第七話:未来への灯
日が沈む頃、紗夜と蓮は灯台で最後の儀式を開く。海風がやさしく吹き、空には星が瞬いている。二人はランタンを並べて掲げ、その光を海と空に映し出す。
蓮は静かに自分の最も古い記憶を語る。幼かった自分が灯台のそばで笑っていたこと、紗夜の父と交わした言葉、そして別れ。彼の声は震えているが、真実を語ることで彼は少し軽くなっている。
紗夜も、父が最後に見たであろう星空を思い出す。その記憶を胸に、「これからは、私が光を灯す」と言う。彼女の言葉には決意があり、過去への敬意と未来への希望が混ざっている。
蓮はキャンバスを取り出し、絵を描き始める。波、星、灯台、そして二人のランタンの光。その絵は、彼らの物語そのものを映し出す。
ラストシーンとして、二人のランタンの光が海面に反射し、静かな波紋を描く。風がやわらかく吹き、星たちが祝福するかのように瞬きながら、物語は温かい余韻を残して幕を閉じる。