みなさんhappyHalloween!!「Trick or Treat!!ノベル書かないと食っちゃうぞ♡」って先生から言われたので書きます!!狐の窓ネタです!!レドブル中心です!!ぐろあるよ!!!
⚠️注意事項⚠️
このノベルはウォーターチャレンジの二次創作作品となります。二次創作が苦手な方はここで閲覧をお控えください。万一こちら側にクレームを与えても一切責任を負いません。パクリなどはこちらで対処させていただきます。尚、バナナは擬人化、赤ちゃんは成長表現をしています。
以上が守れる方のみお進みください!!
happyHalloween‼️
狐の窓。古くから伝わる、人を魔性のものか見破る狐の術。
それは想像以上に危険なため、使うのはいざというときのみだと言われている。
そして、すまないスクールの生徒、ミスターレッドは街中で狐の窓を試していた。だが、何も変化が起こらない。つまらないことに時間を使ったとため息をついたとき、ふいに見慣れた人影が目に入った。
「お、あれ、ミスターバナナじゃねぇか」
ミスターバナナ。隣の席の果実か軍人がよく分からぬもの。あいつは試してみる価値がありそうだとレッドは思った。そして、狐の窓の用意をした。
両手で狐の形を作り、伸びた指先をクロス。そこから窓を作り、覗けば正体が見破られるという。
「さて、ミスターバナナの正体はなんなんだ…?」
組んでいる途中、バナナがレッドに気付いた。狐の窓をしていると知れば、バナナは慌てて止めようとした。
正体は既に見破られていた。狐の尻尾が九つ生えている。ということは…
「ほう。ミスターバナナは九尾の狐か」
九尾の狐。中国神話から伝わり、九つの尾を生やす妖怪だ。ミスターバナナの今の姿は、尻尾がうねうねと動き、一つにくくっていた髪の毛の上からぴょいと耳が生えている状態だった。
呆れたような顔をするバナナはすぐさまレッドに近づき、ぴしゃりと言いつけた。
「よくも僕の正体を見破ったな。狐の術を好まぬ妖怪も居ると聞く。こんな街中で試すときは気を付けろ」
「そうか…てかお前、九尾の狐だったんだな」
「あぁ。人は妖怪を恐れると聞く。そのため王子であったときやお前らと過ごしてた時は正体を隠してた。…まぁ、意味はなかったけどな。あいつらも僕と同じようなものだ」
「じゃあ、俺と弟の正体とかもも知ってたりするのか?」
にやつきながらバナナに尋ねる。バナナはこくりと頷いた。その時には尻尾や耳は消えていた。町中のため隠したのだろう。
「勿論だ。…それじゃあ、僕は失礼する」
サングラスをかけ直し、バナナはすたすたと歩いていってしまった。レッドはそこらにあったベンチに座り込み、また片っ端から狐の術を試していった。
と、少し経ったその頃、またもや見慣れた人影が現れた。ミスターブラックだ。いつも通りにパソコンを打ち、何か食っている。
「あれ…チョコパイか?」
あいつチョコ好きだったのかと思いながら、ブラックにも狐の窓をすることにした。
バナナの時と同じ手順。窓を覗こうとするとき、ブラックに気付かれた。ため息をつきながら、ブラックは正体を現した。
黒い翼が生え、頭にはぴょこりと立派な角が生えている。尻からは長い尻尾がうねっている。
「…悪魔か」
そう呟くと、先程の同じようブラックが近づいてきた。
「なに私の正体を見破ってるんですか、ミスターレッド。見破られたからにはもうおそいですが」
「すまんな。で、お前は悪魔か」
「お前”は”? もう一人誰かに試したのですか?」
「あぁ。バナナに試した」
「あの九尾の狐ですか。まぁいいですよ。それでは私は失礼しますよ」
「あ、待て待て。お前、バナナの正体知ってたのか?」
「えぇ。気配的に分かっていました。それじゃ、また明日」
すたすたと歩いていってしまうブラック。気配的に分かるとかすごいな。
「さて、次は銀さんかマネーに試してみるかな」
そう言い、レッドは学校に向かった。一人の男性に見られているとは知らずに。
学校には案の定二人とも居た。銀さんが近くに居るので銀さんから暴くか、と思い、レッドは狐の窓を組んだ。
「ちょ、おい、ミスターレッド!? 何俺の正体暴こうとしてんだよ!」
遅かった。もう正体は暴かれていた。
二本に分かれた猫の尾。ひょこりと生えた黒い耳。銀髪に似合ってはいる。
「…? 銀さんの正体ってなんだ? そんな妖怪見たことないぞ…」
「あー…見破られたか。俺の正体は猫又だよ。尻尾が二本に分かれた妖怪だ。でもまさかレッドに正体を暴かれるとはなぁ」
「へっ、お手のものってな」
「んなことどうでもいいんだよ…。てか、お前ブラックとバナナも暴いたんだってな。あの二人は悪魔と九尾の狐だったか?」
「なんで知ってんだ?」
「近くの猫さんに聞いた」
「…猫又ってのも便利だな」
銀さんの正体も見破れた。さて残るはマネーと赤ちゃんとすまない先生…。片っ端から試してみることにしよう。
まずマネーだ。マネーは座敷わらしだった。みすぼらしいと有名だが、マネーは物凄く豪華な座敷わらしだった。正体を見破るなり、大声で叫んできたのだ。
「はああああ! 貴様、なぜ俺の正体を見破った!」
「ちょ、でけぇ声で言うな! ただ単に気になっただけだ! まさかお前が富をほどこす座敷わらしだったなんてな!」
「貴様こそ大声で言うんでない! 俺の正体がバレてしまう!」
「あぁ分かったよ! それじゃ、俺は赤ちゃんを調べてくる!」
急いでレッドは走っていった。赤ちゃんはすまない先生と一緒に補修中のはずだ。
こっそり自分のクラスを覗くと、やはり二人がいた。二人とも同時に調べよう。
そうして手を組んだ、狐の窓の形に。
そーっと覗くと、すまない先生がそれに気付いた。赤ちゃんは後ろ向きだが、そのおかげで正体がわかった。
すまない先生は山犬。赤ちゃんは鬼熊だ。どちらも狂暴な妖怪だが、すまない先生たちなら安心だろう。
「ちょっとレッドくん! なーに勝手に僕たちの正体を暴いてるんだい! おかげで君が美味しそうに見えてきたよ!」
「ぐるるるる…」
「赤ちゃん暴れない!」
ぴたりと赤ちゃんは静かになった。さすが山犬だ。狼の妖怪らしさがすごい。
「で、君は他の生徒の正体も暴いたようだね? あとで職員室に来なさい」
「うっす…すいません」
「次は容赦しないからね! 噛み砕いちゃうからね!」
「あ~い」
教室を出ると、ミスターブルーが待ち構えていた。
「弟じゃねぇか。どうしたんだ?」
「あんまり帰りが遅いから迎えに来たんだよ…正体暴いたんだってな」
「でも、俺らも同じ□□だしいいじゃねぇか」
「そういう問題じゃねぇバカ兄貴! ほら、とっとと帰るぞ!」
ブルーに手を引っ張られ、レッドは道路に引きずり出された。
それを遠目で覗いてるものがいた。
「よし、よし…いまがチャンスだ」
前を歩く兄弟を見て、イリスはそう呟いた。
イリスはお坊様の弟子をしている。魔性の者の正体を見破り、清める仕事をやっているのだ。
そして、師匠の指示で「狐の窓」をやっているという青年の正体を暴くよう伝えられた。
今その青年が、目の前にいる。先程から様子を見ていたが、やはり狐の窓をしていた。
友達らしき者の正体を暴いてくれたのは助かるが、イリスは友達のではなく、あの青年の正体が気になるのだ。
九尾の狐、悪魔、猫又、座敷わらし、鬼熊、山犬…。個性的な友達がいたものだと本心で思った。
そして、山犬に怒られ兄弟に連れられ外に出た瞬間、いまがチャンスだと本当に思った。
なので、一瞬で狐の窓を組み、青年たちを覗いた。
と、ここで弟の方にイリスのことが気付かれた。まずいと思った。狐の窓を組んでいると知られたら、青年たちは逃げてしまう。
だから急いでイリスは窓を覗いた。その瞬間、弟の方がにやりと微笑んだ。
「んなっ…きゅ、吸血鬼だと…!?」
吸血鬼だった。紅い羽が生え、口からは牙が覗いている。
吸血鬼と分かった瞬間、イリスは逃げ出していた。血を吸われたらまずい。
その一心でイリスは逃げていた。
「兄貴、彼処に狐の窓してる奴いるんだけど」
ブルーが言う方に目を向けると、確かに狐の窓を組んだ男がいた。
「覗かれたらまずくねぇか?」
「そうだな…。まぁ、食っちまえばいいんじゃねぇ? ほれ弟、お前もう正体覗かれてる」
ブルーにはもう紅い羽と立派な牙が生えていた。目は紅く染まり、いかにも”吸血鬼”という感じだ。
ブルーはにやりと微笑み、羽を広げた。レッドもその頃には姿が変わっていた。
羽や牙は同じだが、目だけ青色になっていた。こちらもブルー同様羽を広げ、二人の吸血鬼は呼吸を合わせる。
そして、男の方へ向かった。…もちろん飛んで。
「つーかまーえた!」
ブルーが男を掴む。みしっと首から変な音が出ると、ブルーは男の息の根を止めるためがぶりと首を噛む。
噛んだ瞬間、男はそのまま倒れた。がりがりと男の指を喰うレッドは、男を見て、ブルーに言い放った。
「後処理任せたぞ」
そう言い、姿をいつものに戻し飛んでいってしまった。
さて、取り残されたブルーは文句をつけながらも後処理にかかった。
「くっそ、なんで自分も喰っといて俺に後処理任せるんだよ! こうなったらこいつには悪いけどあばらとかあとで喰ってやる! …って、あ、ミスター銀さん!」
上を見上げると、まだ猫の耳と二つに分かれた尻尾を隠していないミスター銀さんがいた。銀さんはブルーと男の方に視線を落とせば、?と首をかしげた。
「お前が喰ったのか? いくら吸血鬼といえど罪人しか喰っちゃだめだって前先生に怒られてなかったっけ?」
「違う! 兄貴もこいつの指喰った! それにこいつも俺らの正体見破ったし喰っていいだろ? 罪人と一緒だ、妖怪の正体を現すなんて」
「そうか…。ま、手伝ってやるよ! 一人だと大変そうだしな!」
「さすが銀さん! ありがとよ!」
「礼には及ばねぇ! ほれ、さっさと片付けろよ!」
銀さんと一緒に血を拭き、男の死体はそこらの川に捨てた。これで証拠隠滅は終わりだ。
「銀さん、ほんとにありがとな! それじゃ、また明日ー!」
「おう! 気を付けろよ!」
ミスター銀さんに見送られ、ミスターブルーは羽で飛んだ。兄の待つ家に帰るため。
ミスター銀さんも、妖力を使いすぎたのか猫の姿になり帰っていった。祖母の家に帰るため。
そして、一段落…というわけではなかった。この一件からひとつ、噂が囁かれるようになった。
「ねぇねぇ。『狐の窓を使う吸血鬼』っていう噂あるじゃん? あれ、ほんとらしいよ」
「またまたそんなこと言って。証拠とかあるの?」
「うん。昨日さ、お坊さんの弟子が死んじゃったっていうニュースあったじゃん。その弟子の人、死の直前『狐の窓』してたんだって。で、たまたま通りかかった兄弟に試してたらしいんだ」
「その兄弟が妖怪だったってこと?」
「大正解。その兄弟、まさかの吸血鬼だったらしいよ。で、その吸血鬼兄弟に血を吸われて、倒れたの。証拠隠滅のため弟の吸血鬼が猫又と一緒に後処理してたの見た人いるんだって」
「へぇ。怖いね。私も『狐の窓を使う吸血鬼』ってのに出くわしたくないな~」
「そうだね。『狐の窓』を使うときは用心しなきゃ」
その後、その少女たちはその「狐の窓を使う吸血鬼」に殺されてしまうとか…。
何はともあれ、この噂が立った後日、”吸血鬼”のミスターレッドは”山犬”のすまない先生に夜も明けてしまうほどの説教に追われ、”九尾の狐”のミスターバナナにさぞかし嗤われたらしい。
おしまい。皆さんも素敵なハロウィンをお過ごしください。