「これを使用するのだ。
『授カレ』……上の者からの命令である。
ほら……はやく、夢の世界へ……!」
リリリリリリリリ……
「ふぁっ……!?ゆ……夢か……」
夢の中での景色。「殺風景」という言葉が似合う。
そこには私━━柊那乃と、同い年くらいの見知らぬ少女がいた。確か。
そしてその少女から、赤色のチケットのようなものを押し付けられて……起きたんだっけ。
「変な……夢だった……」
リリリリリリリリ……
「うるさい、もう7時か……って、え……?」
目覚まし時計の隣。机のうえでやけに目立つ紙が1枚……。
(まままままさかこれって夢に出てきたあの**ナゾの紙……?**見知らぬ女の子からもらったやつ……?あれ……私おかしい……?幻覚見えてるよね……?)
いや、まだ寝ぼけているだけかもしれない。その可能性を願いつつ、まず顔を洗い、髪を整えて……っと。
(しっかり目が覚めた。よし、これなら大丈夫……)
ん……いやまだ見えてる……!?
本気で私おかしくなっちゃったのかな……。怖い、怖すぎるよ……!捨てないと……!
「本当に……なんなのこれ……?」
手にとってそう呟いた瞬間。
━━紙が、浮いた。
「うわっ!?」
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