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#イラスト部屋
冬奈
416
2,018
アイマスク
320
キャプションをお読みいただき、問題ない方のみご覧ください
kr死ネタ。自殺描写あります。
kr下肢欠損
モブレ
pnkr
ただただ救われない暗くてつらい話
…の救いがあるifルートです。
前の2話を読まないと話がわからないと思います。
あと少し、帰るのが早ければ。
あと少し、躊躇うことが出来たら。
あと少し、あなたの目を見て話せたら。
「クロノアさん、」
玄関の開く音が聞こえて、ああ、って頭が真っ白になっていたら、すぐにリビングの扉が開いて、ぺいんとが俺を呼んだ。
「おか、えり…」
「…なん……、」
ぺいんとが驚いた顔して、固まってる。そりゃあそうだろう。今朝はなんともなかったのに、帰ってきたら自分の家がこの有様なんだから。
しきりに床の汚れや足跡やシャツをはだけさせたまま車椅子に座る俺を見ては、色々考えて、整理して、飲み込むようなそぶりをするぺいんと。でも繰り返すほど顔が険しくなっていって、対照的に俺は血の気が引いていく。どうしよう。ああ、…また怒らせちゃった。と心臓のあたりが痛んだ。
「シャワー、連れていきます」
ようやく整理がついたのかそう言って、カバンをその場に置いて俺を抱き上げようとするから、咄嗟に止めようとしたけど、それも間に合わなかった。
浴室に下ろして、俺を浴槽にもたれる形で丁寧に座らせてから、ぺいんとは脱衣所で上着を脱ぎ始めた。座っていてもだらだらと溢れて床に流れていくそれが気持ち悪くて、シャツ脱がなきゃとか、ぺいんとにどうやって言い訳しよう、とか、謝らないと、とか、色々、居心地も悪くて。焦燥感はあるのに、なにも考えがまとまらない、みたいな。そんな状態。
「…ごめん、」
「なんでクロノアさんが謝んの」
気持ち悪さを吐き出したくて、ぽつりと、もし聞こえていなくても構わないくらいの小さい声でぺいんとに謝ったら、しっかり聞き取られて、返事された。
なんでって、色々、…だよ。部屋の惨状とか、俺の状態とか、さ。何よりぺいんと、今、怒ってるでしょ?
「…、…、」
「…。」
俺が言い淀んだら、ぺいんともそれ以上聞いてこなかった。
いっそ怒鳴って責め立ててくれるなら楽なんだけど、静かに、でも確実に気分を悪くしてるのが伝わってきて、息が苦しい。処刑を待っている気分。
上着を脱ぎ終えたぺいんとが、コックを捻って、シャワーをお湯が出るまで待ってから俺の肩から掛けてくれて、体が温まってきたころに、お湯でびしょびしょになったシャツを脱がされた。
「腹、気持ち悪い?」
「…、うん」
濡れたお腹を指してそう聞かれて、目を合わせられないまま頷いたら、触っていい?なんて聞かれて、その声がびっくりするくらい優しかったから、俺はついぺいんとの顔が見たくなって、そっと見上げたら、泣きそうなぺいんとの顔が見えた。
「…、ごめんね、ぺいんと」
ぺいんとの顔を見て思わず俺の口から溢れたのはまたさっきと同じ言葉で、今度はそれと一緒に涙まで溢れたみたいだった。
「ぺいんと、ごめん、…ごめんね…、」
溢れ出したら止まらなくなって、何度も繰り返した。まだぺいんとが泣きそうになってた理由も聞いてないのに、なんかもう、全部わかったような気がして。
ぺいんとにこんなにも大事に思われてることを、知った気がして。
「…っ、なんで、クロノアさんが謝んの、」
泣いている俺の手を、あやすみたいに優しく握って、ぺいんともまた同じことを言った。
そのまま抱き寄せられてやっと、ぺいんとも泣き出してることに気が付いた。
「ごめん、………はやく、助けにこれなくて、」
ごめんって今度はぺいんとが謝るから、俺は首を振った。
「いい、っいいよ。そんなこと、…俺は平気だよ」
「でも、」
「それくらい、大丈夫、」
本当に、平気なんだよ、か弱い女の子じゃないんだし、襲われたことくらい、どうってことなくて。怖かったのは、もっと別のこと。
「ぺいんとに呆れられて、そばに居られなくなるのが、怖かっただけ、」
ただただ、惰性で傍に置いておいてくれているんだと思っていたから。追い出す理由が、離れる理由が出来たら、きっとそうなると思っていたから。足のこととか、性格とか、生活のこととか、元々理由はたくさんあったのに、ぺいんとは言い出すきっかけがないだけなんだと、思っていたから。
「ごめん、」
ぺいんとがぎゅっと抱きしめる力を強めたから、それ以上ごめんねとは言えなかった。
「クロノアさんが好きだよ」
「おれも、好き」
そんな甘い事を言いながら両手でぎゅっと抱き着き返したら、ぺいんとがまた泣き出した音がした。
コメント
1件
うわああ〜〜〜😭💔 クロノアさんの自責とぺいんとさんの優しさが交互に刺さってつらい…っ!「ごめん」を繰り返すクロノアさんが、実は「嫌われるのが怖い」って言ったシーン、心臓ぎゅってなったよ…「助けにこれなくてごめん」って泣くぺいんとさんの声も、お互いを想い合ってるのが伝わってきすぎて涙止まらん😢💦 救いのあるifルートってことでほっとしたけど、まだまだ続きが気になるよ〜!!夜見さん、素敵なお話ありがとうございます🌸✨