好き。
何度目かの正直
そろそろこの想いが届いてほしい
*
贖罪だ。
君の周りにある物を沢山奪ってしまった。
だから君を幸せにしたい。
なんて嘘を並べる。
だってこんなの三ツ谷と一緒にいられるただの理由。
「三ツ谷〜…待った?」
「待った」
そこにはしかめっ面した三ツ谷がいた。
…2時間は遅刻に入らないよね?
今日は三ツ谷の買い物に連れてってもらう。
服の布とか…後はあんま分かんない。
二人で出かけてる時点でコレはデートなはず。
案外三ツ谷はあっさりしてた。
こ〜ゆのは照れないの?って直接疑問をぶつけたくなる。
まぁ聞くと三ツ谷はなんか不機嫌になるんだよね。
蘭ちゃんはイイコだから聞かないであげるもーん。
きっと昔から男といて照れるなんてとっくの昔の事なのかなと考え込む。
今でこそ髪は長いが昔はベリーショートだった。
コンクリートブロックで殴った時は男だと思ってた(笑)
「なんで一人で笑ってんの?きも」
三ツ谷が少し引いたような口調で言ってくる。
「未来の旦那にそれはないでしょ〜」
「は?いつお前と結婚するなんて言ったんだよ」
少し照れた…ように見えた。
可愛い。
これも口に出すと三ツ谷は不機嫌になる。
ムズかし。
*
頭に衝撃が走った。
三ツ谷が結婚するらしい。
三ツ谷がデザイナーとして働き初めて最初の頃はほぼ恋人同士としていたけど俺が反社に足入れてからは俺から別れを切り出した。
三ツ谷に危険な目にあって欲しくない。
あえて言わなかった。
クズな彼氏と別れた。
そんな事を俺じゃない誰かと笑って欲しかった。
本心じゃないけど。
正直反社だし、情報なんて探せばいくらでも出てくる。
たまたま知ってしまったんだ。
『結婚』この漢字二文字がとても忌々しく思えた。
…しかも俺は三ツ谷を殺さなきゃいけなくなった
仕事だ。しょうがない。
で割り切れなかった。
この人生で一番愛した人間だ。
人の機嫌をとったのも
相手が喜ぶような事を一生懸命考えたのも
全部三ツ谷が初めてだ。
そんな女性を殺せるはずなかったのだ。
*
件名︙『久しぶりに会いたい』
○月✕日___で待ってる
昔別れた元彼から数年ぶりにメールが来た。
はぁ?っておもう。
けど行きたい。
だってまだ蘭に対しての恋心は抱いてる。
俺は婚約だってしてるけど。
やはり一番愛してたのは蘭なんだよなぁ…
…暇だし行っちゃおうかな
あくまで会うだけだもん
*
懐かしい
よくここに二人で来たな…
なんてぼけ〜としながら一人立っていた
それから数分後昔よりも幼げが消えた蘭が来た。
「遅刻しなくなったじゃん」
少し褒めてあげた。
「蘭ちゃんは出来る大人になりました〜〜」
大人か…?って思うほどまだ子供っぽかった。
「ていうか要件は?」
やはり一番の疑問をぶつけた
「ここってさ二人でよく来たね」
「うん」
「ここを少し行くと崖があるんだ。」
「ねぇ…一緒にいこ?」
それが何を意味しているのかは分かった。
けど足が動いてしまう。
愛したアイツについてってしまう。
これでいい。
自分に洗脳をかける。
「みて綺麗でしょ?」
「うん…綺麗」
海が見えた
水平線が漂う。蘭が一歩手前にでる。
「好き」
そう一言言い放って蘭は消えた。
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。゚(・´Д`・)゚。蘭ー!