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そのあと葵はすっかり体調が良くなった。
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そして3日後には高校2年生最後の夏休みがある。
さらに1週間後には私の住んでる町の1番大きなお祭りがある。
それは『海陽祭』と言って、海辺で開催するお祭りである。お祭りは朝から準備が始まり、昼から開催し、夕方になると海の神様にお祈りする儀式がある。儀式をする時には地元の人が海に提灯を浮かべる。
簡易的なお祭りだが、この町に住んでいる人はほぼ参加するだろう。
葵は今年も行くのだろうか。
行くなら一緒に行きたいけど。
「葵」
「んー??」
欠伸をかきながら眠たそうに目を擦っている。
「葵、夏休みにある海陽祭いくの?」
「んーどうしよう」
「一緒に行こうよ」
「え?!」
葵は目をパッと輝かし、こちらを見てくる。
「陽菜乃、どうしたの?」
「どうしたのって、、なにが?」
「陽菜乃いっつも誘っても行きたくないって言うじゃん?なんかあった?」
確かに前の私だったら誘いにも断っていたが…
「…いや、特に理由はないよ。ただ葵と行きたい」
「陽菜乃〜…!」
これも全部、葵のためだから……
「はい、で、えー夏休みは生活リズムをちゃんと整えて、また元気に来てください。えーそして……」
「……はぁ!校長せんせー話長すぎ~」
クラスの人がざわついている。とうとう明日から夏休みだ。
「夏休み、ぜったいあそぼうねー!」
はいはい、遊ばないやつ。いけない、考えない…
「うん。遊びたい。」
誘ってくれたのは中学校から仲良くなった尼崎彩乃(あまざき あやの)と言って、素直で可愛い子。
そして、思ったことはハッキリ言うリーダーシップもある完璧な子。勿論男子からも女子からも好かれている。
それに比べて私は…
「陽菜乃ーっっ!」
「葵ー!元気すぎ、」
「明日から夏休みー!やったぁー!」
「ハイハイ、落ち着いて、」
「しかももう少しで海陽祭だな、陽菜乃今年は準備に回ってるだろ?」
父親が漁師で、海で作業することが多いから今年は私も海陽祭の準備にまわることになっているのだ。
「うん、」
「頑張ってなー!」
そう言って葵は私の頭に手を乗せた。
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続く