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ゆき
527
格安生姜
1,299
#M!
yomi
242
attention
・urya
上記の意味がわからない方はブラウザバックお願いします🙇
#y side
j「ここら辺はちょっと治安が悪いから気をつけて帰ってね」
久しぶりに全員がリアルで集まって配信をした後、そう言い残してじゃぱぱはさっさと事務者に向かった。夜も更けて、良い子は寝る時間になっているが、まだ仕事があるらしい。全く、働き詰めのリーダーにも困ったものだ。しっかり休めよ、リーダー。
u「まじあの人のバイタリティ異常だと思うんだけど」
y「ほんとにな」
n「休んでくれたら良いんですけどね」
m「休んでくれたら100点だよね」
毎度の恒例となってきたリーダーへの称賛改め働きすぎることへのちょっとした罵倒。罵倒とは言っても、みんな心からじゃぱぱを尊敬しているから、そんなにキツイ言葉じゃないけど。
n「まだ日付は回ってないけど、じゃぱぱさんもああ言ってましたし、そろそろ帰りますか」
s「俺女子2人送ってく」
d「もふくん、ひろくん、帰ろ〜」
n「たっつんさん帰りましょ」
こう言うときの俺らの団結力は凄いと思う。いい感じにマッスル寮が分かれるのはもはや才能だろう。現実でもジムに行ってるマッスル寮と、唯一ジムに行ってないザウルス寮。…ゲーマーに筋肉は必要ないし。
u「じゃ、お前とか」
不仲とか言われている俺らだけど、実際はむしろ仲が良い方だと思う。ほら、喧嘩するほど仲が良いとかいうやつ。
y「ん、よろ〜」
♢
「すみませぇん。ソコのおにーさん」
…またか。
キラキラを超えてギラギラとした、獲物を見つけたような目をした女の人が俺たちの行く手を遮った。うりに道を聞いているようだけど、スマホで調べたらすぐにわかるようなことをなぜすれ違っただけのうりに聞くのか。
綺麗なその人は真横にいる俺のことなんか気にせずにうりだけを夢中に見つめている。俺は視界にすら入っていないようだ。ここまで来るといっそ清々しいとさえ思う。
結構な頻度で遅刻するコイツは、その原因がナンパされてたなんてこともあるくらい、歩いているだけで声をかけられる。そんで、優しいから真摯に対応しちゃう。うりの優しさは誰にでも向いてしまう。
このお姉さんはとてもしつこいようで、やんわりと断っているうりに構わずどんどん食い下がっている。
…面白くない。
y「おれコンビニで待っとく」
後ろから小さな声で囁けば、苦い顔をしながらも頷いた。
コンビニに向かってぐんぐんと進んでいた足を止めて、振り返ってみる。イケメンなうりが、綺麗な女の人に迫られている。その後ろ姿だけでも様になっている。
ああ、お似合いだな。俺なんかよりもずっと。
頭ではわかっていた。いや、わかっている気になっていた現実を真正面から突き付けられて、息が苦しくなる。その光景を見ていられなくて、もう一度歩みを進めた。さっきよりも、ずっと速いスピードで。
♢
目の前を何かが横切った。黒くて艶のある何か。
y「え、」
驚いて声が漏れたのも仕方がないと思う。暗い中で金に輝く、2つの光。真っ黒なのに、暗くてもわかるくらいに艶々な身体。真っ赤で可愛らしいリボンと、それに付いた鈴。
ビルとビルの間の細い路地から、綺麗な黒猫が金に輝くアンバーな瞳で俺を見つめてきた。
「にゃ」
ひと鳴きして俺の目をじっと見つめながら近付いてきて、俺の足に擦り寄ってきた猫。尻尾が足に絡みついてきて、鈴がリンリンと心地よい音を出していて。その温もりに涙が出そうになった。
y「慰めてくれてるの、」
身を屈めながら、消え入りそうな声で問えば、その大きな瞳で可愛らしく見つめてきた。そのまま頭を撫でようとしたら、するりと逃げられてしまった。その足で細い路地へと戻っていく。
「にゃあ」
誘うような、楽しそうな声で鳴く猫に誘われるようにして、路地へと入った。大丈夫、うりは女の人といるから。俺が猫と遊んだって文句は言われないし。
リンリンと鳴り響く鈴の音を辿るように歩みを進めれば、すぐそこの薄暗い街灯の下にさっきの黒猫がいるのが見えた。
大通りからほんのちょっとそれただけなのに、まるで異世界にでも来たかのような、不思議な光景だ。ただの猫のはずなのに、引き込まれるものがある。今度は逃げられないように、そっと近づく。
「…よう、どうしたこんなトコで」
y「!?」
空気が揺らいだと思うと、真後ろから声が聞こえた。びっくりして声にならない悲鳴をあげると、そいつはケタケタと笑った。気味が悪かった。
「ハハッ、いいねぇ」
黒の丸メガネをかけた長身の男は、俺を見つめるとニヤリ、と口角を上げた。自分に向けられている胡散臭い笑みに戸惑い、警戒心を隠せない。
「にゃー」
「ふふ、お前は賢いねぇ」
ゴロゴロと喉を鳴らしながら男の足に甘えるように絡みつく黒猫。綺麗としか思わなかった真っ黒い毛並みが、途端に恐ろしく思えた。
「で?いくつ欲しいの?」
y「は?」
意味がわからない。そもそも今初めて会ったばかりだし、こんな怪しい男に貰うような物は無いはずなのだが。
「ハッピーなキャンディ欲しい訳じゃねぇの?」
ぞわり、と背筋が伸びた心地がした。
「そんなに怯えなくても…笑」
「お前もちゃんと客を連れて来なくちゃ」
男が不機嫌そうに言うと、それを感じ取ったのか猫は暗闇の中に消えて行った。
「坊や」
甘い、とろけるような声で投げかけられる。ひろくんやうりとはまた違うタイプの声は、甘いのに冷たくて、心臓を鷲掴みされているようだ。
y「坊やじゃない。成人してる」
「そりゃ失礼…。で、なんでここにいんの?」
y「猫についてきただけ」
「そう」
男が無遠慮にジロジロと眺めてくる。居心地が悪いから戻ろうかと思ったが、女の人に絡まれていたうりを思い出し、踏みとどまった。もう言い寄られているうりを見たくない。
「んー、なんか辛いことでもあった?」
ギクリ、とまるで金縛りにあったように動けなくなる。そんな俺を嘲るように、ふっと軽い笑い声を上げた男から逃げようとした。でも、そんなことをしても無駄だとでもいうように、俺よりも大きな手で手首をがっしりと掴まれた。力の差もあってか振り解けない。
「俺でよけりゃ話聞くけど?」
甘い、とろけるような声と、一度目を合わせたら逸らせない目にくらりとする。丸メガネから覗く目が細められた。コイツは、うりとは全然違うのに、どこか似た、猫のような雰囲気をしている。
「君可愛いから、うんと優しくするよ」
誰にも言われたことのない、甘ったるい言葉をかけられて、頭がぼーっとする。脳が馬鹿になる。
「忘れさせてあげるから…おいで」
にんまりと真っ赤な弧を描いた男に、ぐっと腕を引かれた。
u「だーめ、」
声と同時に腰に手が周り、先程よりも強い力で引き寄せられる。男が俺から手を離し、甘い香りからよく知る優しい香りに包まれた。慌てて振り向くと、見たことない表情のうりが、後ろから俺を抱きしめていて。その表情から感情を読み取れなくて戸惑う。
「あら、保護者登場?」
俺に向けられていた視線がうりに移る。
「おにーさんコッチの人間?」
u「ちげーわ。一緒にすんな」
「へぇー。にしては胆力あんねぇ」
u「そりゃどーも」
不気味な笑みを浮かべる男に向けるうりの視線に、刺されそうなほどの殺気を感じて背筋が震える。男はひどく楽しそうだ。
「大事にしてんだねぇ」
u「関係ないだろ」
「綺麗なものって汚したくならねぇ?」
u「ならねぇよ」
「あははっ」
何が楽しいのか、高らかに笑う男。
「なあ、にーちゃん。そんなに大事なら鍵かけて閉じ込めとかなくちゃ」
u「そうかもな」
「次会ったら知らねぇよ?」
u「次なんかねぇわ」
吐き捨てるように言ったうりが、痛いくらいの力で俺を抱きしめる。男はそのまま、さっきも猫が消えた暗闇へと姿を消した。
男の気配が無くなると、ようやく俺を抱きしめていた腕の力が弱まる。
u「はぁ…。肝が冷えた」
真剣な声に混乱した。うりの方を向かされて、祈るような視線を受けながら、今更すぎる恐怖でいっぱいになった。
y「っ、うり、なんで…」
上手く出て来ない声を紡ぐと、今度は優しい声が降ってきた。
u「姿見えなくて焦った」
y「ごめん…」
目を見ていられず、地面に目をやる。アスファルトは、大きくへこんでいた。
u「わかってないだろうけど、今の男、カタギじゃないから」
y「え…?」
u「あんな奴に隙見せんな」
優しいはずなのに、冷たくて鋭い声にびくり、と反応する。うり、本気で怒ってる。こんな声は初めて聞いた。
u「あの男に魅入られてただろ」
断言するうりに、否定も肯定もできない。
u「つけ込まれたら簡単にヤられるぞ」
y「なに、を」
今の一連の行動を非難されているのはわかるけど、さっきの恐怖からか、それとも甘い声のせいからか、頭が回らない。
u「はぁ…。ほんとに閉じ込めとけばよかった」
機嫌が悪いのを隠そうともしないうりの指が頬に触れてからつう、と顎に滑る。指から伝わる熱に、ぞくり、と震えた。
u「お前があれに惑う可能性があんなら、俺のがマシか」
うりの目が冷たいものから温かいものへと変わっていく。
u「俺、ゆあんくんが好きだよ」
y「は」
言っている意味が理解できなくて、思わず目を見開く。なんにも躊躇わずに口から出された言葉の理解を脳が拒んでいる。
u「一生言う気無かったけど、しゃーね」
y「うり…?」
u「あんなやつに攫われる可能性があるなら別。付き合お。じゃぱぱさんにも言うから」
y「うりっ!」
たまらずに強く名前を呼べば、妖艶に微笑むうりが、俺の唇を指の腹で軽くなぞった。
u「だって、俺のこと好きだろ?」
苦手なペアを克服しようと思ったけどurさんが解釈違いすぎてこれ以上書けない…
尻切れですみません🙇♀️
コメント
1件
うわあ、すごかった……。ゆあんくんの「俺なんかよりずっとお似合いだ」って自己否定、胸が締め付けられたよ。黒猫に導かれて出会った怪しい男の甘くて危ない雰囲気も、うりの「閉じ込めとけばよかった」っていう執着も、全部どろどろで好みです🥀💘 告白シーン、あまりに唐突で不意打ちすぎてこっちまでドキドキした……。続き、どきどきしながら待ってますね。