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その日、太智は朝から仁人に違和感を覚えていた。
「太智、これ取って」
「はい」
「ありがと」
ここまでは普通。問題は、その直後だった。仁人が太智の頭をぽん、と撫でた。
「今日もかわいいね」
「…………は?」
太智が固まる。仁人は何事もなかったようにスマホを見る。
「なに?」
「いや……」
「なんか文句ある?」
「いや、ないけど」
「じゃあいいじゃん」
「…………」
太智はじっと仁人を見る。普段の二人は、メンバーと一緒にいるときもそうでないときも、別にベタベタしていない。むしろ
「太智、それ俺のだから」
「ええやん、ちょっとくらい」
「よくない。自分の食べろよ」
「ケチやなぁ」
「うるさい」
みたいな言い争いはしょっちゅうする。
いつものやり取りだ。だからこそ。
「太智」
「ん?」
「好きだよ」
「…………」
太智はまた固まった。
「……仁人」
「なに」
「今日ほんまにどうしたん?」
「別に」
「いや、絶対なんかあるやん」
「ないけど」
「さっきから優しすぎる」
「俺、いつも優しいよ」
「嘘つけ」
「失礼だな」
そう言いながら、仁人はまた太智の髪を撫でる。
「かわいい」
「……頭でも打ったん?」
「打ってないって」
「人格変わってるで」
「普通に思ったこと口に出してるだけ」
「……病院…休日やってるのどこやったかな」
太智は嬉しい、嬉しいのだが。
(絶対なんか企んでる)
その疑念は、一日を通して消えなかった。
昼ご飯の時は、
「太智、これ食べる?」
「え、くれるん?」
「うん」
「ありがとう」
「いっぱい食べな」
「……保護者か」
夕食後の片付けや洗濯たたみも。
「疲れた?」
「少しな〜」
「じゃあ座ってなよ。俺がやるから」
「えっ」
夜になっても。
「太智、これたいていい?アロマ」
「いいで。ええ匂いやな」
「今夜ちょっと冷えるからこれかけときな」
布団を受け取りながら、ついに耐えられなくなった。
「なあ」
「ん?」
「もうええかげんネタバラシしてや」
「…………?」
仁人が本気で首を傾げる。
「何の?」
「いやいやいや!」
太智が身を乗り出す。
「今日一日ずっとおかしいやん!」
「そう?」
「そうやって!急に褒めるし、優しいし、好き好き言うし!」
「別にいいじゃん」
「なんか企んでるんやろ?」
「…………」
仁人は数秒黙った。
「……太智」
「うん」
「お前、俺が普通に愛情表現してただけだと思わなかったの?」
「…………え?」
「何かあると思ってたの?」
「…………」
「マジで?」
「……うん」
「…………」
仁人が絶句する。
「お前さぁ」
「はい」
「俺をなんだと思ってるの?」
「いや、だって普段せえへんやん」
「してるだろ」
「そんなせえへん」
「……そっか」
仁人は腕を組んで考える。
「じゃあ俺が悪いな」
「え?」
「普段からもっと言えばよかった」
「……」
「まさか俺が優しくしただけで、裏があると思われるとは」
「……ごめん」
「いや、面白いからいいけど」
「そこ笑うとこなん?」
「だって太智、今日ずっと警戒してたんでしょ?」
「…………」
「俺が『好き』って言うたびに、こいつ何企んでるんだろって思ってたの?」
「……思うやろ、そりゃ」
「ふっ……」
仁人が吹き出す。
「かわいそうな俺」
「なんで仁人が被害者みたいになってん」
「せっかく愛してあげてたのに」
「その言い方やめてや」
太智が笑いながら仁人の肩を軽く押す。
仁人も笑いながら流れるように太智に軽くキスをする。
「……!」
太智が一瞬止まる。
「今のは?」
「愛情表現」
「…………」
仁人はそのまま太智を抱き寄せる。
「ごめんな、太智」
「……うん」
「俺、もっとちゃんと言うようにするわ」
太智の頭を撫でる。
「太智好きだよ」
もう一度、ゆっくり撫でる。
「かわいいし、面白いし」
「……わははっ」
「大事にしたい」
太智の顔がどんどん嬉しそうになっていく。
「いっぱい甘やかす」
「……それ、ええなぁ」
太智も仁人の背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめ返す。
「僕も仁人好きやで」
「知ってる」
「めっちゃ好き」
「それも知ってる」
「……なんなん。嬉しいやん」
「ならよかった」
仁人は笑いながら、また太智の髪を撫でた。太智はすっかり満足して、そのまま仁人にくっついている。
「……でも明日になったら、またいつもの仁人に戻るんやろ?」
「戻るよ」
「えー」
「当たり前だろ。ずっとこんなの疲れるし」
「ひど!」
「でも、たまにはやる」
「たまにかぁ」
「そのほうがありがたみあるだろ」
「……まあ、それもそうか」
仁人がまた太智を抱きしめる。太智の顔が一気に明るくなる。さっきまで警戒していたのが嘘みたいに、口元が緩んでいく。
「今日はいっぱい甘やかさせて」
「……ええで!」
太智は嬉しそうに仁人の腕の中に収まっていた。
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25歳最後の日にレコメンに寄る💙と、0時になった瞬間1番に電話で誕生日を全国放送で祝う💛。なんか最近相思相愛隠さなくなってきてませんか。💙26歳おめでとう…!
コメント
5件
ああんもう!これいつまでも見てられるんやけど!!愛情表現をドッキリかなんかと勘違いしてすれ違ってる2人可愛すぎるんやが😭
好きー💛💙
ふふ、もうめちゃくちゃかわいいですね……!太智が仁人の優しさに「絶対企んでる」って警戒するところ、めっちゃわかるし笑ってしまいました。でも最後に「たまにはやる」って言う仁人の素直さと、それで満面の笑顔になる太智が愛おしすぎます。普段喧嘩してる二人だからこそ、甘やかす日のギャップが尊い…!相思相愛隠さなくなってるの、確かにそうですね🫶