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サフィヤをともなって兵舎へ駆け戻った俺は、建物内から兵たちのなごやかな笑い声が漏れてくるのを耳に入れて、少し怪訝に思いながら入口の両開きの木戸を押し開いた。
あれだけ多くの怪我人がいたのだ。
うめき声が聞こえてくることはあっても、笑い声など聞こえてくるはずが――……。
そう思いながら兵舎内の様子を目に入れるなり、俺は信じられない光景を目の当たりにしてその場に立ち尽くした。
さきほどまで負傷兵たちが無造作に床に寝かされ、苦悶の声が耐えなかった場内であったのに、それがいまは一転して兵たちが楽々と床に座って笑顔で談笑しているのだ。
皆、それぞれ腕や胴、足に包帯を巻いた姿ではあったけれど、どれも軽傷ばかりで、命に関わるような深い傷を負っている者は一見して見当たらなかった。
これは、まさか―――……。
「あ、レイン、サフィヤ!」
まるで兵舎で休憩でもしているだけに見える兵たちの中心部************************
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