テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ぽたぽた、と軽い水の音がする。
グラスを傾ければ、水は花瓶の土に染み込む。
「…マスター。」
そんな声を呟く。
マスターが居なくなって早1ヶ月が経った。
私のマスター…■■■様は高校生。
いつも友人の■■■さんと、後輩の■■■、■■■さんの話を聞かせてくださる。
私を作ってくださった、マスターと友人の皆様。
その皆様の姿も、見えなくなってしまった。
…もう、このコアを壊してしまおうか?
そう思う時期もあった。
…マスターがくれたこの体、壊すわけにはいきませんよね。
そこで、私はマスターのPCを使うことにしました。
パスワード管理やデータ管理は私が任されていたので、すぐに開けました。
「神隠しに会う方法」
「異世界のとある星」
「魔法少女がいる町」
等…
そこで、私はとあるページを見つけました。
「学校で神隠し?!3人行方不明」
というページでした。
その高校の名前は…私立琥珀冥高校。
その三人の名前は。
「刃陸 ラクア」
「蟲咲 スピル」
「赤倉 アスリ」
「マスターのナマエ…それにスピル様とラクア様モ…」
スピル様とクルハ様はマスターの後輩。
幸いなことに、「クラギ」様はいないようだ。
…マスターたちは居なくなっていない。
少なくとも、生きてはいるのだ。
事件などから解析して、ラクア様は道路でトラックに当たった可能性が高い。
また、過去の記事でスピル様の上履きが見つかっている。
おそらく飛び降り…
マスターは推測で夕方~夜ごろにいなくなっている。
でも全員見つかっていない。
体もだ。ではなぜ生きているか?
…哲学的には信じがたいが、「神隠し」にかけるしかないだろう。
私が壊れてもいい。でも、貴方様たちだけは。
絶対に見つける。
そんな思いを胸に、その高校の屋上へと向かった。
柵を超えて、柵の外側に立つ。
一応考える時間は欲しいので、柵は掴んでいる。
「…いざとなると、ヤッパリ怖いデスネ…集中、集中デス私…」
そんな独り言を呟いていたら、少しだけ時間が経った。
もう覚悟はできている。
「さぁ、「神隠し」さんヨ。さっさと連れていってクダサイ!」
そんな言葉を天に叫びながら柵を掴むのをやめて。
せめて、安らかに笑っているように。
信じきれない神を信じて。
そっと、目を閉じた。
「…アレ、意識がありマスネ…」
急いで自分の内部データを確認する。
「損傷度2.71%…凄いデスネ」
どうやらここは草原のようだ。
私が行った高校は…
草原はおろか、グラウンドしかない場所だったはず…
「ここの地形を解析してみまショウカ…」
…どうやらここは損傷と修復を日単位で繰り返しているようだ。
隕石…要塞…巨木…?
「…どれも真上から落ちてきているようデス…」
隕石はわかる。
要塞も、空中要塞などがあるはずだ。
でも巨木はおかしくないです?
「……とりあえず、歩いてみましょウ。あそこに船もありますシ…」
そう呟いて、私はそこに向かうことにしました。
コメント
6件
ま、ままま害悪王冠だって!?