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──────────【タリア&ルイス】
タリアは何故か1人で廊下を歩いていた。
…
今回、必ず”タッグを組んでいる者と行動すること”と言われている。
だが、彼女のパートナーである”ルイス”と早々にはぐれてしまった。
彼女は自分の武器である銃を背中に背負いながら歩いていた。
なるべく早くパートナーの蝙蝠と合流するために少しだけ歩くスピードを早めた。
…
階段を登り、ようやく着いたのが屋上だった。
ほんのりと冷たい夜風が頬をなぞる。
屋上から少し下を覗くと、きっと他の幹部達が戦っているのだろう。ガラスの割れる音や悲鳴が聞こえた。
そんな騒がしい各階に比べ、あまりにも静かすぎるこの場所に違和感を感じたその瞬間。
彼女自身は、銃を構え後ろを見た。
そこに居たのは、ブラックタイに身を包み、ほんのり青の混ざった黒髪を1本に結んでいる男だった。
そう、この人物こそ”ルイス”である。
「うお…そんな危ねえもん向けんなよ」
「…なんだ…ルイスか…」
「なんだとはなんだ…失礼な」
「ごめんごめん…てっきり敵かと思っちゃって」
「まあ、そりゃそうなるわな」
「…それにしても何でここに?」
「ああ、ここならサボれるかな~…って♪…いで゛…!?」
「…仕事なの分かってる?…まったく」
「…良いだろ~…?ほら、ここなら誰も居ないし…こうやってハグしてもバレないんだぜ?」
「ばかッ…そういうのは家に帰ってからね」
「ちぇ…へいへい。……ターリア♪」
「…ん?…な……にッ゛!?」
ぐい、と引っ張られた瞬間。彼女の頬を銃弾が掠めた。
そのまま彼へ引っ張られ、物陰へと姿を隠した。
「…何処から?」
「ん~…向かいのビル。さっきは屋上から狙ってたみてえだが…今は移動してる」
「…さすが…”蝙蝠”。便利な耳ね…」
…
ルイス 別名”蝙蝠”
彼の耳は上にピンと立ち、まるで蝙蝠のよう、いや蝙蝠そのものの耳である。
そのため聴力が異常なほど優れているのである。
…
「…んで、今はどこに移動したの?」
「ん~っとな…3階の…窓際に隠れてる。多分俺らがまた姿を見せるのを待ってるんだろ。正直…大抵のやつはやり返そうとして姿見せるしかねえからな… 」
「大抵は……でしょ?…一緒にしないで」
「ひゅ~…さすが」
「正確な位置は?…」
「俺らから見て、右から2番目の窓の下にいるぜ。座ってるから少し下めに撃つといい」
「了解。」
彼女は何故か自分たちの隠れている壁に向けて銃を構えた。普通であれば跳弾するか、良くても1枚を貫通するかどうかだ。だが、それは普通に限る話であって、彼女は違った。
引き金を引くと、銃弾は壁をすり抜けそのまま目標へと当たった。
「どう?」
「いいとこ入ったと思うし〜…まあ、死んでなかろうと出血多量で死ぬだろ」
「確かに、ならいっか」
「それにしてもすげえなやっぱりお前」
「そう?ルイスの協力してくれたから、いつも上手くいくんだよ 」
「…そ、そんなこと言うなよ〜♪」
「そういう割には嬉しそうだけど?」
「あ…いやぁ…なんの事やら」
「ふふ、まったく…」
「あ…タリア…」
「ん?」
彼は彼女の頬をペロッと舐めた。
「んっ…な、なに?」
「血…垂れるとせっかくのドレスに着いちまうだろ?」
「…あり…がと」
「…照れてる?」
「照れてない…」
「へえ…」
「ニヤニヤしないで!!!!」
「ふはッ…ごめんごめん…許してくれよ…俺のお姫様?」
「…ッ~……こんかい、…だけね」
「やっさしー」
2人はしばらく屋上の物陰で時間を過ごしていた。
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