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綾東
「……嫁が、尊い。」
皆さんこんにちは、私。辻村深月です
いつも通り綾辻先生の監視…任務の為事務所に向かいました。珍しく遅刻せずに何とか起きれました
綾辻先生は随分と早起きされる方なのでとっくに起きていたようですが、今日は睡眠不足な様です
先程からこれしか言っていません
「先生…何日寝てないんですか?」
「7」
あちゃー…何をしたらそんなに徹夜する羽目になるんだろう…と一瞬過ったが、確かにあの明智先輩と暮らしていたらこうなるだろうな…と勝手に納得した
幸い今日は特に仕事が無かった為、助かった
「辻村君、今頃明智は何をしていると思う?」
「今日は午後から任務でポートマフィアですね」
何時ものように図々しく嫌味を垂れ流す口は明智先輩への愛をひたすら語るだけのものになり、そりゃあ熟年夫婦のラブラブバカップルトークを延々と聞かされる地獄が始まった
「綾辻先生、何してるんですか?」
「明智への愛を書き連ねている」
「そうですか……」
綾辻先生も変なテンションに突入したのか極端に知能が下がり真剣な顔で小学生男子みたいなノリの事をしている
「辻村君。」
「どうしました?」
「君はこの前交通違反で指導されていたな」
「はい」
「その時の君の気持ちと掛けて、運転免許証と解くとその心は何方も」
「ブルーだ」
ほらもう駄目ですよ。隈凄いもん、グリーン・デイのボーカル並みに濃いんですよ
「あの…明智先輩…」
「あ?どうした?今夢Qと遊んでんだけど」
「いやぁ…実は……斯々然々で」
「ん。着いた」
異能で目の前に現れる癖どうにかならないかな…この人
めちゃくちゃ驚くから辞めて欲しいんだけど…
「よぉ行人。元気?勇気?ポンk」
「明智」
先生は相当先輩に飢えていたのか出会って早々先輩の唇を奪った。明智先輩が口許を本で隠していたが其れは其れは中々激しく長かった。そして音が凄かった
「ゆ〜ちゃん寝てないでしょ。めめちでちゅよ〜
おねんねちまちょうね〜」
明智先輩が強引に事務所内の客間のソファに先生を寝かせて自身の膝の上に先生の頭を乗せた。
無理していたのだろう、先輩の体温に安心した先生は間を置かず眠った。明智先輩は自分の子供を見守る様な優しい目で寝顔を見つめていて顔に掛かった前髪を退かしてあげていた
「行人はね、素直じゃないから好きって言えないの。だから本当は俺に甘えたいのに必死に隠してるの」
この人…案外ちゃんと人を見てるんだなぁ…と感心していると彼の口から血が垂れてきた
「え……」
「ああ、ごめん。実は俺がコピー系の異能だから行人の異能と相性が悪くて触れるだけで寿命が縮むんだよね」
口元から溢れ出る血を袖で拭うが、彼が咳き込む度に比例して血液が垂れてくる。綾辻先生には掛からないように気遣いしているが顔色が悪い
「え…あ…」
あのふしだらな明智先輩がこんなにも先生を愛しているなんて…何か申し訳無さとともに映画を見ている時のような感動に駆られた
「あの…私に何か出来ることがあれば…」
「そっか、ありがとうね」
そういった瞬間、彼は大きな笑い声をあげた
「あはっはっはっはっ!!!!見ろよ行人!!久々の傑作じゃねぇ?」
「嗚呼、今晩の酒の肴になりそうだ」
私の心配を他所に2人はとてもとても楽しそうに笑っていた。少しでもこの人達を信じた私が馬鹿だった
「……あ、もしもし安吾先輩、明智先輩の給料を減らしてください」
「えっ」
完