京無です☆
同期である無陀野無人は、人肌を感じたことがない。
今まで一回も。
「ダノッチ、覚悟してね。」
12月31日。今日は無陀野の誕生日だ。だから、仕事を早く終わらせて、無陀野に好きな物とかほしい物を聞いてみた。
「ダノッチー!誕生日おめでとう!」
「あぁ。ありがとう。」
「え、どしたの。やけに素直に礼言うじゃん!」
「ま、それは置いといて、なにかほしい物とかある?」
「…」
「特にない。」
「えー、京夜さんとかないの?」
ま、冗談だけどね、と言おうとしたその瞬間
「……ほしい…」
「…ッ!?」
「え、なにそれ!?可愛いな!?」
「…うるさい」
「そりゃあうるさくもなる!!」
「ちょ、顔見せて!?」
そう言って無陀野の顔を覗き込もうとしたら、無陀野に逃げられてしまった。
「ちょっと待ってよダノッチ!…って、はや!?」
当然だろう。彼はローラースケートを履いているのだから。
無陀野を追いかけていたら、角から小さい人影とぶつかった。
「いっ…!」
「いってぇな。」
「何すんだ…って、京夜じゃねぇか。」
「えっ…まっすー?」
なんでここにいんの、と言おうとしたら
「テメェの方が何してんだ?」と言い返されてしまった。
真澄は、京夜の顔を見て勘づいた。
「お前、また無陀野に逃げられたのか?」
「心読まないでよ…」
真澄はそうゆう人だ。顔を見ただけで何もかもわかってしまう。
それが、もう一人の同期。淀川真澄だ。
とりあえず、無陀野を追いかけようとしたら、真澄に止められてしまった。
「…まっすー、離してくれない?」
「…無陀野を追いかける気なら今は諦めろ」
「え…なんで?」
「あいつ、照れてやがる。照れたら、なかなか話さねぇぞ。」
わかってる、それだけ言って、京夜は、真澄から離れた。
「ダノッチ!ようやく見つけた!!」
「…京夜?」
「もう…逃さないよ、!」
「…」
「逃げる気はない…」
そう言った瞬間 唇にキスをされた。
「んっ…ッ!?」
口の中に舌が侵入してきた。
「んっ…ぅっ…」
「ダノッチ可愛い…」
ここは誰にも見られない、誰にも邪魔されない場所。そう。京夜の部屋だ。
そこでやることは一つ。
「ダノッチ、覚悟してね。」
冒頭に戻ります☆
「…京夜…?」
ベッドに座っていた無陀野の肩を京夜は、軽く押して、無陀野の両手首を頭の横で抑えた。
無陀野は珍しく顔を赤くしながら目を見開いていた。
「ダノッチの泣き顔、俺にみせてよ」
「、!?」
「…いやだ…」
「なんで?でも、俺には嫌でもヤッてほしそうに見えるけど?」
あれ、図星?と言いながら再びキスを交わした。
「ダノッチ、息、止めないでよ」
「可愛いなぁ〜」
「ねぇ、えっち、してい?」
「ん…」
ほんと可愛い…無陀野は京夜にとっては特別な存在。
同期だが、今は【恋人】として一緒にいる。
いつも無表情な彼だ。
そんな彼が、京夜の前では甘えたがりになり、京夜に泣き顔を見せてくれる。
そんな無陀野が可愛い。
「あっ…♡んっ…」
「可愛い声だね…もっと聞かせてよ」
無陀野は泣きながらその日を終えた。
次の日、無陀野はいつも通り高身長で、無表情だった。
いつも通り同期で集合しようと外で待ち合わせをしていた。
「よぉ。待たせたか?」
同期である、真澄が京夜と無陀野に近寄ってきた。
真澄は先に京夜に近づき、耳元でこう言われた。
「で、昨日はあのあとどうしたんだァ?」
「えっ…急に何ぃ?」
「お前あのあと俺のこと気にせずすぐ走り去ったじゃねぇーか。」
「うっ…」
そんな話をしているとさっきまで何も喋っていなかった無陀野が口を開いた。
「何、話してるんだ?」
「何でもないよ〜!」
「なんでもねぇ。」
このあとは三人で楽しく出かけたみたいです。☆
コメント
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うわぁ.....好きです...