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昼休み、教室で神風と一緒にいると、どうしても彼の声が耳に入ってくる。明るすぎるその性格は、私には合わないと思う。
ふと、隣の席にいる秋山詩音のことを思い出した。落ち着いていて、話しやすそうな彼に相談してみようかな。あの神風に振り回されている私の気持ちを、少しでもわかってもらえるかもしれない。
「ちょっと、詩音、いいかな?」私は勇気を出して声をかける。詩音は驚いた表情でこちらを向く。
「どうしたの、月見?」
その声には安心感があった。私は少し緊張しながらも、続けた。「あの…神風のことで相談があるんだけど。」
詩音は微笑みながら頷いた。「もちろん。何でも話して。」
教室の端のほうに移動して、周りに聞こえないように低い声で話す。「彼、なんかしつこいし、うるさいんだよね。私がどれだけ無視しても、毎日毎日声をかけてくるし…」
詩音は少し考え込んでいるようだった。「それは大変だね。でも、神風はただ元気で明るいだけなんじゃない?」
「それがうるさいんだってば!」思わず声を大きくしてしまう。詩音は笑顔のまま、私の言葉を受け止めている。「彼が本気で悪意を持っているわけじゃないと思うよ。ただ、友達を作りたいだけかもしれない。」
「友達なんて、別にいらないし…」私の心の中には、神風に対するイライラが渦巻いていた。
詩音は少し困った顔をしてから、優しい声で言った。「もし気になるなら、少し距離を置いてみるのはどうかな?彼の行動に惑わされないように、自分のペースで過ごすことも大事だよ。」
それを聞いて、少し気が楽になった。確かに、彼に振り回されないようにしよう。無視する努力を続けるのも、私のスタイルかもしれない。
「ありがとう、詩音。助かるよ。」私は心から感謝した。
「いつでも相談してね。神風のことも、うまくやっていけるよ。」詩音は優しく微笑んでくれる。彼の言葉には、少しだけ心が軽くなる。
教室に戻ると、神風はまた私を呼びかけてくる。「月見ー!今日のランチは何?」
もう少し、彼に無関心でいられるように、自分を保たなきゃ。
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