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死「来たか」
気だるそうに、首を傾げる。
「別に、来たかったわけじゃない」
死「知ってる」
興味なさげに返される
その態度に少し目を細めた
死「お前、強いな。」
「普通」
死「謙遜してんじゃねぇよ。事実だ」
沈黙。
評価されたことに興味は無い
ただ―――
否定する理由もなかった。
死「で?」
「何」
死「どうする。ここにいるか、帰るか」
単刀直入。
分かりやすい。
視線を外し、室内を見回す
雑多で、まとまりのない空間。
でも―――
悪くない。
「たまに来るくらいなら」
完全な拒絶でも、受け入れでもない
ちょうどいい距離感
死柄木が静かに笑う
死「好きにしろ」
その時だった
「ねえねえ!」
軽い足音
振り向くと、少女が目の前に立っていた
「私トガです!トガヒミコ!」
ト「その羽、本物?触れる?カァイイのです!」
「無理」
一歩下がる。
距離をとる
ト「えー、つまんない」
口を尖らせるトガ
でも、その目は楽しそうだった。
ト「じゃあさ、どんな感じ?吸うとき!」
「説明する気ない」
ト「ケチ~」
くすくすと笑う
うるさい
でも―――嫌いじゃない
ト「じゃあ、血は好き?」
「別に」
ト「え~!勿体ない!」
価値観が違う
それだけ
ト「私は好き!だって好きな人の血、欲しくなるもん!」
「……理解できない」
正直に言う
トガは嬉しそうに笑った
ト「そっかあ!じゃあさ!」
一歩、近づいてくる
反射的に、手を上げる。
触れれば終わる距離。
それでも―――
トガは止まらない。
ト「その代わり、寿命が好きなんだね」
ピタリ、と止まる
目の前ギリギリ
「好きじゃない」
少し考えて、答える。
「ただ、使えるだけ」
沈黙
一瞬。
トガが、ニヤッと笑う
ト「やっぱり似てるかも!」
「似てない」
即答。
でもその言葉に、少し引っかかる。
似てる?どこが?
ト「ま、いっか!」
トガはあっさり引いた
ト「また遊ぼうね!今度は恋バナしよう!」
遊びじゃない
そう言いかけて、やめる。言う意味がない
「……別に」
視線を逸らす
そのまま、窓の外を見る。夜は変わらない
でも―――一つだけ違う
ここには他人がいる
関わる必要はない。関わる理由もない。
それでも―――
「……非効率、か」
ぽつりと呟く。誰に向けたわけでもない言葉
ただ少しだけ、ほんの少しだけ、一人でいるより、楽だと思った。