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綾

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1 - ギ タ ー を 弾 く 僕 の 横 で 君 に 永 遠 に 歌 っ て 欲 し い

♥

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2025年10月03日

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何時もと変わらない


渋谷の街並みを見て欠伸する。



何の為かも分からないままギターを手にし



何時もと同じくか苦れんぼを歌う。





もう、どれくらい

歌い続けてきたのかも分からない


君の匂いも、声も

どんな表情で笑うのかも忘れてしまって




何故か



罪悪感と共に


開放感も感じてしまう僕は









最低なのだろうか。











今僕は、どんな顔して歌ってるんだ。
















「おにーさん。」





何時の間にかギターを弾く手が止まっていた



そんな事に聞いた事の無い声に気付かされた




ふと前を向くと






君に似た女の子が立っていた。






あの頃の記憶が全て蘇った様な感覚に陥り


これは夢だと錯覚する。






「綾弾ける?」






突然の質問に頭が白くなる



聞きたい事が沢山あるのは僕の方だ





君は誰?

どうして話しかけてきたの

何時からそこに立ってたの


どうして





泣いてるの。







そんな図々しい質問は聞くに聞けず




「…マイヘアの? 」

ぶっきらぼうな質問で返す。




「うん。」




返答を聞いた後指を動かす




最後にこの曲を弾いたのは何年前だろうかと

考えさせられ思い出す




…まだ体が覚えていてくれて良かった。




静かな音で弾き始めると






君が僕の横で歌ってた。





何故かその歌声は

初めて聴いたとは思えない程に

優しく包み込んでくれる様だった





君の声に集中して奏でていると

何時の間にか曲は終わっていて







終わった頃には


君はもう横に居なかった。







結局聞きたかった事も


名前さえ知る事も出来ずに





君との再会を果たす事は無かった。




















あの日から僕は




理由も無く毎日此処で


綾を弾いて君を待ってる。




















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