…?」
「うん。俺も…そろそろ…疲れたから…夜羽殺されたかった。」
「じゃあさ、しぐちゃを殺したあと僕もついて行っていい?」
「うん。いいよ。あ、でも夜羽は睡眠薬大量摂取によるODだからな?」
「なんで?」
「俺は夜羽には苦しんで欲しくない。痛みを味わって欲しくない。」
「う…分かっ…た…」
「それで良し。」
「じゃ、買いに行くか〜」
調べると睡眠薬は近くのドラッグストアに普通に売ってるらしい。
意外にも高くなくて。
瓶入りのを買って帰った。
〜〜
冷たい風が吹く。
空は晴れいていて、綺麗。
月が、星が。
でも1番綺麗なのが、俺の視界に映る、夜羽の顔だ。
「ん、いくよ…?」
「うん」
グッ、と夜羽の手に力が入る。
首を締められているはずなのに苦しくない。
痛くない。
むしろ、幸せだ。
「ふふ、しぐちゃの顔、すっごく綺麗だね…」
俺は綺麗なんかじゃないのに。
汚くて、醜いのに。
あいつの血が、流れてるから
「ね、苦しくない?痛くない?大丈夫?」
俺は掠れた声で答える。
「う”、だい、じょぶ…」
「無理に喋らなくていいから。しぐちゃの綺麗な声が二度と聞けなくなるのはやだ。」
俺の声なんて元から汚いから。大丈夫だ
親にも言われ続けた。
でも今はそんなの関係ない。
この快楽に、幸福に、溺れていたい。
「ぁ…?」
意識がブラックアウトする。
あれ、透けてる?
ま、いっか。
俺の体を抱きしめながら睡眠薬を飲む夜羽。
「もうすぐ、そっち行くね…」
うん。俺はここにいるから。すぐ来れるよ。
「おや…すみ…しぐ…ちゃ……」
はは、最期まで優しくて、可愛くて、綺麗だな。
俺らは13歳と、16歳という若さで、去った。
〜〜
目が覚める。
甘い香り…?
「あ、おはよ。しぐちゃ。」
「ん…?おは…よ…?」
「ふふ、今日も綺麗だなぁ…」
「俺は…汚いよ…」
「ううん。綺麗。
あ、それでお願い事は何にするの?」
「願い…?」
「うちは何でも叶えてあげられるよ。だって、カミサマなんだから。
ほら、何でも願って?」
「……?」
「ん…じゃあ…夜羽と、俺と、カミサマ…?3人で一生幸せに…生きてたい…」
「お願いはそれでいいね?じゃあうちの事は『サカタ』って呼んでな〜」
「神様なのにめっちゃ普通な名前…」
「普通で悪かったなバカ」
「ふはは、おもしれーなw」
今幸せだ。
カマサマ(サカタ…?)と夜羽と暮らせて。
俺らは永遠にここで、生きていく。
誰にも邪魔されずに。
あぁ、シアワセだ。
‐END‐
疲れた(By作者)
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浦島坂田船かよ。()