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#大正時代
井川奎
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西条景哉
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#喫茶店
雨鏡光
3
ある日の夕方五人の”星”たちは屋上にいた。
五人は誰かを探しているのだ。
きっと、それがお互いだとわかりながら。
そして空に手を伸ばす。
「もしかして、手紙は本当だったの、、、?」
屋上の階段に隠れている星空美未は呟いた。
彼女の目線の先には四人の女の子。
年齢、見た目も様々で、知り合いではないらしく、お互いに気まずそうにしている。
この子たちも私と同じように手紙が届いたのだろうか。
これが、私の求めるもの?
五日前、美未の元に一通の手紙が届いた。
差出人は書かれておらず、封筒には自分の名前と住所だけが書かれていた。
割と洒落た手紙で、字も綺麗だった。
封筒を開けると、紙が一枚。
「五日後の夕方四時、時計が見える屋上に来なさい。そこにあなたの求めるものがある。不思議な時間をお楽しみに。」
とだけ書かれていた。
本当に意味がわからない。
こういういたずらはやめてほしい。
期待して行ったら裏切られるだけだ。
でも、期待している自分がいることにも気づいていた。
何もなかったらすぐに帰ればいい。
そんな感じで来たのにまさか本当に居るとは思わなかった。
どうしよう。 引き換えそうか。
今なら、きっと間に合う。
普通の生活に戻ることに。
なるべく音をたてないように気を付けていたのに、こういうところで失敗する。
ガタッ
最悪。
気づかれた。絶対気づかれた。
恐る恐る振り返ると、全員がこちらを見ていた。
視線が痛い。
仕方なく、姿を表す。
顔を伏せながら、みんなのもとへ行くと、嬉しそうな声を出された。
「あー!五人目来たぁ!」
大きな声が飛んできた。
その声の主は私よりも少し年上らしい女の子だった。
クリーム色の髪をポニーテールにしていて、大きな目と濃いめのメイクが印象的な、誰から見ても可愛い女の子だ。
あざとい、と思ったけれどキャラをつくっているのがわかってしまう。
気圧されながらもこんにちは、と小さな声で挨拶する。
すると、
「こんにちは。」
と柔らかい声で言ってくれた。
茶髪の髪をボブカットに揃えていて、メイクもしていないあどけない顔立ちだけれど、私よりもかなり年上だろう。
優しそうだが、何か事情がありそうな表情をしている。
私も事情がないわけでもない。
「一旦、座ったらどうですか?」
静かな声が聞こえて慌てて近くの椅子に腰を下ろす、
黒髪を綺麗に束ねていて、目は白色で珍しい、可愛い、よりも美しいとか綺麗とかの言葉が似合う女の子。
ちょっとだけ年下かもしれない。
あまりにも痩せすぎな体に少し驚く。
「、、、」
視線を感じてそちらを見ると、ずいぶんと幼い少女と目が合う。
長い藍色の髪を適当に下ろしていて、目は紫っぽい色、圧倒的な美少女だ。
キラキラした瞳に吸い込まれそうになる。
ミステリアスな雰囲気を持っていて、つかみどころがない感じ。
四人を改めて見てみると、私とは全然違う。
本当に私の求めるものなのかな。
今はまだわからないということだろうか。
それに、不思議な時間って、、、?
わからないことだらけだ。
「みんなの名前知りたいんだけどー、教えてくれない?あ、私は星月ニ瑚っていうの。名前で読んでくれると嬉しいなー。私敬語無理だからタメで話すね。可愛いぬいぐるみとか、綺麗なメイクとかがめっちゃ好きなの!ギャルだよ、腐れ縁ってやつでも仲良くしてね― 」
金髪ポニーテールの女子、ニ瑚がそういって自己紹介した。
大分特徴的な話し方をしている。
みんなはそれに続く。
「星野和華です。会社勤めの社会人だよ。みんなより年上かな。よろしくね。」
茶髪ボブカットの女子、和華さんが言った。
さっきから思っていたけれど、和華さんはとても良い雰囲気を持っている。
「星凪雪姫。ちょっと病気だけど、気にしないで。 」
言いながら黒髪ロングヘアーの女子、雪姫ちゃんがペコッと頭を下げた。
病気ということには、あまり触れない方が良いのだろうか。
次に
「星音星結です。とにかく楽しくいたいです。仲良くしてください。 」
藍色の髪の女子、星結ちゃんがにこりと笑って言った。
普通な感じがするのだけど、なんだか不思議な子に感じた。
ちょっと静かになって、ようやく自分の番だと気づいた。
「星空美未です。高校生です。よろしくお願いします。」
こんな少人数でも緊張してしまう。
でも、みんなは柔らかい表情で聞いてくれた。
それだけがなんだか心地よかった。
すると、ニ瑚がみんなに聞く。
「ねぇ、みんなこれどういうこと?」
さっきまでの彼女とは正反対の重たい声だった。
随分と回りくどい言い方だけれど、彼女の言いたいことはわかる。
「どうして私たちはここにいるのか。」「誰があの手紙を届けたのか。」
それはみんなが疑問に思っていることであり、知りたいことだった。
「わかんないからみんな来たんじゃない?」
和華さんが言った。
「じゃあ、これからずっと来た方が良いのかな。どういうことかわかるかもしれないし。」
星結ちゃんが言う。
なんだか楽しそうだ。
このくらいの年代の子は怖いとかそういう感情よりも、楽しいとかの方が強いのかもしれない。
「そだね。なんかこのまま終わりでも別に困らないけど、わかんないままだと嫌だもん。」
ニ瑚はまた明るい声に戻った。
「それにさ、みんなと会えたし!悪いことだけじゃないんじゃないかな。」
思わず笑みがこぼれる。
みんなを見ると嬉しそうな表情をしていた。
こうやって言われるのはなんだか照れくさい。
でも、悪くない。
みんなとはうまくやれそうだ。
そんな感じで、そこからはみんなで色々話した。
ニ瑚は本当によく喋った。
自分の好きなもの、可愛いと思うものをたくさん話してくれた。
ニ瑚の話はどこか胡散臭くて、でも、嘘ではなくて、ある意味不思議だった。
和華さんはそんなニ瑚の話に相づちを打っていた。
聞き上手らしい。
でも、表情は落ち着かなくてやっぱり変だった。
雪姫ちゃんは話をずっと聞いていた。
和華さんみたいに聞き上手というわけではなくて、ただ聞いているだけだった。
さっき病気と言っていたから気になるだけなのかもしれないが、表情はどこか暗かった。
星結ちゃんはずっと笑っていた。
たまに自分のことを喋った。
言い方とか、仕草とかがふわふわしていて、不思議だった。
私はというと、ずっと落ち着かなくてみんなの顔をじっと見たり、キョロキョロしたり、大分挙動不審だったと思う。
少しずつみんなの性格がわかってくると、みんなどこか不思議で変だった。
ここに集められた人にはなんらかの共通点があるかと思って考えていたけれど、全員に共通していることがない気がした。
ずっと考えていたせいで、時間を忘れていたらしい。
気がつくと、私の家の門限の五時が迫ってきていた。
「あ、私そろそろ帰らなきゃ。」
そう言って立ち上がる。
みんなはわかった~とか、気を付けてね~とか言ってくれた。
帰る準備を始めると、五時のチャイムがなった。
急いだおかげで、チャイムがなり終わった時には帰れる状態になった。
一息ついて、顔を上げる。
「え、、、?」
自然と声が出た。
動きも止まり、脳が思考を巡らせる。
だって、あり得ない。
こんなことはあり得ない。
どうして、と声にならない息がもれる。
今何が起こったの?
もしかしていたずら?
私を驚かそうとしてるの?
意味のわからない笑みがこぼれる。
信じられないと脳が叫ぶ。
階段をかけ下りる。
五時過ぎなので、誰もいない。
「本当に、、、?」
あの四人が消えた
*__________________________________________*
こんにちは。
今回は長くなってしまいすみません。
前回の作品、たくさんのいいねありがとうございます。
これからの投稿は長めになるかと思われます。
ぜひ、お付き合いください。
コメント
4件
わ〜い!ファンタジーだぁ〜! おまけに青春とか多分そっち系! (大好物)
読み終わったよ、第2話。五人目の美未視点で進む構成、好きだな。それぞれの“星”がいて、ニ瑚の浮かれ方も和華さんの落ち着きも、雪姫の透明感も星結の掴みどころのなさも個性がはっきりしてて、キャラを覚えやすい。で、ラストの「四人が消えた」――これは予想外だった。タイミングが五時のチャイム直後ってのも意味深で、時計が見える屋上って条件とも繋がる? 世界の仕掛けが気になって仕方ない。続きが読みたい。