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「ッ…」
変に俺の胸がざわついた。
「急ごう」
そうコノに訴えると
「こっち」
と道案内される。
少し歩くペースを早めた。
もはや走っているレベルだ。
本当にこの道があっているのか。
こいつを信じていいのか。
分からなかった。でも、一人で迷うよりはきっとマシだろう。
僕は腹にナイフを当てられていた。
全身の震えが止まらない。
でも、キヨくんが助けてくれる。
そういう希望は僕の中で捨てきれていなかった。
「どうか許してよ。」
「キヨくんは、この世界に必要なんだ。」
「キヨくんの精神を崩壊するには、これしかないんだよ。」
もっと強く、腹部にナイフが当たるのが感じられた。
「…キヨくん、泣」
目から涙が溢れた。
そして助けを呼ぼうとする。
大好きな友人を、ここに呼ぼうとした。
息を吸って、名前を呼んだ。
「キヨくんッッ!!!!」
その瞬間、全身の血が腹部から抜けていく感覚が分かった。
「黙れ」
「ッ…、」
キヨくんッッ!!!!
「…!!!!」
聞き覚えのある声が響いた。
「もうボスの部屋につく。」
俺たちはペースをあげ、ボスと呼ばれるやつの部屋に急いだ。
「キヨ、ここだ…」
「PーP!!!!」
コノが全ての言葉を言い終わる前に俺は勢いよく部屋のドアを開けた
「キヨ、…くん…」
「PーPッッ!!!!!」
目の前の光景に目を疑った。
腹を抱えうずくまってるPーP。
服に血が滲んでいた。
PーPの前には血が垂れているナイフを持った圧倒的雰囲気をもっている、人型のなにか。
俺はそいつがボスだと一目で分かった。
「あ、キヨくん。」
「待っていたよ。」
「お前がやったのかッッ…!!!!」
「っはは、そうだよ。」
「キヨくん、私は君がこの世界に滞在することを望んでいる。」
「君はこの世界に必要なんだ。」
まさにコノが言っていた通りだった。
ボスは俺を必要としている。
この状況、どうすればいい。
ボスと戦うのか?PーPを助けるのか?
「…ッコノ!!早く…!!」
早く会話をしてくれ。
「ボス、言う通り連れてきました。」
その言葉で全身の力が抜けた。
「お前ッッ…!!!!!」
かろうじて声を出す。
「よくやったね、コノ」
「ごめんね。キヨ」
「もうすぐキヨの友達は壊れるでしょう。」
「2人きりにしてあげましょう、ボス」
「あぁ、そうしようか。」
ボスは俺の方を向いた。
「キヨくん、君もここの一員だね。」
絶望している俺にはもう、何も見えないし聞こえなかった。
扉を閉めてコノとボスが出ていくのを眺めていた。
途端に我に返る。
「ッ…PーP!!!!」
俺はPーPの元へ駆け寄った。
「キヨ、くん…」
「ッ…僕、もう…、ッだめっ、…だ」
PーPの弱々しい呼吸と声を聞くのが辛かった。
「喋るな…泣 止血を…泣」
俺は必死にPーPの腹部から溢れる血を手で抑えた。
「ッ…もう…無理だよ、」
「俺ッ…お前がいないと…泣」
涙でPーPの顔が見えない。
でもそれで良かったのかもしれない。
「…もっと、たくさん…一緒に、実況撮りたかったね…」
「…もっと、一緒に…テニスやりたかったね、」
俺はただ泣くことしかできなかった。
「キヨくん」
今まで弱々しかったPーPの声だったが、
俺の名前を呼んだ声は1番力強く、はっきりと聞こえた。
「…?泣」
「今まで…ありがとう。」
「なんだよ…泣」
「最期みたいな言い方すんな…泣」
「おい、PーP…!!」
「PーP!!」
「しっかりしろよ!!!泣」
もう、俺の声は届かなかった。
「…は、」
俺はベットの上で目を覚ました。
目から涙、額から汗。
「…俺の家…」
「夢…?だったのか…?」
今自分がどの世界にいて、どんな状況なのか分からなかった。
「じゃあPーPは死んでない…?」
そう、今までの出来事が全て夢なら、PーPはまだ…
突然、枕元にあったスマホが震えた。
「…??」
電話だった。
「キヨさんのお電話でお間違いないでしょうか」
「あ、はい…」
「PーPの母です。」
「…なんでしょう、」
PーPの母からの電話だった。
「息子は昨夜、何者かに刺され、先程息を引き取りました。」
「…は?」