テラーノベル
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……
……ちいさい 波の音が聞こえる
「……喉、渇いた」
どのくらい、眠っていただろう?
汗すら乾ききり、さらさらの砂だけが俺の頬を覆っているようだった。
「……おじさん、何してんの」
数分くらい、星空を見上げていた。
その時に、お前が来たんだよ。
「もう、言わなきゃ分かんないでしょ」
そうだった、喉渇いてて声出ないんだ。
「みず」
「みず? 水欲しいの?」
カッスカスの声で伝えるより、手っ取り早く頷いてやるのがいいかもな。
「わかった。貸し、ひとつね」
……クソ、この子供、悪い笑いを浮かべやがる。
「チッ」
俺はその子が何処かへ走り去るのを見送って、また星空を眺めた。
ここはど田舎で、夜が更ければ灯ひとつない。だからこそ、こんなに綺麗に映るのだろう。
「……まだか 」
もう三〇分くらい待つ。水を買うなり汲むなりするだけなら、いい加減済むはずだ。
「……田舎だしな、自販機ねえのか」
たった一人だけの砂浜。そこに寝そべって、独り言呟いて納得する。
腹は、思ったより空かなかった。
コメント
1件
読み終えました……。 すごく静かな、でも確かに何かが始まる予感のする1話でしたね。 砂浜に寝転んで星空を見てる“おじさん”と、悪い笑顔で「貸し、ひとつね」って言う子の掛け合いが、もう気になって仕方ないです。 水を待ってる間の孤独な時間の描き方が、すごくリアルで、肌に感じる夜の空気が伝わってきました。 この子、ただの子どもじゃない気がする……。続き、すごく気になります🌙
羽海汐遠
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202