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その日の夕方。
リビングでテレビを見ていた亮が、咲に声をかけてきた。
「なぁ咲、冷蔵庫の調味料また切れてるっぽい。明日買い出し一緒に行こうぜ」
「……うん、いいよ」
返事をしながらも、心の奥は別のことでいっぱいだった。
(悠真さん……今日は来てないんだ)
わざわざ期待していた自分に気づいて、頬が熱くなる。
亮はそんな咲の様子には気づかず、画面に視線を戻す。
いつも通りの家の空気の中で、咲の胸だけが落ち着かず波立っていた。