(呪いの運命)
俺は運動も勉強もダメで顔面もブス、何にも個性もない呪いにかけられたただの高校生だ。
どうせ俺は陰キャで何もかもダメでモテない奴だ。まるで呪いのように誰にも好かれることはなかった。
だがある日、その思いは消された。
他校の女子に恋をしたのだ。長い黒髪ストレートに制服が似合う可愛い顔。陰キャな俺にも優しく接してくれた。
そんなあの子に振り向いて欲しくて頑張った。
化粧も時間をかけてやって勉強も運動も沢山練習した。服装だって気遣ったし髪もイメチェンした。
そして告白をした。
でも、あの子は髪を耳にかけながら言った。
「タイプじゃない」
運命だったのに…………
「そんなに落ち込むことなくない?」
幼なじみの三春が言った。
「俺は………俺は頑張ったのに………」
机にうつぶせ夕日に顔を照らされる。まるで、失恋漫画のような照明のようだった。
「はぁー、お前はすごい。自分を変えようと頑張った。あいつのみる目がないだけだろ」
三春が俺の頭を撫でる。
「はぁー、俺やっぱり人が好きにならない呪いかかってのかなー」
うつぶせた顔を起こし三春を見ながらいった。
「そんなわけないだろ。だって、私はお前のこと好きだから」
「は?」
思考が停止したように真っ白になった。まじで………「だから……………結婚を前提に付き合ってください!」
太陽のような笑顔で三春は俺の呪いを消してくれた。