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彼との出会いは突然だった。
何故か彼はあやとりをしていた。はしごだったり東京タワーだったり。
あやとりに疎い私はなんのこっちゃだけど、すごいことはひしひしと伝わってくる。
「あの…どなたですか?」
恐る恐る声をかけてみた。
意外とすんなり、答えは返ってきた。
「えっと…はじめまして。瀬戸悠馬です。君は?」
「私?私は雪城美月です…」
しーん
会話が終わり、気まずい空間が流れる。
まずい…なにか話題を…
「あの、なんで悠馬くんはここにいるの?」
「ここにいる理由?それは…」
彼が何かを呟いたように口が動いた。
しかし、肝心の内容は薄れゆく意識のせいで聞き取れなかった。
朝日が眩しい…
時計を見ると、もう朝の7時。
久しぶりに夢を見た気がする…
学校へ行く準備をしつつ、見た夢のことを思い出そうとする。
だけど、全くと言っていいほど思い出せない。
覚えているのは、なにもない寂しい空間だったこと、霞のかかった空。
あそこであった少年の名前。
「瀬戸悠馬」だけだった。