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初カイ潔書きます!!!私得でしかない話だけれども…
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カイザーが入院して、早1週間。体調も安定してきたようで、あと少しは安静にしないといけないそうだ。
今日もお見舞いに来た。カイザーはサッカーができなくて、少しピリピリしてる。そんなカイザーに俺は言わなくちゃいけないことがあるんだ。
「カイザー、俺、人殺しちゃった」
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一週間前
「約1ヶ月ぶりのデート……!!!」
俺もカイザーも忙しすぎて2人で出かけるなんてしばらく出来なかった。でも今日は2人ともオフで 近場だけど、デートすることになった。
「寒いからモコモコしたやつ着てく?いやでも、あざとすぎかな……いや、モコモコでいこう!」
少し迷ったけど、今日は可愛い路線でいくことにした。
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待ち合わせ場所に30分も早く着いた。まぁ、遅刻するよりはいいかな、と思っていると、少し早歩きでこちらに迫ってくる、長身で顔が良くて髪の毛が特徴的な俺の恋人が近づいてきた。
「っ、カイ」
そう呼びかけた途端、カイザーはみるみる顔色を悪くし、その場にうずくまった。カイザーの背後には男か立っていて、血の着いたナイフを持って走り去って行った。
「つ、カイザー!」
すぐにでも男を追いかけたかったが、まずは救急車を呼ばないと。スマホを持つ手が震える。112、ドイツの救急連絡の番号。
俺はたどたどしいドイツ語でカイザーのことを伝え、救急車が来るのを今か今かと待っていた。
俺は不安で涙がこぼれ落ちた。こんな状況なのにカイザーは、俺の顔を見て
「ふはっ、世一の泣き顔、クソブサイクで可愛いねぇ〜?」
なんでこいつはこんな状況でそんな軽口が叩けるんだよ。こっちはお前のことが不安で泣いてるのに!
「こんなんで、俺が死ぬわけないだろ?」
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カイザーの言った通りに、カイザーは幸い命に別状はなく、刺された箇所も急所を外していたらしい。
ただ、しばらくは入院で、サッカーもできないみたいだ。
カイザーが刺されたことはドイツ、いや世界中でニュースとなり誰もが知っていた。警察も総動員で犯人を探している最中だが、目撃者が俺しかいないこともあり、なかなか見つからないらしい。
カイザーと会う時間も少なくなって、サッカーもできなくて、悔しいし悲しい。それ以外に言いようがなかった。
犯人を見つけなきゃ。