ドタバタのお茶会から数ヶ月が経ち、1歳にもなると、文字の読み書きの練習が始まった。異世界ゆえの教育の速さだ。
そんな読み書きの練習にもまた、私の邪魔をする物体が、、、そう
こいつらはスプーンの質量を遥かに超えている。特にインク瓶。やつはタチが悪い。液体+瓶そのものの質量が加わる二段構え。筆に関しては、鳥族由来の羽があるので、問題はないのだが、やはり本とインク瓶は避けては通れぬのか、、、
と、思っていた時期もあった。だが、私はレネクリフ家の過保護を見くびっていたらしい。
図書室にいけばメイドが本を取ってくれるし、インク瓶はメイドが用意も片付けもする。
まあ文字の勉強はさておき、本当の問題はお茶会だ。
前回のお茶会はまだ物を持てる状態ではなかったので、何もせず終われたが、本来お茶会は文字通りお茶を飲む場。
お茶会のレッスン前日、私は部屋をうろうろしながら頭をフル回転させた。
「ティーカップは持ち上げないと絶対にお茶なんて飲めない。でもここで諦めてはオタク失格!」
「どーしたものかぁ。どーしたものかぁ。」
部屋を動き回りまくったせいだろう。足元にあるものに気づくことなく、派手に転んでしまった。
「うう、最悪すぎる。もう!」
踏んでしまった物を拾い上げ、思い切り睨みつけると、それは棚に飾っておいた少し小さい望遠鏡だった。
「望遠鏡、、、筒?、、、あっ!」
なぜこんな簡単なことに気づかなかったのだろう。転生する前の住み慣れた世界に答えはあったというのに。
私は、直前に作らせた木の小さな筒を持ってレッスンに出席した。そこには母もいた。
シスル「あら?マルーシャ、何を持っているの?」
私「これはストローと言うんです。」
シスル「それはどうやって使うの?」
私「まあ見ていてください。」
そして私は、お茶が用意されると、ストローをティーカップに差し、そのままお茶を飲みました。
シスル「まあ、見たことがない飲み方ね?」
私「これだとリップがカップに付かず、お茶を溢しにくいんです。」
その後、ストローを使えるようにしてもらうことができ、ティーカップというクエストを達成しました!
それと、異世界には元々ストローがなかったらしく、家族たちからは天才、天才と褒め潰され、ストローはティーカップが使いにくい種族である、鳥族とゴブリンの間で大流行しましたとさ。
コメント
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ストローまでの道のりが天才👏