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※主人公はベラルーシです
決して国を侮辱しているわけではありませんのよ〜!
誤字脱字有り
苦手な人は見ないでほしいのよ!
☭ ロシア〜?ロシア〜?
今日も父さんの声が響く。
鳥は鳴き庭の向日葵は元気に黄色の花を咲かせて立っている。
父さんが兄さんを呼ぶ時は決まっていつも甘い声だった。
僕の家族はとにかく多い。
みんなが個性豊かで明るくて楽しい。
ーーーーーーはずだった。
父さんが行方知れずになって数ヶ月後に僕たち家族は崩壊した。
元々15人兄弟だったのだけど少しずつ、少しずつ居なくなっていった。
父さんに貰った今まで回っていたはずのオルゴールもゆっくりとしか回らなくなった。
結果最後に残ったのは僕含めて四人だけ。
僕とウク兄さんとカザフとロシお兄ちゃんの四人。
大きかった僕らの家も今では広すぎるほどに部屋が余っている。
それにロシお兄ちゃんの顔が暗くなっていった。
ロシお兄ちゃんは僕たち四人の中で一番父さんに似ている気がする。
体格も身長も声も好みも、まるで分身したみたいだった。
でもお兄ちゃんはよく暗い顔をしていた。
暗く冷たい目は怖いほどに深くて痛いほどきみがわるかった。
ウクライナ ……兄貴…最近どうしたんだろ……。
ベラルーシ ………。
カザフスタン ……暗いし怖いね…。
最近お兄ちゃん以外と話すことが多くなった。
お兄ちゃんはその度に安心したようにため息を溢していた。
そのため息が僕はとても憎らしくて寂しかった。
数日が経ったある日、僕らの家にアメリカという人がやって来た。
元気で明るくて前向きのイメージが強く印象に残ったその人はお兄ちゃんと少し話す。
その姿を見つめる僕とウクライナ兄さんとカザフ。
話し声は聞き取れるほど大きくなかった。
でも話しをしていくうちにお兄ちゃんの表情は固くなっていく。
ベラルーシ お兄ちゃ–
ウクライナ ベラ、止めたらダメだよ。
ベラルーシ でも……。
カザフスタン ベラだって何回も見てきただろ?
カザフスタン 兄さんが僕たちを守ろうとするときの表情を。
ベラルーシ ……。
お兄ちゃんには言ってなかったが僕たちはお兄ちゃんが虐待を受けていたのを知っていた。
最初はウク兄さんが見つけてしまったのが原因だけど……
そこから兄弟の中でその話はすぐに広がった。
お兄ちゃんの体には大量の傷があり、全てが痛々しくて見るに耐えなかった。
しばらくしてお兄ちゃんとアメリカさんの会話は終わったようだ。
お兄ちゃんは一瞬表情を歪ませてアメリカさんに微笑みかけた。
そのあとすぐにお兄ちゃんの表情は元に戻ったけれどその笑顔が僕は嫌いになった。
父さんに似た甘い声とその顔をお兄ちゃんはアメリカさんに見せていた。
それがどうしても憎くて寂しいと感じてしまったのだ。
アメリカ おいそこのちびっ子共!
ロシア ………。
ウクライナ 俺たちのこと?
ベラルーシ ……?
カザフスタン 何〜?
アメリカさんはそう言うと僕たち全員に目をやって最後にお兄ちゃんを見た。
お兄ちゃんはコクリと小さく頷きアメリカさんに合図を送った後に少しだけ俯いた。
アメリカ ……はぁ…今日からお前らは俺の所で預かる事になった。
ウクライナ ……は?
カザフスタン ……え?
ベラルーシ …!?
ロシア 俺がコイツに頼んだ。コイツなら軍事もNATOもある。信頼はできるだろう。
ウクライナ いや待ってよ、そもそも兄貴の敵だろ!?NATOも…アメリカもッッ…!
ロシア 敵になられたって構わない。俺はお前らが必要じゃなくなっただけだ。
ウクライナ なんだよそれ…ッッ!
目の前で繰り広げられるお兄ちゃんと兄さんの兄弟喧嘩を横目に
カザフは少し絶望した顔でお兄ちゃんと兄さんの顔を交互に見ている。
…嫌だ…お兄ちゃんと離れたくない……。
ほとんどの兄弟が家から出ていって元々あったものが崩壊していったのに。
お兄ちゃんがずっと守ってきた僕たちだったのに。
どうしていらないなんて言ったの…?何がダメだったの…?
ベラルーシ お兄ちゃん…?アメリカさんに唆されただけだよね…?でしょ…?
ロシア 俺から頼んだってさっき言っただろ。
アメリカ まさかお前から頼むとは思わなかったな〜
ベラルーシ 何で!?何でなのお兄ちゃんッッ!!
ウクライナ そうだよ兄貴!生きなるなんて納得できねぇよ!
カザフスタン 兄!説明して!!
お兄ちゃんに三人でそう言うとお兄ちゃんは小さく舌打ちをしてアメリカさんを見た。
アメリカさんはその視線に気づくと少し呆れたように笑い、僕達の手を掴んだ。
ウクライナ 離せよ!!
ベラルーシ やめて!!
カザフスタン 何するんだ!?
アメリカ いいから黙ってな。
アメリカさんは冷たい視線を僕らに向けると、
お兄ちゃんに深くお辞儀をして僕らの手を引いた。
それから数日後、お兄ちゃんの元に父さんが戻ったと言う噂を小耳に挟んだ。
お兄ちゃんのことはアメリカさんの会社でよく見かけるけれど、
見るたびにやつれていって顔色も悪く、全身が傷だらけだった。
お兄ちゃんのその様子を見ると僕はどうしてお兄ちゃんが
僕らを捨てたのかが何となくわかってしまった。
僕らを守りたかった
多分それだけだったんだと思う。
父さんは僕たち兄弟には父親らしい愛情を注いでくれたがお兄ちゃんだけは違った。
それを知っていてもお兄ちゃんはきっとそんな父さんから離したかったんだと思う。
アメリカさんは噂に聞けばお兄ちゃんとはそこそこ仲がいいらしい。
敵国ではあるものの互いを尊重しお互いのはっきりした意見を言い合えるそうだ。
そんなアメリカさんにお兄ちゃんは相談した訳だろう。
国連会議の日、僕たちは選ばれその場に行った。
お兄ちゃんと偶然目を合わせてしまったがお兄ちゃんは少し悲しそうに目を背ける。
そんなお兄ちゃんの隣にはアメリカさんが座っている。
気まずい中会議も順調に進み中盤に差し掛かった頃、会議室の扉がゆっくりと開いた。
扉の前に立っていたのは昔と変わらない姿……
いや少しだけ歳をとった父さんの姿があった。
ロシア …!?
アメリカ ッッ……ここまで来るかよ…
イギリス なぜ彼がここにッッ…
フランス 行方不明じゃなかったの…!?
チャイナ 噂は本当だったのネ…師匠……
驚きを隠せない常任理事国を見つめて薄気味悪く微笑んだ父さんは、少しずつ前へ進んだ。
手に持っていた酒瓶を少しずつ飲みながら、父さんはお兄ちゃんの隣に座る。
会議を進めろと言わんばかりに父さんは国連さんを見つめて笑っていた。
お兄ちゃんはそんな父さんを見て震えていた。
以上ですのよ!
見てくださった方は本当にありがとねっ!
見てくれるだけで全然嬉しいのよ!
好評だったら続くかもですのよ!
それでは!