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📖 番外編
リビングのソファ。
静かな午後。
凛:「……どした?」
凛は視線だけを落とした。
すぐ横で、小さな影がじっとこちらを見ている。
子供:「ぱぱ……」
まだ少し幼い声。
○○と凛の子供が、きょとんとした顔で首をかしげる。
子供:「赤ちゃんって、どうやって生まれるの?」
凛:「……」
その一言で、空気が止まった。
凛の思考が、一瞬でフリーズする。
凛:(……は?)
理解はできた。
けれど――処理が追いつかない。
子供:「僕だけ知らなくて、友達にバカにされたの!!」
キラキラした目で、純粋に答えを求めてくる。
逃げ場がない。
凛:(……なんで俺に聞く)
ほんのわずかに、眉が動く。
数秒の沈黙。
凛:「……母さんに聞け」
低く、短く。
子供:「えー!」
不満そうな声。
けれど子供は、まだ諦めない。
子供:「 ぱぱ教えてよ!」
凛:「……」
じっと見上げてくる視線。
その無垢さに、逆に言葉が詰まる。
凛:(……説明しろってか?あれを?)
内心で舌打ちする。
だが、目の前の子供は本気だ。
誤魔化しは通じない。
凛はゆっくりと息を吐いた。
凛:「……そのうち分かる」
子供:「今知りたいの!」
凛:「……」
即答。
完全に詰んだ。
しばらくの沈黙のあと――
凛:「……簡単に言うと」
ぽつり、と口を開く。
けれど、その先が続かない。
凛:(……ダメだろこれは)
言いかけて、止まる。
子供は、期待に満ちた目で待っている。
凛は視線を逸らし、額に手を当てた。
凛:「……」
長い沈黙。
そして――
凛:「……○○呼んでこい」
結局、逃げた。
子供:「えー!?ぱぱずるい!」
不満の声が飛ぶ。
それでも凛は動かない。
凛:(……無理だろ、どう考えても)
心の中でだけ呟く。
外ではいつも通りの無表情。
だが――ほんの少しだけ、耳が赤くなっていた。
――日本の至宝、糸師凛。
人生最大級のピンチだった。
コメント
5件
次の作品どーすればいいですか…… アイディアください🙏
201