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見てくるやつが嫌い。全員嫌い。
クラスのやつに先輩に後輩、家族も、嫌いだった。唯一好きなのは不良仲間。
そう僕は、不良だった。だから嫌われてたんだ。
だけど世界は思ってたよりずっと広かった。こんな僕でも認められて、大切に思ってくれる人がいる。あの人に出会ったあの日、見る目が変わったあの瞬間、僕はあの人に命を捧げると誓ったんだ。
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「はーだる。」
今は授業中。だが俺は退屈中。授業を受けても受けなくても退屈なのには変わりない。
「なるくん!授業にでなさい!」
そう、こいつ、はるって言う。生徒会長やってるらしい。俺にとっちゃくそだる会長。しかも謎にやたらと執着してくる。
「さっき君のクラスから笑い声が聞こえたよ」
「へーそうすか。」
あー!また適当な返事!と会長は言ってきた。興味が無さすぎる。本当に。
すると声がした。
「なるー!コンビニでおにぎり買ったから食おうぜー」
「食おー」
俺はおうと言って仲間たちの所に向かおうとすると、会長はよく分からない事を言った。
「その人達と関わってて楽しい?」
「…は?」
仲間の悪口は俺が許さない。会長はまた仲間の事を話そうとしていた。俺は殴りかかった。だが会長は俺の拳を止めた。
「…空手とか習っての?」
「んーなんも」
確実に当てれそうな位置だった。だがこいつは止めた。その謎が、この言葉でわかった気がする。
「なるくん、殺し屋に入らない?」
何言ってるんだこいつは…
「あの不良達にお金渡してるでしょ。彼らそのお金でクラブ言ってるの見たんだよね〜」
それで〜と彼は長々と話し出した。何故か、写真も取られていた。
「そんな話、信じるわけ…」
「とりあえず!お金要求されても渡さないようにね」
そう言って会長は出ていった。話を信じてないわけじゃない。お金は要求されてる、渡してる、写真も確実に俺以外の人が写ってる。だけど訳があるかもしれない。僕は半信半疑でいたが、彼らはまた言った。「お金を貸してくれ」と。
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「ごめん、無理。」
「は?なんでだよ」
「××くんの家のために渡してた。だけど、そのお金でクラブ行ってるんでしょ?」
「何涙目になってんだよw」
「あーもーい。こいつダメだ。捨て。」
「え…?」
裏切られた。簡単に。
僕はこの出来事があってから学校に行けなくなった。
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数週間が経った。親達は元気がない姿をみて心配していた。そしてクラスメイトからメールは一通もこない。
ピロン
『なるくん、今日の5時ーー公園に来て』
『いいもの見せてあげる。』
会長からだ。励ましのつもりなのか、それなら要らない。
ピロン と、また一通
『彼たちも来るよ』
と。その一言で僕は立ち上がった。何かの間違いだと言って欲しい、また前みたいに話したい。その思いで僕は5時、ーー公園に向かった。
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ーー公園についた。もうみんなはいる。ほんとはみんなと話したい気持ちがある。だが途中で会長から、
『どっかに隠れててほしい』
ときたので、僕は聞こえる距離で隠れた。何やら喧嘩になりそうな話し合いをしている 。
「俺らは元々金目だしw」
「そーそー。まーいーやつだけど飽きる」
と、どんどん悪口大会になって言った。会長は何も言わない。その場にいるのが辛かった俺は帰ろうと思った。その時会長は口を開いた。
「金貰ってるのは誰?」
「ん?俺」
と、俺と言った瞬間、会長はそいつを殴った。他のやつも、会長に殴りかかろうとしていた。俺は止めようと思ったがその必要は無かった。一瞬で殴り合いは終わり、会長だけが立っていた。
「あ、なるくん、みてたでしょ?」
「は、はい…」
凄すぎる。僕は彼らに逆らえなかったのに、会長は、はるさんは…
「凄いです、ほんとに、こいつら強いのに…本当に凄いです…」
ありがとう、と会長は言い、ポケットから何かを取り出した。
銃だ。それを僕に向けた。
「はるさん…?」
「もう一回聞くね、殺し屋に入らない?」
「もしNoと言ったら君を殺すね」
はは、はるさんのばか。僕の答え、もう察してるでしょ笑
「はるさん、殺し屋に入ります」
「僕はこれからの人生、
貴方様に命を捧げます。」
__そうしてこの日、僕の殺し屋の人生がスタートした