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お母さんと一緒に、手を繋いで
新しい学校へ行く。
「1年3組の担任に、なります。よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、娘をよろしくお願いいたします」
軽く挨拶を済ませた後、母と別れた。
その後は、担任の先生の後ろを付いて
教室へ向かった。
心臓がとび出そうなくらい緊張したのを
覚えてる。
友達できるかな。
勉強ついていけるかな。
教室が、近づくにつれ鼓動は早くなった。
教室の前が、ざわついている。
先生が、ドアをガラッと開けると
クラスメイトになる子たちが、慌てて
席に着いた。
「えー、こないだ話していた転校生を
紹介する。みんな、仲良くしてあげてな。」
あたしは、自己紹介を簡単に済ませ、
窓側の席に案内され座った。
心臓はドキドキ。
声、変じゃなかったかな。
あたし、ちゃんと自己紹介できたかな…。
チャイムが鳴り、あたしの周りには
クラスメイトが集まっていた。
「ねぇねぇ、住んでたところってどんなところ?」
「声、可愛いね!地声?羨ましい!」
「きょうだいいるの?」
「好きな食べ物なぁに?」
「好きな芸能人とか、キャラクター何?」
質問攻めだった。
あたしの頭の中はグルグルパニック状態。
「え、えっとぉ…。」
気持ちを落ち着かせて一つ一つ応えていると
あっという間に休憩時間は終わってしまっていた。
次の休憩時間も、[転校生]という噂を嗅ぎつけ他のクラスが覗きに来ていた。
まるで、芸能人になったような。
人気者になったような。そんな気分だった。