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______2008年。夏。
「ん…朝ぁ、、?」
わたしは花恋りり。ごく普通の中学3年生である。
そして今日は一学期最後の学校の日。
「まって、もう7時半?!?!?!」
なのに。
大寝坊をしてしまった_________。
「あっぶなーーーーー!!!!」
8時29分。
校舎の校門を通り、急いで教室に向かう。
ガラガラガラッ
『あ〜!!やっとりりきた!おそい!』
「ごめんごめん笑 おはよ、ゆな」
そう言って朝から私を出迎えてくれたのは、今年仲良くなった朝霧ゆな。
『もう〜。そういえば今日緊急で集会入ったんだって。なんだろうね?』
「集会?この前したばっかなのに?なんでだろう」
そう。私たちは渋谷を拠点とする不良集団、”東京卍會”の一員だ。
ゆなは三ツ谷隆を隊長とする弐番隊の隊員である。
私はっていうと_________
『まあ、りりは東卍の”姫”なわけだし。何も考えなくて大丈夫でしょ笑』
有難いことに”姫”というポジションに置いてもらっている。
この”姫”は総長である佐野万次郎、通称無敵のマイキーが気に入った者しかなることができない。
“姫”になったのは私が初めてなのだ。
「そうかな。まあまた集会のときにね。」
午後10時頃、武蔵神社にて
ザワザワ…
やけにザワザワしている。騒がしい。なんでだろうか?
そう考えているうちに、総長であるマイキー、そして副総長であるドラケンが前に立った。
『今日お前らを緊急で呼んだのには、決して許されないことが起こったからだ』
マイキーは深刻そうな顔で語る。
(決して許されないこと…?なんだろう…)
マイキーは少し言葉を躊躇ってから、重い口を開く。
『夢子、前へ』
“夢子”。それは東京卍會の壱番隊の隊員。
おしとやかでふわふわしている優しい女の子だ。
『ヒッグッ…グスンッ…』
夢子はぼろぼろ泣いている。その光景に隊員たちはなにがあった?どうした?と心配する声をかける。
夢子の涙は東京卍會を混乱に導いている。
『夢子、話せるか?』
マイキーが夢子を心配そうに見つめ、問いかける。
すると、ドラケンが『おいマイキー。焦らせるなよ。無理に話さなくてもいい、ゆっくりで大丈夫だ』そう声をかけた。
『グスンッ…ま、マイキーくんっ、わたし、わたしっ…』
夢子の涙はぼろぼろと溢れ出てくる。
そんな姿を見て、早く事情を話せ、夢子が心配だという声がどんどん上がる。
『……俺が話す。』
総長であるマイキーが口を開く。
隊員たちは静かになり、マイキーが話すのを待っている。
“姫”である私も、こんな状況は初めてなので息を飲んだ。
『夢子、腕みせて。』
そうマイキーに言われると、夢子はすっと袖をめくり、腕を見せる。
_________夢子の腕には、殴られたような跡が数え切れないほどあり、血が出ている箇所や痣になってある部分もあった。
その光景を見て、隊員たちは一瞬固まり、その後すぐに怒号の嵐になった。
『おい!!だれにやられたんだよ!!!』
『犯人はだれだ?!ぶっ殺してやる!!』
物騒な声が飛び交う。
(…なにあの傷。だれにやられたの……)
私は少ない女隊員である夢子のあの様子を見て、思わず声をかけてしまう。
「夢子っ…そんな傷、だれにやられたの、?」
時が止まる。
1秒、2秒、3秒_________
『うわああああああああん!!!』
夢子が泣き叫ぶ。
『ひどいっ、!!りりちゃんが、りりちゃんがやったくせに…!』
私はその言葉を飲み込むのに時間がかかった。
“私がやった…?”
『はあ?!姫が?!なにやってんだよ!』
『女同士の喧嘩とか醜すぎるだろ!!』
そんな声が武蔵神社に広がる。
私は言葉が出なかった。夢子を傷つけた事実がないから、心底驚いた。
『……だまれ』
副総長であるドラケンがその場を静める。
『マイキー、どうするよ』
『……りり、前に来い』
なにがなんだかわからないこの状況で、前に来て話せというのか。
しかし、ちゃんとやってないということを主張しなければ、”私は夢子をいじめた加害者”になる。
静かに、冷静に、私は前に出た。
『お前、正直に言え。これ、やった?』
マイキーの顔は笑っていなかった。目にはハイライトがない、まるで虫を見るような目だった。
_________空気が重い。言葉が出ない。
私はやっていない。その言葉が出せるような空気じゃなかった。
『……だんまりか。』
そのとき、とある人物が1歩前へ出る。
『黙ってるってことは事実なんじゃねーの?』
『……場地』
壱番隊隊長、場地圭介。
彼はマイキー、ドラケンに次いで喧嘩が強く、思いやりがある東京卍會には欠かせない創設メンバーだ。
『姫サンよぉ。夢子は俺の隊員なワケだ。何勝手に傷つけてるんだ』
厳しい言葉をずらずらと並べられる。
しかし、場地が言うこともわかる。自分の隊員が傷つけられていたら、責めるのもおかしくはない。
「わ、わたしはやってない…!!」
重くて開けなかった口を、開く。
『……やってないって、この傷どう説明すんだよ』
場地は冷静にゆっくり私に問いかける。
「知らない…そんな傷…」
震える声で、涙を堪えながら精一杯の声を出す。
『グスンッ…知らないフリするなんてりりちゃんひどいよぉ、、』
夢子はわんわん泣きながら、マイキーの後ろに隠れた。
『大丈夫だ、夢子。
だから少し落ち着いてくれ、な?』
『うんっ、、』
そう小さな子供を慰めるかのように、マイキーは夢子をよしよしと頭を撫でて慰める。
『夢子もこう言ってんだしりりが嘘ついてるとしか俺は思えねえ。』
『俺もドラケンの言う通りだと思うぜ』
ドラケンと場地がそう言って、夢子の”味方”をする。
_________また私は仲間を失うのかな
『……りり』
マイキーが何か言いたそうに私に声をかける。
「な、なに、マイキー…」
『お前がそんなことするような奴だとは思ってもいなかった。でも、被害者がいて証拠がある限りお前を庇うことはできない』
ド正論を言われる。
『だから_________』
嫌な予感がした。
聞きたくない
『お前はもう、姫降格だ』
ゆか
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#東京リベンジャーズ夢小説
コメント
1件
第1話から重い展開でドキドキしながら読みました…!😶「姫」っていう特別な立場にいたのに、夢子ちゃんの言葉だけで一気に追い詰められていくのが苦しくて。マイキーのハイライトのない目とか、場地くんの静かな怒り方とか、空気がすごく伝わってきました。「また仲間を失うのかな」の一文が刺さります。りりちゃん、やってないのに…!続き気になります。