テラーノベル
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場面は再び探偵社へ。
「太宰さん、遅いですよ!」
「まったく、何時間遅刻してると思ってるんだ!」
敦と国木田の声が飛び交う中、太宰は涼しい顔でソファに倒れ込んだ。
「……いやあ、夜の海に沈む夢を見てね。起きたらもう日が昇っていたのさ」
「言い訳になってません!」
そのとき。
太宰の上着のポケットがふと気になった。
(……あれ?)
昨夜のバーのカードが、ない。
彼の顔に、ごくわずかな影が差した。
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