TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

声涙、倶に下る

一覧ページ

「声涙、倶に下る」のメインビジュアル

声涙、倶に下る

1 - 声涙、倶に下る

♥

1,006

2024年01月14日

シェアするシェアする
報告する



knnk


地雷閲覧注意


kr sm br sha 友情出演



nk side___________


きんときの声は美しい。


そんな事は言わずもがなだろう。


何故か最近綺麗な声が全部息苦しそうに聞こえるんだ。


nk「きんとき」


kn「ん〜?どうしたの?」


少し掠れた声。


nk「風邪ひいた?」


kn「風邪は引いてないんだけど、俺やっぱ声掠れてるよね?」


眉を下げて心做しか悲しそうに言うもんだから、俺は急いで否定した。


nk「そんなことない!調子悪いなら休んで欲しいって思っただけ!」


kn「ふはっ、ありがと」


小さく微笑む。


きんときって脳筋だし下ネタとか言うけど、かっこいい。


なんでモテないんだろう。行動が一々かっこよすぎると思うんだけどな。


今日はきんときに異常はなくこの程度で事なきを得た。



___________



2週間ぐらいたっただろうか、きんときの声は一向に戻らない。


そろそろメンバーも心配になってきているようだ。


kr「声治らないね」


kn「うーん、でも、、前より、マシでしょ?」


br「んー?まあ?」


前よりも言葉が止まるもしくは出ない事が増えた。


マシだと言い聞かせたいのかな。それじゃダメだよきんとき。


nk「全然マシじゃない」


sm「おい、なかむ、」


nk「実況者という声を使う仕事をしている限り、声を聞いてくれる人がいる。このまま掠れた声で活動していくのは、ファンの人がどう思うか考えて欲しい。心配かけるだけじゃない、プロ意識がなってない。早く病院へ行け」


sha「もっと優しい言い方あるだろ」


nk「このままマシだって言い続けてきんときの声が出なくなったらどうすんだよ!!責任取れないだろ!」


br「まぁまぁ、落ち着いて。まだきんさん声出てるから」


nk「そうやってきんときを甘やかすな!」


静かに目を瞑るきんときは、申し訳ないと言わんばかりだった。


俺はこの静まり返る部屋にもう居たくなかった。


俺は部屋を出た。


きんときの声は唯一無二だ。


でも人間は1番最初に声を忘れてしまう。


このまま掠れたままのきんときの声を聞き続けたらどうなるかなんて安易に予想できる。


嗚呼、もう一度きんときの声を聞きたい。



____________


3日ぐらい経っただろうか。きんときから話がしたいと連絡が来ていた。


すぐに了解しきんときを家に迎え出た。


kn「、、病院、行ってきたよ」


nk「どうだった?」


異常がない事を祈っているのだが変な胸騒ぎがして仕方がない。


変に緊張していて、喉が渇くのを覚える。


きんときは言葉が詰まって言いにくそうだった。


kn「失声症だって」


きんときが病気を患っていたのにも関わらず何週間も放置してしまっていた事に強く後悔した。


ショックがでかく、きんときがその後に失声症のことを詳しく教えてくれたのに、話が入ってこなく、記憶がごっそりない。


nk「もう、無理して喋らなくていい」


立ち上がると変な目眩がした。


ダメだ全然状況が理解出来ない。追いつかない。追いつけない。


kn「、、、治る」


きんときが小さく俺に呟いた。


nk「おれ、、きんときの声が聞きたいよ、、」


涙袋にどんどん涙が溜まっていき、耐えられなくなって涙を流す。


泣きたいのは、辛いのは俺じゃ無くてきんときのはずなのに優しくハグをしてくれた。


nk「きんときの声忘れたくないよ、」


思いが涙と一緒に止まらなくなる


nk「ずっと声を聞いてたい」


子供のように泣き喚く俺の背中を無言でさすり続けてくれる。


nk「絶対治せよっ」


と涙をふいて笑って言った。


きんときが当たり前だろ!と言わんばかりの笑顔で俺を見つめていた。



_______________



1週間後にはきんときの声は美しい声に完全回復していた。


病院に通い、発生練習や、薬物療法を用いた。


精神的な所はだいぶ安定していたようで治りが早かったようだ。


kn「なかむ治ったよ」


nk「良かった、安心した」


今日もまた笑い合う。






一件落着したと思い編集をしようとパソコンを開いた。


トップ画面が自分の物ではなかった。よくよく見るときんときの物だった。


きんときはいま外出中だし、エロいもんとかないかなっていじっくっていたらひとつのファイルを見つけた。


nk「nakamuへ」


どんなファイル名だよ。興味本位で開いた。


ひとつの動画があり再生した。


kn「なかむへ、いまこの動画を見てるって事は俺声治らなかったって事だよね」


掠れて息苦しそうなきんときの声。


kn「迷惑かけてごめんね。」


迷惑だなんて、、


kn「心配かけてごめんね。俺はまだ自分がどんな病気を抱えてるか分からない。1番初めになかむに伝えようと思ってる。そんな事はどうでも良くて、なんで動画を残してるかって話なんだけど」


長い事喋っているのできつそうだった。


途切れ途切れに動画がカットされているのがわかる。


kn「なかむ、好きだよ。」


きんときは俺に微笑んだ。


この前一生分の涙を流したはずなのに、また涙が出てくる。


kn「声出なくなったら言葉で伝えることが無くなるから、ここで沢山言わせて。なかむの好きか嫌いかの有無は聞いてないんだけどね」


好きだよとか大好きだよとか愛してるとか俺の好きな所とか沢山言ってくれた。


嬉しさと申し訳なさで涙がどんどん溢れて来てしまう。


kn「どんな俺も愛して欲しい」


と画面の向こうのきんときは涙を流して動画が終わった。


kn「なかむ、、」


耳元で大好きなきんときの声がどろりと流れ込んできた。


nk「わあぁ!!びっくりした!」


kn「めっちゃ恥ずかしいんですけど!」


きんときは随分前から帰っていたらしいけど、俺は泣いてるし、動画見てるしで部屋に入れず動画が終わったタイミングで入ってきたらしい。


kn「んで、、返事はどうですか、?」


nk「どんなきんときも愛すよ」


綺麗な声も、掠れた声も、言葉が出なくても、きんときはきんときだ。


今日もまた笑い合った。

この作品はいかがでしたか?

1,006

コメント

1

ユーザー

「声涙、俱に下る」 意: 感動のあまり涙を流して話す

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚