『12人の冒険記』
第一章 異世界
🦖side
…あれ、ここは?
気がつくと見知らぬ場所にいた。
🦖「さっきまで部屋でみんなとゲームし
てたはずなのに…」
辺りを見回しても見慣れた部屋はどこにもなく、代わりに果てしない平原が広がっていた。
?「あ、🦖さん!」
急に名前を呼ばれ、慌てて振り向くと…
🦖「🍪さん!?」
🍪さんだった。
🍪「よかった、🦖さんがいて…!」
「ここ、どこかわかります?」
🦖「いや、俺もわかんないんだよね」
🍪「そうですか…」
「もしかしたら他のみんなもいるかもしれませんし、とりあえず探しましょう」
🦖「そうだね」
こうして、俺達はみんなを探すために歩き始めた。
🍪「これ何かに使えます?w」
🦖「木の棒と…ブロック? 」
🍪「はいw、それで何か作ってくださいw」
🦖「マイ〇ラじゃないんだから無理だよw」
他愛のない話をしながらも、この異常事態について考えてみる。
…これが、俗に言う『異世界』?
もしかして俺達、異世界に放り出された?
🍪「大丈夫ですか?」
そんな事を考えていると🍪さんが心配そうにこちらの様子をうかがってきた。
🦖「…大丈夫ッ!」
俺は🍪さんを安心させるように元気よく答えた。
⚡side
突然🍗君と知らない村に飛ばされた俺達は情報収集をしている。
🍗「全然だめッ!!」
…しかし、上手くいかずにいた。
⚡「🍗君、どうした!?」
🍗「手がかり、何もないよ」
⚡「こっちも」
「でも、親切そうな人が泊めてくれるって!」
🍗「よっしゃ、野宿回避!」
⚡「ww…。どうする?この後」
🍗「う~ん、みんなを探しに行きたいけど外には魔物がいるからなぁ」
他にも、情報収集ではこの世界には魔物という存在がいることがわかった。
⚡「…一旦、待機するしかないか」
「みんな、無事だとええけど」
🦖side
俺達は平原を全力疾走していた。
何があったか?それは…
🦖「何で魔物がいるんだよッ!!」
🍪「知らないですよッ!魔物に聞いてください!」
…という感じだ。つまり、魔物に終われている。
🍪「追いつかれそうですよ!?」
🦖「ここまでか…ッ!」
異世界生活、今日始まって今日終わるなんて…
🍪「🦖さん!」
突然、🍪さんが俺を押した。
🦖「🍪さん…!?」
さっきまで俺が立っていた場所に魔物の攻撃が飛ぶ。
しかし、体勢を立て直せなかった🍪さんはその攻撃をまともに受けてしまった。
🍪「うッ!」
倒れ込む🍪さん。
あぁ、この光景を見てるだけしか出来ないなんて。
せっかく🍪さんが庇ってくれたのに足が震えて動けない。
せめて俺に力があったら…
マ〇クラみたいに武器があったら…
🍪さんを救えるのにな…
魔物が段々近付いてくるのが見える。
ゲームでサバイバルをして、魔物を倒す自分や仲間の姿が脳裏をよぎる。
俺の走馬灯はやっぱゲームのことか…w
タヒを目の前に思わず目をつむる。
……。
何秒たっても何も起こらない。
不思議に思い、恐る恐る目を開けると…
自分は木の剣を持っていて、その先には
先ほどの魔物が倒れていた。
⚡side
……ッ!?
突然、空気が揺らいだ気がした。
何かが起きた、そんなことを感じさせる空気に俺は胸騒ぎを感じる。
🍗「⚡、今のって…」
⚡「あぁ、何か起きたみたいやな」
🍗「行こう!」
⚡「いや、🍗君はここで待っててくれ」
🍗「何でだよ?」
⚡「…ここで、2人ともやられたらお終いや」
「こんなんで納得できないかもやけどッ…」
🍗「…わかった」
予想外に🍗君はすぐ納得した。
⚡「🍗君がすぐ納得するなんて…意外」
🍗「いや、俺だって考え無しに命がけの行動なんてしないよッ!?」
⚡「ww…。そうやな」
「じゃ、行ってくる」
🍗「気をつけろよ!」
🍗君のためにも、これは絶対に戻らないといけないな。
村を出て、少し歩くと先ほどの空気の原因がわかった。
魔物に襲われてる2人組。
1人は気を失って倒れている。
もう1人は…戦っている。
遠くて顔はまだ見えない。
でも…
俺が助けないと…だよな?
俺が魔物に勝てる確率は明らかに低い。
しかし、それでも助けられるはずの人を助けられないのは嫌だった。
🍗君…ごめんな。
気がつくと俺の足は魔物に向かって駆けだしていた。
🦖side
…えッ?
俺は木の剣を持っている。
一体この剣はどこから出てきたのか。
俺は、自分の荷物を確認する。
…木の棒やブロックが減っている。
どうやら、クラフトができたようだ。
仕組みはわからないがこれで助かった。
俺は残りの魔物に剣をむける。
その時…
?「jp!」
振り向くと見覚えのある顔… 『相棒』の姿
🦖「⚡…?」
⚡「そうや!⚡や!」
「これ、どういう状況…!?」
🦖「話は後!今は…」
⚡「このピンチを切り抜ける、か」
🦖「でも⚡、武器は…」
持ってない、と言いかけてやめる。
🍪さんにもらった材料ならまだある。
それなら、さっきと同じように…
クラフトの様子を創造する。
再び目を開けると……。
木の剣がもう一本。
🦖「⚡、これ!」
新しい剣を⚡に渡す。
⚡「えッ、はッッ?」
「いや、さっきまで剣は一本…えッ!?」
「い、異世界だしこんなこともある…か?」
「とにかく、剣サンキューな!」
魔法とかが好きな⚡は興奮にながらもとりあえず納得し、戦い始めた。
俺も敵と向き合う。
敵は…ゴブリン…か…?
どうやらクラフトはできるが敵はマイ〇ラとは関係ないらしい。
ゴブリンと言えばあまり強くないイメージだけど…。
🦖「えいッ!!」
剣を振り下ろとゴブリンはあっけなく倒れる。
これなら問題なく戦えそうだ。
🦖「⚡!行くぞ!」
⚡「おう!」
?side
…ここはどこだろう。
気がつくと見慣れない街にいた。
?「…異世界にでも飛ばされたかな?w」
…冗談はさておき、みんなを探さないと。
あ、この人に聞いてみよう。
?「すみませーん、ここってどこですか?」
街の人「ここは虹桃国の黒桃街です」
聞いたことのない地名だな…。
?「えっと、日本って国、知ってます?」
街の人「ニホン?知らないねぇ…」
?「そうですか…ありがとうございます」
…もしかして、さっきの冗談になってなかった?
近くのベンチに座って考える。
ここは本当の異世界みたいだし…。
?「…とりあえず、街を出てみんなを探すか~」
そう思い、ベンチから立ち上がると、
ガヤガヤ…
?「え?」
出口の方が騒がしい。
街の人「勇者が来たらしいぞ!」
「マジか、行こう!」
勇者…?行ってみるか。
俺はこの選択を間違いだったなんて思わない。
でも…
?「この選択が茨の道に繋がるとは思ってなかったなぁ…w」
🦖side
かなり敵が片付いてきた。
⚡「🦖!こっちはもう終わりそう!」
🦖「ナイス!あと少し、頑張ろう!」
⚡「もうすぐ🍪さんも起きるだろうしな!」
その言葉で🍪さんに視線を移す。
…ッッッ!!?
⚡「🍪さん!?」
⚡の悲鳴が聞こえる。
🍪さんにゴブリンが向かっている。
俺が目を離したせいでッ!!
🍪さんに向かって走ろうとするも体は動かない。
何でッッッッ!!!?
本当はわかっている。
ゴブリンと戦い続けて体力が無いこと。
木の剣とはいえ、初めて剣を握って豆だらけなこと。
慣れない戦闘で負った怪我のせいで貧血なこと。
⚡も距離からして届かないだろう。
…⚡?
⚡は動こうとしない。
届かないことがわかっていても動かないのはおかしくないか。
その姿はよく見ると何かを待っているようにも見える。
一体何を待っているんだ…?
⚡「ッッ!!!」
突然⚡が空を見上げた。
思わず俺も空を見る。
突然、雷がゴブリンに降った。
倒れるゴブリン。
何が起きた…?
もう一度⚡を見るが本人も驚いているようだ。
🦖「⚡、何をしたの?」
⚡「わからない。でも、なんか急に出来る気がしたから… 」
「そんなことより、🍪さんは!?」
🦖「…無事だよ」
⚡「よかった…!」
🍪「あれ?皆さん…?」
🦖「🍪さん!」
🍪「ッ!魔物はッ!?」
⚡「倒した」
🍪「⚡さん…!?よかったです!」
🦖「2人とも、これからどうする?」
⚡「俺は🍗君のところに戻る」
「心配してるだろうし」
🍪「🍗君もいるんですか!?」
⚡「おん!」
「2人も来ようや」
🦖「わかった!でも…」
俺は怪我をした足を見る。
こんなんじゃまともに歩けない。
🍪「見せてください」
🦖「え、」
🍪「ヒール✨」
⚡「傷が… 」
🦖「治っていく…?」
🍪「夢の中で覚えました!」
⚡「あはは…🍪さんらしい…」
🦖「まぁ、ありがとうね」
🍪「いえ、こちらこそ守ってくれてありがとう!」
🦖「よし、🍗君のところに行こう!」
3人「オーーッッ!!!」