普通に考えて、昼間に空が赤くなっているなんて事、あり得ないだろう。
思わずその場で硬直してしまった。
春喰「神々廻どうしたー」
神々廻「………………空が」
春喰「空?空がどうかしたのか?」
神々廻「赤い……………」
春喰「は?」
非現実的なことを言い始める俺の横で、彼は反射的に後ろを向く。
そこには、夕暮れ時の朱色を思い出すようで、それよりも赤い鮮血のような赤色の空が一面に広がっている。
春喰「何だよこれ…………」
次第に他の生徒や先生もそれに気づき、周りでザワつきが起こる。
「え、何あの空…………」
「今って昼時だよな…………?」
「何が起こってるの……………」
神々廻「あぁ……!次から次まで何が……!」
春喰のスマホと言い真っ赤な空と言い、情報量の多さに頭がパンクしそうだ。
その後、学校はこの異様な状況に対して一斉下校と判断。
そのまま家に返される事となった。
夕凪side
夕凪「気をつけて帰れよー。」
神々廻「あ、夕凪先生。」
神々廻がこちらに駆け寄ってくる。
夕凪「ん?どうした神々廻。」
神々廻「その…………この赤い空、先生は何だと思いますか?」
急に話しかけたかと思えば、変なことを…………。
夕凪「んなオカルティックそうな事言われてもなぁ…………」
夕凪「でもまぁ知らねーけど、」
夕凪「良いことの予兆ではないんじゃねぇのか?」
神々廻「…………。」
俯いたまま彼は何も言わない。
キーンコーンカーンコーン
神々廻「あ、こんな時間だ。じゃあ先生、さようなら〜!」
チャイムが鳴った事に気づくと、前も向かずこちらを見て笑顔で手を振る神々廻。
その後段差につまづいて派手に転んだのは言うまでもない話だったが。
夕凪「…………はぁ?」
流石に困惑しかなくて、その時の自分にはその言葉しか出せなかった。
現在時刻 14時20分。
チャイムが鳴るその時間になっている事を耳では認識している。
でも自分の目で見たいからと、自分の右手にはスマホが握られている。
電源をつけたのに、時計は何時なのか教えてくれない。
ただ時計のない画面をしたスマホが、握られている。
To be continued
コメント
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ワァァァ文才力の塊ィィィイ(((