ー 雨に打たれる。傘なんて大層な物は持っていなくて、丁度良くあった、廃屋に入る。
雨風を凌げれば、何だっていい。そう思っていた、が中はもっと酷い。故に、屋根裏へと潜る。私をピンポイントに狙う人物が現れない限り、今晩は大丈夫そうだ。
すっかり暗く、寝る間もなかった為、少しの眠りに着く。
ちゅんちゅんと、鳥のさえずりが聞こえる。所々壊れている木材から、日の光が差し込んで来る。
いつの間にか、朝へとなっていた。小鳥はこんな世界にも関係なく、さえずりを周囲へと鳴らして行く。
ああ、最悪な気分だ。何故かと聞かれても、こちらが困る。
魔女になるかの前兆だとしても、検査をする金なんてない。
…あーあ、腹が減った。何処かにカネはないものか?そう思いつつ、廃れた町を歩く。元々あったであろう、かつての活気はなくなっている。きっと魔女による襲撃があったのだろう。今ではすっかり人が見えない。
何故か、人がいた。それは、何者か? 形容するのは、とても難しい。
ヒトナラザルモノが近づいて来る。逃げようとも、足が動かない。恐怖、怯えているせいだ。姿は全くと言っていい程分からない。
…魔法を放ってみるか?いいや、相手があの魔女だったら、こちら側が不利。ならば、逃げるが勝ちだ。
そう、心で唱えれば元々の視界の隅へと移動する。そのヒトナラザルモノはくるりと背を向け、ふわぁ、と消えて行く。やはり、何なのだろうか、この違和感は?
人ではない。そのことはすでに判っている。それを除いても、判らない。
何がおかしい?何故このような違和感が?
そう思いつつ、人がいる街…というか、無法地帯へと、足を踏み入れるため、この廃れた小さな町から逃げ出すように去った。
無法地帯、通称【最期を過ごす街】とも呼ばれる。自分の様な、魔法を使えるごく一部の人物は、特に無法地帯では狙われやすい。故に、油断なんてできないのだ。
ー まだ無法地帯に足を、踏み入れてすらいないのに…気配が、3つ…?
少し、懲らしめてやろうかとも思ったが、此処は気付いていないふりをしよう。
…先の、廃屋の屋根に設置魔法を仕掛ける。相手は屋根にいる。人がくれば勝手に撃退してくれるという寸法の、ごくごく簡単な、設置魔法。即席ではあるが、マシだろう。
ふむ。魔力探知の結果は…十人いるのか。
自分の魔法にとって、その程度は肩慣らしにすぎない。相手は魔法を使いこなせない。
魔法を使えるものの狩りをしたいのか?馬鹿だな。そんな、簡単にやられてはくれないのに。
ー まあ、自分も例外ではない。なんて思う。おっと、そろそろ…殺気が強まってきた。
スクロールお疲れ様でした。こんなだらだらと書いている駄作をご覧頂き、
誠にありがとうございます。この一話で1,000文字を超えました。
一応千文字超えるように頑張りましたが、まだまだです。
あと、読者様に考察をしていただけるよう、努めています。
是非考察してみてください。
では、また次回、何時になるか判らない次の話でお会いしましょう。
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補足:パクッていません。パクるのも一切禁止しています。 言い掛かりをつけるのは辞めてください。もし、あるのであればその作品の名前を教えてください。