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kz side
――時よ過ぎるな。
そんな願いを抱いたところで、時計の針は残酷なくらい規則正しく進んでいく。
気づけば、じわじわと昼休みが近づいていた。
どんな風に問い詰められるのか。 あんなことやこんなことまで喋らされるのか。
考えれば考えるほど、背筋がひやりと冷えていく。
授業中の教室には、教師の張り上げる声と、カリカリと紙の上を滑るシャーペンの音が響いていた。
窓の外では冬の風が木々を揺らしている。 なのに、俺の頭の中はまるで落ち着かない。
昼休みに起こるであろう“尋問”。 そして、syのこと。
その二つが気になりすぎて、ノートを取る手が何度も止まってしまう。
黒板に書かれていく数式をぼんやり眺めながら、小さくため息を零した。
あれやこれやしているうちに、もう昼休み。
椅子を引く音が響く中、fuが嬉しそうにこちらへ歩いてくる。
その後ろでは、rmが当然のようにfuの服の裾を掴み、少し甘えるような仕草をしていた。
いつものrmと違い過ぎて、見慣れない。
fu『じゃあ行くか〜。kz』
そういいながら、自前のお弁当箱を2つ掲げて見せる。
kz『2つ?!…fuってそんな大食いだっけ』
驚きで思わず声が少し大きくなった。
fu『いや、こっちはrmの。交互にお弁当作ろーって話してさ』
〃『明日のrmの愛妻弁当楽しみだな〜』
得意げに胸を張り、どうだと言わんばかりの顔をしてくるfu。
そのドヤ顔が妙に腹立たしくて、俺は軽く額を小突いてやった。
fu『いて、』
そう言いながらも、全く反省した様子はない。
むしろ楽しそうにニヤニヤしながらこちらを見ているあたり、本当にfuらしい。
fu『愛妻弁当楽しみにしてとくからね!rm』
今までに見たことないほどの満面の笑みでrmに語りかける。
rm『妻じゃねーし』
すると、rmはいつものように鋭いツッコミをかます。
これだよこれ。これがいつものrmだ。
――俺たちは毎日示し合わせたように、
“いつもの場所”に集まる。
そこの扉を開けると、涼しげな風が吹き抜ける。というか、寒い。
fu『この時期だけど、もう寒いな』
肩をすくめながらfuが呟く
rm『まあ確かに。でも、ここ俺たちしか来ないからちょうどいいんだよな』
そう。
この屋上には、基本的に人が来ない。
理由は単純で、もっと綺麗で整備されたテラスが別にあるからだ。
ベンチもあるし、自販機だって近い。 普通の生徒なら、わざわざこんな古びた屋上を選ばない。
それでも俺たちがここを気に入っているのは、ただ単に“青春っぽい”から。
そんなくだらない理由だった。
fu『ま、飯食おうぜ』
そう言って、fuは慣れた手つきでレジャーシートを広げる。
冬に近づき始めた風が吹き抜け、エメラルドグリーンの髪がふわりと揺れた。
その姿を、隣の水色頭がじっと目で追っている。
……ほんと分かりやすい。
kz『仲直りしてよかったな』
隣に立つrmにしか聞こえないくらいの声量で語りかける。
rm『うん。…俺なんだかんだ言ってるけど死ぬほどfuのこと好きだわ…』
――あまりにも真っ直ぐな言葉。
思わず目を瞬かせた。
もし今のをfuが聞いていたら、絶対に顔真っ赤にして騒いでいただろう。
結局のところ、この二人はどれだけぶつかっても離れない。
そういう“運命”なんだと思う。
fu『さあさあ!朝の続きしようか…!』
きっちり敷かれたレジャーシートを、fuがぽんぽんと叩く。
完全に“語れ”という圧だ。
rmは当然のようにfuの隣へ座り、腕の中にはfu特製の弁当箱を大事そうに抱えている。
kz『なんだっけ。俺とsyが付き合った日の事だっけ?』
fu『そうそう!全く聞いたことないんだけど?!…めちゃくちゃ気になるよ?俺』
その隣では、rmも無言のまま期待に満ちた目を向けてくる。
……逃げられそうにない雰囲気。
俺は小さく息を吐いてから、ぽつりぽつりと昔話を始めた。
あの日は、六月初旬で_。
少しずつ湿った暑さが増え始めていた、夏の入り口みたいな日だった。
小学五年生だった俺たちは、一泊二日の林間学校へ向かう日を迎えていた。
林間学校といえば、小学生にとって最大級のイベントだ。
親元を離れ、友達と寝泊まりをする。
たったそれだけのことなのに、当時の俺たちにとっては大冒険だった。
楽しみすぎた俺たちは、“林間学校の予行練習”とかいう意味不明な理由をつけて、前日にsyの家へ泊まり込んだ。
sy『明日林間学校なのになんで泊まるんだよ』
呆れたようにそう言いながらも、syはどこか嬉しそうにはにかんでいた。
その笑顔を見た瞬間、“来てよかった”って思ったのを今でも覚えてる。
楽しみすぎた俺たちは、ありえないくらい早く学校へ行こうとしていた。
……まあ、原因は大体rmとfuなんだけど。
早朝五時。
まだ外も薄暗い時間帯だというのに、二人は人の布団を容赦なく剥ぎ取って叩き起こしてきた。
fu『起きろー!!遅れるぞー!!』
kz『いや絶対早すぎるだろ』
目はギラギラ。
完全に遠足前の小学生だった。
俺は呆れながら淡々と支度を進めていたけれど、syは違った。
眠気で頭が回っていないのか、ずっとぼんやりしている。
その無防備な姿が、どうしようもなく可愛かった。
kz『sy起きれるか?』
薄暗い部屋の中。
俺はsyの柔らかい髪を、ふわふわと撫でながら声をかける。
fu『kz~、sy~。早くー!朝飯ー!!』
一階から響くfuの大声。
どうやら朝食の準備が終わったらしい。
もう一度問いかけても、syから返事はない。
首をこくこく揺らしながら、今にも寝落ちしそうになっている。
……これは無理だな。
そう判断した俺は、そっとsyを抱き上げ、そのまま一階へ降りた。
当然、こんな状態でsyが朝食をまともに食べられるはずもない。
だから俺はsy用のおにぎりを作りつつ、自分の支度とsyの支度を同時進行で進めていく。
rm『syってほんと朝弱いのな』
そう呟きながら、rmがsyの荷物整理を手伝ってくれる。
rmとfuは、syの朝の弱さをあまり知らない。
普段のsyは、ギリギリまで寝て、朝食を登校中に食べるタイプだ。
しかも寝起きはかなり悪い。
……まあ、俺からしたらそんなところも全部可愛いんだけど。
――支度を終え、俺たちは家を出た。
朝だというのに、六月の日差しはすでにじわりと暑い。
そんな中、俺は自分とsy、二人分の荷物を背負って歩いていた。
前後にリュックを抱え、その上で片手にはsyの小さな手を握っている。
眠たいのか、その手は少し体温が高かった。
sy『ん、んんん…』
不意に、ぐいっと下へ引っ張られる感覚。
kz『おっと…』
――学校まであと少し。
そんなところでsyは急にしゃがみこんでしまった。
kz『どうした?』
荷物に邪魔されながらも、俺はsyの目線に合わせるようにしゃがみ込む。
顔を覗き込めば、目はほとんど開いていない。眠気を限界まで我慢しているのが丸分かりだった。
fu『sy、どうしたー?』
rm『大丈夫?』
前を歩いていた2人も、歩みを止めた俺たちに気が付き、心配しながらこちらへ駆けつける。
kz『sy眠気限界っぽい、俺抱っこしていくわ。俺とsyの荷物お願い』
二人へ荷物を預け、俺はsyを抱き上げた。
夏の入り口の日差しが、じりじりと肌を焼く。
腕の中のsyは柔らかくて、近い。
syに触れた場所が熱くなるこの感覚は――
夏の暑さのせいだと思いたかった。
その後も色々ありながら、俺たちは林間学校一日目を満喫した。
朝が早すぎたせいで、syはずっと眠そうにぐずっていたし、気づけば俺の腕の中で寝ていた。
一方で、張り切りすぎたfuとrmも、バスの中ではぐっすりだった。
自然探索ではしゃいで、 カレー作りで騒いで、 気づけば辺りはすっかり夕暮れ色。
慌ただしくも楽しかった一日目は、あっという間に過ぎていった。
そして迎えた風呂の時間。
――そこで、事件は起きた。
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お久の連載です!あと1話分くらいは過去編入ります🫠ᩚ
長いです🙃
本当はもっと詳しく書きたかったんですけどそんなことしたら2話じゃ収まりきらなくて😭
また今週中にはもう1話出します🙄🙄
良ければ感想ください💬
ちゃんとコメ返します‼️すみません😭😭😭
いつもコメントくれる方ほんとにモチベです。ありがとうございます😭💕
(〜🌾・ω・)〜🌾
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コメント
4件
楽しみにしてましたー!!! 昔からしゅうとさん朝弱かったんですね!かざさんとしゅうとさん兄弟見たい…続き楽しみにしてます!
続き待ってましたぁ! 昔からしゅうとさんをお世話してるかざねさんすごく想像できます!世話焼きさんですね( *´꒳`* )私もお泊まり会楽しみすぎて、テンション爆アゲでした笑 続き楽しみにしてます✨これからも頑張ってください💪💪
めっちゃ楽しみにしてました!!続き!!かざねさん昔っからしゅうとさんのこと抱き上げたりしてたんだぁ〜尊いですね…_:(´ཀ`」 ∠):めっちゃ楽しみなお泊まり会ですね!!私も昔は楽しみすぎてめっちゃ早く起きた覚えあります…!!続きまた楽しみにしてます!頑張ってください!!