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【 いつも通りが崩れる 】
・
いつも通りの朝 ､ いつも通りの時間 ､ いつも通りの … ｡
… 思い込むには ､ 時間がかかる ｡
K ,
「 … はぁ ､ 身体が重い ｡ 」
鉛のように重い身体を持ち上げ ､ ゲーミングチェアに座る ｡
ここまでは ､ いつも通りの朝だ ｡
♪ Discordの通話に参加する
K ,
「 おはよ〜 」
P ,
「 おはよーございまーす 」
T ,
「 おっ ､ クロノアさん ｡ おはようございます ｡ 」
S ,
「 おはようございます ! 」
K ,
「 今日なんの撮影だっけ ? 」
P ,
「 今日は〇〇の撮影ですよ ｡ また忘れてましたか ? 笑 」
K ,
「 あー ､ そうだった ｡ うん ､ 忘れてた ｡ ごめん ｡ 笑 」
記憶力が著しく低下している ｡
何をするにも思い出せない ｡
パソコンの立ち上げ方ですら ､ 少しぼやけるくらいに ｡
あーそうだ ､ この辺りからだったかな ｡
“ いつも通り ” が崩れ始めたのは ｡
P ,
「 クロノアさん何してんすか 笑 」
K ,
「 ごめん ｡ ちょっとボーッとしてた 笑 」
S ,
「 撮影中ですよ ?! 笑 」
K ,
「 ごめんごめん ｡ 笑 」
集中力も以前より続かなくなった ｡
何をするにもスイッチが入らなくて ｡
意識を切り替えても ､ 結果は水の泡で ｡
T ,
「 ダイヤ見つけた ! 」
S ,
「 ナイス〜 」
P ,
「 へくしゅん ! 」
K ,
「（ っ … 耳鳴りが … ｡ ）」
T ,
「 おいおい ! 笑 」
P ,
「 ごめんちょっと我慢できなかった 笑 」
S ,
「 くしゃみ見つけた ? 笑 」
P ,
「 くしゃみ見つけたわ 笑 」
大きな音が聞こえると ､ 耳鳴りがするようになった ｡
しかもそれは一時的ではなく ､ その後数時間 ､ 鳴り続けている ｡
K ,
「 … はぁ ､ … ふぅ … ｡ 」
T ,
「 クロノアさん大丈夫ですか ? 」
P ,
「 息切れ ? 笑 」
S ,
「 集中しすぎてね 笑 」
K ,
「 はは … 笑 ｡ ごめん ､ ちょっと休憩欲しいかも … ｡ 」
P ,
「 おけーっす ｡ じゃ一回録画止めますね 」
S ,
「 はーい 」
T ,
「 クロノアさんほんとに大丈夫ですか ? 体調悪いですか ? 」
K ,
「 大丈夫大丈夫 … ! ちょっと集中しすぎたかな ! 笑 」
♪ Discordの通話をミュートする
K ,
「 はぁ … はぁ … ｡ またこれか … ｡ 」
突然くる動悸 ｡
負の思考に苛まれる ｡
世界の全てが ､ この一瞬 ､ 真っ黒に見える ｡
落ち着け落ち着けと言い聞かせるが ､ その度焦りは増す ｡
いつからだろうな ｡
俺は動悸に襲われると … ､
記憶がなくなるようになった ─── ｡
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
