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…いやねぇ、井戸って言ってもどの井戸か分かんないのよ。
この辺にどんだけ井戸あると思ってんの。
『どこの井戸ですか?』って聞いた時だけ都合よく光んないしさ。
『ねぇ、お前聞いてる?』
口元に向かって話し掛ける。
なんてこと聞いても、どうせ応えないんでしょ。
分かってんだわ。
と、見て分かる通り口元と友達みたいになりました。
なんかさ、俺が聞いたことに反応するし、ペットみたいじゃない?
意外と可愛いよね。
都合悪かったら無視してくるのだけ気に食わないけど。
任務無いし、明日から井戸巡りしてみる?
てか、コイツが言ってた井戸っていつまでに行ったらいいんだろ。
『ねぇ、いつまでに井戸に行けって決まってる?』
光らない。期限が無いってことか。
ホントか?
気に食わないから光ってないとかありそー。
『…井戸に行くのって期限無い?』
…光らない。
『どっちだよ! 反応しろ!』
『反抗期か!?』
…ホントに反応無いんだけど。
もういいし。2度と話し掛けんわ。
(…うわ、ここ暗すぎない?)
家に帰るとき、必ず目の前を通らなければいけない〚神社〛。
俺は神社の前を通る勇気が出ず、その場に立ち尽くしていた。
1度、Dyticaの全員で昼間にここの任務に来たことがあるが、やはり怖いものは怖い。
神社って何か出そうじゃない?
しかも夜中ってなると。
神社に封じられた悪霊とか出てきそう。
(…でも通らないと家帰れないしな。)
走って通り抜けようとしたその瞬間、
ピカッと何かが光った。
『い やぁ゛ぁぁ゛ぁァ゛ァ゛ァ』
…怖い怖い! え、ホントに何の光!?
真っ暗闇ところが急に光り出すとか、一番起きちゃ駄目な展開じゃん!?
しかも、真っ暗闇だった神社の中が照らされて、何かが見えた気がするんだけど!?
最悪すぎる。
何の光だよ…
今さっき光ってた神社の光消えてるし…。
…猛ダッシュで帰るわ。
家に近付いてきた頃、ピカピカ、とまた何かが光った。
(…またかよ!)
もういいって、こういうのは相場1回って決まってるだろ! 何回も同じ事やられたら、流石に驚かなくなるって。
若干呆れながらも、辺りを見渡して光の出処を探す。
…ん? なんか光、大分近いところから出てない?
もしかして、
『…お前じゃねーか!!』
予想的中。光の出処は口元だった。
…もしかして、神社のときの光もコイツ?
『お前ふざけんな!!』
…まぁ色々とありましたが、無事に家に辿り着くことができました。
やっっっと家に辿り着くことができた。
見慣れた建物が目の前にある事がどれだけ嬉しいことか。
(…疲れたー)
扉を開け、家の中に入ると『ふわっ』と甘い香りに包まれた。
朝焚いたキャンドルの香りがまだ漂っているみたいだ。
このキャンドルは鑑定繋がりの方から頂いた物なのだが、凄く心地よい香りをしている。
今は疲れが溜まっているからか、いつにも増して良い香りな気がする。
近くにあるソファに向けて荷物を投げる。
結構全力で投げたのだが、音を吸収し、ソファだけが沈んだ。
俺もソファに投げ捨ててもらって今にも寝たいところなのだが、このまま寝たら明日後悔しそうだからあと少しだけ頑張る。
まずは、変身を解く。
口元の方をチラッと見た時、口元が俺を嘲笑っているように見えたが、まぁ気の所為だろう。
俺の方はというと、口元の方を見て恨みを込めて変身を解いた。
マジで今日のこと絶対許さないからな。
変身を解いた後は、もう今日中にする事が無かったから寝る事にした。
寝室の扉を開けると、ベッドが視線に入り込んできた。
ベッドに飛び込みたい気持ちをグッと堪えて、クローゼットを開く。
一番手前に掛かってある、薄紫色のルームウェアを取り出す。
やっぱり、何度見ても可愛い物って可愛い。
シンプルなデザインだけど、ふりっふりのフリルが付いてるとこが魅力的なポイントね。
寝るときくらい、好きなもの着て寝たいもんね。
ルームウェアを着たら、周りのランプの電気を消す。
消すときのカチカチなる感覚が楽しくて、意味も無く付けたり、消したりするのあるあるだよね。
それがバレて、注意されるまでが鉄板。
ランプの電気を消した後は、ベットに入る。
(…うわー、最高すぎる)
どれだけ疲れが溜まっていようが、ベッドに寝転がったらその日のことどうでも良くなるよね。
明日は何をしようか。
期限が無いなら別に急がなくてもいいけど、せっかくなら井戸巡りでもしてみようかな。
この辺は井戸も多いし、目的の井戸にはすぐ辿り着けないだろうから。
目を閉じ、眠ることに集中する。
疲れが溜まっていたおかげで、すぐに眠りにつくことができた。