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「あの……良かったら、少しゆっくりしていって? 深夜からずっと付き添ってくれていたもの、湊さんも疲れてるでしょ?」
「いや、俺は――」
「そういうところ、変わってないね。すぐ無理する癖」
「……!」
思いがけない一言に湊は目を見開く。
「顔に出てるよ。眠かったら少し休んでいって。疲れたまま運転する方が心配だから」
「……和葉」
その優しい言葉に湊は思わず彼女を見つめると、和葉はキッチンで温かな紅茶を淹れてリビングへ戻るとカップを彼の前に置き、自分も向かいの席へ腰を下ろした。
「来てくれて本当にありがとう。一人だったら心細かったし、詩音に何かあったらって思うと怖くて……。だから、湊さんが来てくれて本当に嬉しかったし、すごく心強かった」
和葉の素直な感謝の言葉に湊はどこか照れくさそうに目を細めた。
「和葉の切羽詰まった声を聞いたら居てもたってもいられないよ。当たり前だろ?」
「湊さん……」
二人の視線が静かに重なる。
真っ直ぐに自分だけを映すその瞳に、このまま吸い込まれてしまいそうに思った和葉は照れ隠しのようにそっと目を逸らした。
「とにかく、少し休んで。ね?」
「ありがとう。そうさせてもらうよ」
湊は穏やかに笑うとソファーにもたれかかるように座り直し、ほんの少しだけ休むつもりで目を閉じる。
しかし、仕事を終えて休憩中に駆けつけたことや、張り詰めていた緊張が一気にほどけたのだろう。
眠るつもりなどなかったはずの湊の意識はいつしか深い眠りへと落ちていき、規則正しい寝息が聞こえ始めると和葉は思わずクスリと微笑んだ。
「本当に、無理して来てくれたんだね……」
そう小さく呟くと起こさないよう足音を忍ばせながらキッチンへ戻り、朝食の支度を始めることに。
やがて目を覚ました湊の鼻先をくすぐったのは、こんがりと焼き上がった焼き魚の香ばしい匂いだった。
和葉がそっとリビングの方へ視線を向けると、ソファーにもたれていた湊がゆっくりと目を開けた。
「…………」
「もしかして、起こしちゃった?」
心配そうに声をかけると湊は苦笑しながら上体を起こす。
「いや、悪い。眠るつもりはなかったのに、眠っちまって……」
申し訳なさそうに頭をかく姿に和葉はふるふると首を横に振った。
「ううん、気にしないで。それより、お腹空いてない? もし良かったら朝食用意したから食べていって」
「どうりで美味そうな匂いがしたと思ったよ。いいのか?」
「ええ。その……こんなことくらいでしか、お礼が出来なくて申し訳ないけど」
遠慮がちに視線を伏せる和葉に湊は優しく笑みを浮かべる。
「何言ってんだよ。『こんなこと』じゃない。俺にとっては何よりも嬉しいよ」
「湊さん……」
その言葉に頬が熱くなった和葉は照れ隠しに微笑むと、
「今、ご飯とお味噌汁をよそうね」
「ああ、ありがとう」
恥ずかしさをごまかすように足早にキッチンへ戻り、温かなご飯と味噌汁をよそいトレーに載せる。
湯気の立つ料理を湊の前へそっと置くと、部屋には穏やかな空気が流れていた。
宇津Q
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鷹槻れん

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#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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コメント
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第26話読んだ!湊さん、仕事終わりでめっちゃ疲れてるのに駆けつけて、そのまま寝落ちしちゃうの最高じゃん。和葉が朝ごはん準備しながら待ってる空気感もじんわりきて、二人の距離縮まってるのが伝わってきたよ。普段バトル系ばっか漁ってるけど、こういう優しい距離感の進展、めちゃくちゃ好き。続き気になる🔥