テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
失明と魔女 . 後編
ー注意ーー
前編参照の為割愛させていただきます。
苦手な方は予めご了承ください。
pnの言葉と共に放たれた強烈な光が収まった時、戦場の風景は一変していた。
敵軍は影も形もなく消え去り、荒れ果てた大地には、まるで何もなかったかのように静寂が訪れていた。
我国は、戸惑いながらも無事だった仲間たちと顔を見合わせた。
自分たちの身に何が起こったのか、理解できないまま、彼らは安堵の息を漏らす。
しかし、その場にいるはずのrbrの姿が、どこにも見当たらないことに気づいた時、彼らの間に動揺が走った。
「rbrは!?どこやrbr!」
knが叫び、あたりを見回す。
「まさか、あの光に巻き込まれたのか…!?」
utが青ざめた顔で呟く。
だが、どれだけ探しても、rbrは見つからなかった。
まるで最初から存在しなかったかのように、彼の痕跡は消え失せていた。
そして、何よりも不可解なのは、彼らの記憶の中に、rbrが「目が見えない」という事実がすっぽりと抜け落ちていたことだった。
彼らは、rbrが元気に情報伝達をしていた、いつも通りの日常がそこにあると、何の疑いもなく信じ込んでいた。
混乱と疑問が渦巻く中、grが静かに指示を出した。
「皆、落ち着け。何かあったのかもしれない。だが、今は目の前の現実を受け入れ、国の再建に尽力する時だ。」
彼の言葉に従い、我国は、まるで何事もなかったかのように普段の生活に戻っていった。
戦場での記憶は曖昧になり、rbrに関する疑問も、日々の忙しさの中で薄れていく。
彼らは、以前と変わらない賑やかな日々を過ごしていた。
そう、たった一人を除いては。
あの光の中、rbrはpnの声を聞いていた。
「偉いぞrbr!自分を犠牲にしてまで仲間を助けようとするなんて!」
その言葉に、rbrの心は満たされていた。
仲間たちが助かるなら、それでいい。
失明したこの目も、失うはずだった絆も、もうどうでもよかった。
そして、光が収まった時、彼の視界は確かに取り戻されていた。
だが、彼が見たものは、かつての仲間たちが、彼を認識していないかのような顔で、互いに言葉を交わす姿だった。
「…俺は、ここにいるのに…」
たしかにそこに存在しているはずなのに、誰にも気が付いてもらえない。
寂しさが、胸にじわりと広がった。
pnの言葉が、彼の頭の中をリフレインする。
「お前が一番大切にしているものを、俺に差し出せ」。
それは、メンバーとの絆だった。
彼らはrbrという存在を、完全に記憶から消し去ったかのように振る舞っていた。
これは、契約の代償。
自分の選択が招いた結果だと、rbrは理解していた。
「さあ、rbr。約束通りだ。お前の行き場が無くなったなら、俺と共に来ると言ったな?」
pnの声が、彼の耳に優しく響いた。
メンバーたちが、まるで彼を透明な存在のように通り過ぎていく。
悲しみが胸を締め付けたが、後悔はなかった。
彼らを守れたのなら、それでいい。
「…ああ」
rbrは静かに頷いた。
彼は、メンバーたちに背を向け、pnと共に、新たな道を歩み始めた。
去り際に、一度だけ振り返る。
遠ざかる基地の灯りの中に、楽しそうな仲間たちの声が聞こえた。
その声を聞きながら、rbrは静かに涙を流した。
その涙は、誰にも見られることなく、夜空に吸い込まれていった。
それから数年後。
我国では、奇妙な噂が囁かれ始めていた。
「知ってるか?この国のどこかに、いるらしいぜ」
「え?なにが?」
「なにが?って決まってんだろ?」
魔法使いだよ .
「失明と魔女」
end . 🪄ꕀ