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「岩ちゃん、ちょっと座って?」
「……なんだよ。そんな真面目な顔して。」
🌸は深呼吸して、覚悟を決めた。
「その……赤ちゃん、できたみたい。」
「…………………は?」
5秒ほどフリーズ。
さらに10秒ほどフリーズ。
そのあと急に立ち上がる。
「ちょ、待て待て待て!?俺今日なんか変なもん食ったか!?幻覚か!?」
「なんで食べ物の話になるの。」
「だって……お前……俺が父親ってことだろ!?いや、そりゃ当然なんだけどよ!?俺が!?父親!?マジで!?」
動揺しすぎて日本語の語順が迷子。
🌸が「本当だよ」とエコー写真を見せる。
岩泉、写真を両手で受け取る。
でも緊張で手がプルプル。
「これ……マジのやつ……?
これ……俺……どうすりゃいい?まず何すんだ?腕立てか?」
「なんで腕立て……」
「いやなんか……鍛えといたほうがいいかと思って……父親力……的な……」
完全に混乱してキャパオーバー。
🌸がクスッと笑う。
「岩ちゃん、嬉しくないの?」
そう言われた瞬間、彼は一瞬で黙り込む。
そして、照れ隠しみたいに頭をガシガシ掻いて、
「……嬉しいに決まってんだろ。
ただ……想像以上に衝撃強すぎんだよ……お前……急に言うなよ……」
声は低くて震えていて、でもちゃんと優しい。
そして突然、ぎゅっと抱きしめてくる。
「……ありがとな。お前となら……ちゃんとやれる。父親。俺。」
そのあと、照れをごまかすように深呼吸して背筋を伸ばし、
「よし。まずは……今日から甘いもん控えるわ。」
「なんで???」
「なんか父親っぽいから。」
方向性がよくわからないけど、岩泉らしい“不器用すぎる喜び方”だった。