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「はぁぁ…」
早朝。暗い部屋の中ため息をつくのは…
「ねみぃ…」
紫霊だ。
「キラの喫茶店に行かないと」
ーー喫茶店にてーー
(キラside)
「来てやったぜ」
喫茶店には、キラ、紅葉、そしてザキがいた。
「ムラサキウニ」
「…いつもの頼む」
「お、おう…」
前なら、そのあだ名やめろ!って言って金髪低脳ドチビってムカつくあだ名で煽り返してきたのに…
やはり、吸血鬼の件が大きすぎたか。
「紫霊」
「ん?どうした?」
「無理…すんなよ」
「キラ……」
「お前も人の心配とかできるんだな見直したわIQ2」
「心配くらいできるわ!あとIQ2じゃないし脳筋!」
「あ?誰が脳筋だよ」
「脳筋はこの場に一名しかいないが」
「そうだぞ!認めろ脳筋!」
「あー、脳筋脳筋うるせー!いいから早く作れやIQ2」
「じゃあな、この俺IQ2様が作ってやるんだ感謝しろ」
「開き直ったぞコイツ」
俺はキッチンに移動した。
「はぁ…」
紫霊…やっぱりちょっと元気ないような…
まぁ冗談言えるくらいには……。
…そう思っとこう。
「…本当に、紫霊は余裕あると思うの?」
「わっ!紅葉!急になんだよのっそり出てきて!あと勝手に心読むな」
「三枚おろしと三枚おろしどっちがいい?」
「選択肢すらなかった⭐︎」
「…キラは紫霊が余裕そうに見えるの?」
「…俺だって、アイツが余裕ありそうには見えねぇよ」
「…キラも?」
「あぁ…」
「あいつは、人のために笑っちまう…。普段脳筋なくせによ…」
「それ、紫霊が聞いたら、最後の一言余計だぞ!って言うだろうね」
「あぁ、だろうな。」
「よう、お前ら何話してんだ?」
「紫霊!?勝手に入るなって!」
「あぁ、悪い悪い。二人してこそこそと話してるからつい…」
「お前ら…」
(まずい…勘づかれた?)
「もしかして恋バナか?俺も混ぜろよ」
「違うわ!」(同時)
「違うから!」(同時)
「なんでそこだけ息ぴったりなんだよ…」
ーーー少年調理中…ーーー
(紅葉side)
「おらできたぞ感涙に咽びながら食え」
「IQ2のサンドイッチ一つに大袈裟すぎだろ…」
「そこ!うるさいぞ!」
「『真似符』夢想封i……」
「だーっ!!!俺が悪かった!!すみませんでしたザキ様!!!」
「まぁ俺も喫茶店を破壊する趣味はないしな。今回ぐらいは許してやろう。」
「とか言ってザキ?本当は俺にスペル放つのひよってんじゃないn……いだだだだだ!!」
「全く、怖いもの知らずな奴だ。」
「…そういえばルビー、最近見かけねーな。」
「そうだね…」
「異変解決で忙しいんだよ、いつものことだろ」
半ば呆れたようにキラが言う。
「キラに呆れられるなんてアイツ終わってるな」
ーーー魔法の森にてーーー
「……」
(誰かが俺の事をすごく馬鹿にしてるような気がする)
「なんだ?急に黙り込んで。まさか我の勢いにひよったのか?」
「…壊符」
「は?」
「破壊拳」
ドドドドド
「…急に不意打ちなんて……これだから力ある者は…」
「我は決して降参などしていないからな!必ず復讐に来る!その時はまた我の逆さ城で念願の挫折を味わうといい!」
そう言い正邪は去っていった。
「…力ある者……か。…アイツが俺をそういうのなら、それに恥じない生き方をしなければな」
ーーーー喫茶店にてー
「…んじゃあな、IQ2、紅葉。また来るぜ。もちろんお代は払わないがな」
(はぁ、まぁ今回くらいは許してあげようかな)
「そっか紫霊。じゃあいつか身体で払って貰わないと……」
「やべ。そ、それじゃあな!」
そう言い残し、紫霊が帰ろうとした矢先、
チャリンチャリン……
「お?」
ドアの鈴が鳴った。
入ってきたのは、クリーム色の長い髪を二束にまとめた、ワンピースを着た小さな少女だった。
「こ、こんにちは。あの……」
少女は遠慮がちに言う。
「遠慮しないでいいんだよ!どうしたの?」
紅葉の問いに対し、少女は慎み深そうに答えた。
「私……お母さんとはぐれちゃって……気づいたら、ここにいたの。」
「えぇ!それってつまり……」
紅葉たちは顔を見合わせる。
「この世界のことなんにも知らなくて……だから、まずは人を探そうって思って……」
「それでここに辿り着いたと?」
「あ、えっと……」
「あ、あぁ、勝手に会話に入ってすまないな。えっと、俺の名前は、ザキって言うんだ。よろしくな。」
早口気味に言うザキ。
「ザキがひよってる……」
「バカインテリトマトと同じ路線か?w」
(あ、紫霊、やっと笑った)
「おい、聞こえてるぞムラサキウニ。」
「うわ!やべ!……って、なんで俺だけ??」
「www」
「そこ!笑わない!」
「しょーがねーだろwwてゆーか、大体お前の日頃の行いが……」
言い合いを続けるキラと紫霊をよそに、紅葉は聞く。
「あなたのお名前は?」
「……神翠 彩葉…かな」
ん?
「そっか!可愛い名前だね!私は紅葉!よろしくね、いろはちゃん!」
「よ、よろしくね……紅葉、さん?」
「可愛い〜!僕の名前呼んでくれた!あ、あと呼び捨てていいよ!いろはちゃん!」
「……あ、うん……紅葉…」
「えへへ〜……ね、キラも自己紹介して…… キラ?」
「あ?あぁ悪い、少しな」
(キラ…やっぱり紫霊が心配なんだ…)
「この人はキラ!向こうのムラサキヘッドは紫霊っていうんだよ!ほら、君たちも!」
「あぁ、よろしくな、いろは」
「……よろしく。」
(紫霊、やっぱり元気na……)
「…お前、戦闘って見たことあるk」
(全然変わってなかったぁぁ!!!)
(というか、初対面の子供に何を教えこもうとするの!)
「ちょっと紫霊!?この子は幻想入りしたばっかなんだから戦闘なんて……」
「あるよ」
「え?」
「ぁ、ここに来たばかりの時、丁度獣と戦ってる人がいたから……ただそれだけ」
「びっくりした〜だってこの子、来たばっかりだし、そりゃ見た事あるはずないもんね…」
「ていうかお前、住むところはどうするんだ?」
「たしかに!来たばっかりだからまだ…」
「そういえば、ザキってどこに住んでんだ?もしできたら連れて帰れよ…てゆーかそもそも、どこで寝てるんだよ?」
紫霊の問いに対し、ザキは言った。
「さぁな。お前に教える義理はない。」
「えー、何だよ教えてくれてもいいじゃん〜」
「あれれーザキくん、もしかして自分の寝床も忘れた系?wお前の寝床は、俺のh……((モゴモゴボカッドカッメリメリガッシャーン」
「お前らは何も見ていない」
「闇が見えたぜ……()」
「えっと……どうしよう紫霊お兄ちゃん……っ」
「し、紫霊お兄ちゃ……ッッ!?…って、おい!泣くなって〜!」
「あー、脳筋が泣かせたーーーー!」
「だぁぁっうるせぇなIQ2!傍観してないでお前もちょっとは考えろや!」
「そうだな…んじゃ、オメーが連れて帰れば?」
「ちょっとキラ!今紅魔館がどんな状態か分かって…!」
「あっ…ごめんしれi…」
「……でもそれ以外の策もないしな」
「あ、まぁ、それは確かに……」
納得してしまった紅葉。
「…でも、連れて帰るなら紫霊、くれぐれもレミリアや咲夜たちに迷惑かけないように、ちゃんと面倒見てあげてよね?」
「そうだぞ紫霊」
「わ、分かってるってお前ら。あと、やっと俺の名前呼んでくれたな、IQ2。」
「お前は呼んでくれなかったがな」
「へいへい、細かいことは気にせず!また来るぜ〜!ほら、行くぞガキ」
そう言って紫霊は帰っていった。
「はぁ……何が『細かいことは気にせず〜』なんだ!全くこれだから脳筋は…」
ーーー少年帰館中…ーーー
(キラside)
「……アイツ、あの子を連れて帰ることに対して躊躇なかったな」
「まぁそりゃ、泣かれたらな。俺だって戸惑う」
「ザキ、意外に子供接するの苦手だもんね〜」
「あぁ、否定はしない」
「ちょっと、紅葉と俺との対応の差が激しい!?」
「当たり前だろ。相手が女だと、接し方も当然気を配る」
「お、紳士的なとこあんじゃーんザキくん〜」
「黙れ」
「なんかキラ……」
「紫霊みたいだな。特にウザさが。」
「この世で最も最悪な比喩」
「最も最悪って若干矛盾してないか」
「あぁ細かいことはいいんだ!」
「ますます紫霊だな」
「うん、僕も同感」
「IQ2で脳筋とかもはや終わってるだろ!()」
「IQ2認めちゃったよ」
「……まぁ、泣かれたのもあるだろうが…」
おもむろに俺は続ける。
「いや、大したことはねぇ。」
「……ただ、あいつのあの時の目は…ルビーに対しても向けたことがあったなって」
「キラ……君……」(同時)
「キラ……お前…」(同時)
「紫霊のこと大好きだな&だね」(同時)
「はぁ!?」
「だって、そうでもなきゃそこまで詳しく見ないじゃん!」
「別に、そんなことなんて……!」
「そうでもなきゃ目なんてそうそう詳しく観察しねぇよ。」
「あぁぁ!なんで2人ともさっきから息ぴったりなんだよ!」
「さっきお前が紫霊と俺に味わせた感覚」
「……悪かったな!まぁでも俺はあんな紫キャベツが好きなんてのは絶対認めないからな!本当に好きなのは……ッッ!」
「好きなのは?」
「あ、いや、別に。ザキに関係ないだろ」
「なんだ〜、つまんないの。」
紅葉も、さぞ残念そうに言う。
(……全く…ザキは分かってないんだよ…俺が本当に大好きなのは…ッッ!…って!俺は何を考えてるんだ!!)((ベシッ!
「なんで自分で自分叩いてるの?」
「IQ2だからだろ」
「hidoi☆」
「紫霊……元気になるといいね」
「あぁ。まぁ、あいつなら大丈夫だろ。実際レミリアの件は俺たちも結構きてるし、大丈夫ってわけでもないんだがな。」
「そうだね…あ、明日ルビーも誘って、4人でレミリアのお見舞いに行く?ルビーが来れるかは分かんないけど」
「あぁ、俺はいいと思うぞ。」
「オレも賛成だ。だが一旦咲夜に許可をとった方がいいだろう。…ちょうどこの時刻は、咲夜が買い出しに行っている時間帯か。人里あたりに行ってみる。」
「ありがとう!じゃ明日、ルビー誘ってここに集合!…ということでキラ、お誘いよろしく」
「なんで俺?…って言いたいとこだが、まぁ俺が誘っておくよ。」
「ありがとうキラ!」