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森を抜けた俺とシロは、ようやく街道までたどり着いた。


持物といえば、女神さまから支給されたこの服とバッグだな。


異世界転生は裸で放り出されるパターンもあったと思う。


ター○ネーターのようにならなくて本当によかった。


まずは服から。


上は厚手の襟つきVネックシャツ。胸から首まで穴に革ひもをとおして止めるようになっている。


下はカーゴパンツ? のようなもので上下ともに薄灰色だな。


ブーツは編み上げタイプで、こちらは革製。


あとは剣帯と幅広ベルト、そこに全長70㎝ (刃渡り45㎝) 程のショートソードが革のシースに刺さっている。


そして、長さ120㎝のダッフルバッグが1つ、灰色キャンパス生地の円柱形である。


中には革の水筒2・携帯食料の硬い黒パン・干し肉ジャーキーが3日分ほど入っている。


これは俺一人分としての計算になるのだが、


俺には自分だけが食べるという、そんな選択肢はもともとない。


シロが欲しがればその場で全部あげてしまう可能性だってある。


なんとなく、そうなってしまいそうで怖いのだが……。


あとは……、一辺が1.5mの正方形の布。キャンパス生地のポンチョ? いや、テントとしても使えるのだろうか。


片面がツルツルしていて撥水性が高そうだ。


一人用毛布・日本タオルのような布切れが3枚・火打石セット・ミニフライパンが1つ・妙に光沢のある25㎝程のナイフ・小さい革の小袋が2つだな。


革の小袋の一つにはポーションの瓶が3本入っている。


傷回復ポーション・中級回復ポーション・魔力回復用マナポーションと書いてある。


もうひとつの革袋はずっしりと重い。


銀色と金色のインゴット。 (たまご小の大きさです)


それが5コずつ入っている。


まぁ、町などで換金して使いなさい。ってことなんだろう。


こんな金属のインゴット。女神さまはどこから調達したんだろう?


何にしてもありがたい事だ。手を合わせて拝んどこ♪


町に入れば教会もあるはずだから。


その時にでも、しっかりと感謝を伝えることにしよう。






ようやく街道へと出てきた俺たち。


「さーて、どちらに向かえばいいんだ。シロはどっちだと思う?」


シロは道に鼻をくっつけると、クンクン匂いを嗅いでまわっている。


やがて右の方を向いて ワンッ! と吠えた。


「右だな。よし、行こう!」


そうして、俺たちは道なりに北へ向かって歩きはじめた。


はっきりと方角が分かるわけではないが、西に向かって森を出たのだから、たぶん北であっていると思う。


水分補給を兼ねた休憩をとりながら、そのまま道なりに進んでいく。


だいたい3時間ほど歩いてきただろうか。


いつの間にやら道の左側20mほどを小川が流れるようになった。街道と並行するかたちだ。


俺の前を歩いているシロ。なんだかソワソワして、しきりに小川の方を気にしている。


なるほど、ひと泳ぎしたいのか?


今の季節ってどのくらいなんだろう? 外の陽気は春先あたりかな。


長いこと歩いていると少し汗ばむほどだ。


「よし、川に寄っていくか!」


そう言うや否や、シロは小川へ向かって一目散に走っていった。


俺はそのあとを追うようにシロに付いていく。


そして、川べりに寄った俺は両膝を突いた。上のシャツを脱ぎ捨てザブンと川に頭を突っ込んだ。


「うぉ―、冷てぇ――!」


叫びながら、もう一度川に突っ込む。


そして、この世界に来てから初めて自分の顔をまじまじと見ることになった。


おっ! なかなかどうして、いい男じゃないの。


そこにはブラウンの髪に鳶色の瞳をもった、歳のころは17~18歳ぐらいの青年の姿が映しだされていた。


「うへぇ、これって若返りすぎじゃないの~」


そう呟きながら川下を見やれば、ハフハフ言いながら犬かきをしているシロの姿が目にはいった。






せっかくなので空の水筒に川の水をつめていくことにした。


もちろん生水をそのまま飲むことはしない。


あとでフライパンで沸かして白湯にするつもりだ。


女神さま曰く、この身体には状態異常の耐性が備わっているそうだ。


なので生水を飲んだぐらいで、どうということはないだろうがステータスを確認するまでは気をつけたい。


シロがようやく川から上がってきた。川べりにて盛大にブルブルしている。


ちゃんと水しぶきがかからないよう、わずかに離れて脱水しているようだ。――賢い。


「シロ、もう少し進んでから今日は野営しようと思うけどう、それで良いか?」


「 ワンッ!」


わざわざ体をこちらに向けて答えてくれた。


少し小腹が空いたので干し肉をを食べながら街道を歩いていく。


もっとクレクレとシロから催促がきているのだが、


「また夜になぁ」


心を鬼にして、道を進んでいった。


そのまま道なりにしばらく進んでいくと、左手にわりと開けた場所が目にはいってきた。


おそらく冒険者や商人たちが利用する野営場だろう。


火を起こしたあとがあちらこちらに見え、簡易竈もあるようだ。


近くには小川も流れているし、ここは便利そうだな。






「今日はここで野営して夜を明かそう」


俺がそう言うと、シロは両前足を前に出しストレッチでもするかのように背中を伸ばしている。


よくワンコがやっているやつだ。


そのあとはいつものブルブル。


そうして野営場へ入っていったシロだが、わかっていたのか簡易竈の横に陣取り丸まってしまった。


俺は肩に背負っていたダッフルバッグを下ろすと、


「シロ、荷物番を頼むな。俺は薪になりそうな小枝を集めてくるから」


そう声をかけ隣接している林へ向かった。


シロは丸くなったままだったが、尻尾が揺れていたので、たぶんわかっているのだろう。


「さてさて、もう一仕事しますかねぇ。天気は……うん、大丈夫そうだ」


晴れ渡る空を見上げながら俺はそう呟いた。

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