テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「生きててごめんね」
JPが口を開き、放った言葉を理解するのに俺は時間がかかった。
(※NAは🩷🍪です)
ー数日前ー
JP「撮影お疲れ様ー!今日の分は撮り終わったし、みんなまたねー!」
各々でお疲れと言い合い退出して行くメンバーの声を聞きながら、俺はパソコン周りの片付けをしていた。みんなの声がしなくなって、俺も退出するか、と思ってマウスを動かした。
「あれ?」
JPがまだ退出していなかった。俺はマイクをオフにしていたからJPは気づいていない。
JP「……グスッ」
…………え?泣いてる?なんでや?マイクをオンにして話しかけようとしたけど、タイミング悪くJPが退出してしまった。
「…どういうことや……?」
訳が分からなくて、ベッドに入ってからもJPのことで頭がいっぱいでなかなか眠れなかった。
結局一睡も出来なかった。あかん、眠すぎる…。今日は撮影もないし…、どうしよ、JPに何かあったのか聞くか?でもどうやろな、昔から気ぃ使うやつやし、“大丈夫”とか言われたら俺にはどうしよもない。しばらく悩んだけど、
「よし、」
やっぱり気になって仕方が無いし、JPにLINEを送った。
『JP、聞きたいことがあって。12時頃、駅前の〇〇に来れるか?』
すぐに連絡が来た。
『わかった』
なんかやけに素っ気ないな、まあいいか。
時計を見てみると10時半。
「……準備するか。」
俺はベッドから出て支度をした。
〜12時半〜
JP「あ!TT!ごめん〜!!!」
「遅いわ!!」
普段は遅れてくることはないのに、やっぱり何かあるんか、?俺が考え事してる間にJPの飲み物が運ばれてきた。
JP「それで、聞きたいことって?」
「えっと……JP、その、最近どうや?」
JP「何その質問wまあいい感じだよ?」
「なあ、頼むから本当のこと言ってくれ、!」
やべ、声量間違えたかも。落ち着け、JPがびっくりした顔で心配そうに俺の顔を見る。
JP「ど、どうしたの?TTこそ、大丈夫?」
「俺の心配より、自分の心配をするべきやで。」
JP「……」
JPが黙った。やっぱり。
「本当は無理してるんやろ、ほんま頼むから本音で話し、」
JP「大丈夫だって言ってんじゃん!!」
俺の言葉をさえぎってJPが叫んだ。周りの客が不思議そうにこっちを見る。するとJPは勢いよく立ち上がり、
「ごめん、、でもほんと、大丈夫だから、!」
と言って自分の飲み物代を置いて帰ってしまった。
〜23時〜
夕飯の時もいつもみたいに笑ってたな、
「はぁ、」
もう心配が一周まわってイライラに変わってきた。何で大丈夫じゃないのに大丈夫って言うんや。
「あぁー、もう、」
“コンコンコン”
ノックする音が聞こえて慌ててドアを開ける。
「NAさん、」
そこにはNAさんがいた。
NA「TTさん、ごめんなさいこんな夜遅くに…。私、少しお話したいことが」
「話?わ、分かった。とりあえず入り。」
NA「失礼します」
小さなテーブルに向かい合わせで座った。
「どうしたんや?」
NA「TTさんなら、薄々気付いてるかもしれませんが、JPさんについてです。」
「っ!」
まさかの話題で少し驚く。
「JPがどうしたんや、」
NA「最近おかしくないですか?心から笑ってないというか、無理してるような気がします」
「なんか、確信を持てることがあったんか?」
NA「いえ、なんというかまあ、勘です。これだけ長い付き合いだとなんとなく分かりますよ」
え、すご。シンプルに感心した。俺はあの時やっと気付いたのに、やっぱりNAさんはよく人の事見てるな。
「実は俺も思ってた。昨日の撮影の後、あいつ、泣いててん。みんながゲームから抜けてから。俺がおったのに気づいてなくて、」
NA「やっぱり、」
「それと、今日JPと話そうと思って〇〇に来てもらったんやけど、大丈夫じゃないやろって俺が言ったら、キレて帰っちまって、」
NA「なるほど。でも、ほかのメンバーもそろそろ気付く頃なんじゃないでしょうか、?」
「それは俺も思うわ、正直、顔が笑ってないっていうか、」
絶対無理してるっていうか、
NA「とにかく今は本人に聞くのはダメですね、」
「せやな、」
の「何か機会があれば、、」
“コンコンコン”
「!?は、はーい」
ドアを開けるとそこには、
「……っJP、、」
JP「…………」
やばい、話聞かれたか?JPは俺を見てから、NAさんの方を見て、そしてまた俺を見て、申し訳なさそうな、困ったような顔をして言った。
JP「ごめん、たまたま廊下歩いてたら話、聞こえちゃって。でも、俺、ホントに大丈夫だから」
………聞かれてたか、
NA「JPさん、、、ごめんなさい本人のいない所でこんな話して、でも、ほんとのことを、!!話し、て、」
そこまで言ってNAさんが「ハッ」と言って慌てて口に手を当てる。さっき自分で今本人に聞くべきやないって言うてたやん……、まあ、ここで焦らんのも無理があるな、
「JP、」
JP「…………ごめんな、!余計な心配かけて、いやー最近ちょっと寝不足でさ!ぼーっとしてるだけだから!!ほんっとうに、大丈夫なんだ」
…わかりやすい嘘。笑ったような顔をしているJPの表情に胸が痛くなった。NAさんも多分一緒だ。表情が歪んでる。
JP「じゃ、それ言いに来ただけだから、ごめんな!TTとNAさんもちゃんと寝ろよ〜?じゃないと俺みたいになっちゃうよwじゃあ、おやすみ!」
そう言って、行ってしまった。JP、JP、!俺はここで追いかけるべきやろ、なんで、、なんでか、体が動かなかった。
〜翌日〜
このままじゃダメや、なんか、考えないと、、
「NAさんは今日は出かけてるしJPもおらんし…」
俺は頭を抱える。
♪トゥルルルルル(?)
「?だれや、、、」
YAくん?
「も、もしもし」
YA「た、!TT!!!」
「ど、どうしたんや?JPと買い物中やろ、」
YA「JPが、!JPが、」
JP!?……何故か嫌な予感がした
「一旦落ち着け!じゃぱぱがどうしたんや!?」
YA「JP、歩い、てたらいきなり、うずくまって、それで、それで、!」
かなり動揺してる、これじゃなんもわからん、
「い、今どこや!」
YA「びょ、病院、!あの、駅に一番近くの、!」
病院!?
「わかった!今向かう、!」
俺は上着も着ずにシェアハウスを飛び出した。
ー数十分後ー
「YAくん!!!!!」
ここは病院、分かってても大声で呼んでしまった。でも今はそんなことどうでもいい。
YA「TT!!!!!」
YAくんは、ボロボロに泣いてた。
「なにがあったんや!?JPは!?ゆっくりで良いから教えてくれ!!」
YA「JP、、!買い物してた、ら、いきなりっ、、うずくまっちゃって、!どうしたのかと思ったら、そのまま、倒れて、!それで、、っ、血吐いてて、、!」
……え、
YA「俺、どうしたらいいかわかんなくなって、JPって呼ぶことしか出来なくて、っごめん、ごめん、、!それで、っ周りの人が救急車呼んでくれて、っ」
……理解できない、意味がわからないんじゃなくて、え、だって、、昨日とか、普通やったやん、いや、普通……じゃなかったな、?
YA「JP、、、運び込まれた時っ、、、、もう、、、っ息してなくって、、!」
「……え?」
YAくんは、俺の服の裾を掴んで、ひたすら泣きじゃくって「ごめん」と繰り返してた。
〜数時間後〜
数時間経っても、手術室のランプは一向に消えない。YAくんもさすがに泣き疲れたけど、眠りはしてない。ずっと天井を眺めている。外はもう真っ暗。
「そういや、メンバーに連絡したんか?」
YA「あ、、ううん、ごめん、してない、、」
「そっか、謝らんでええで、連絡は俺がしとくから、少し休んだらどうや」
YA「ありがと、大丈夫。」
「…そうか。」
俺はLINEを開いてからぴちのグループラインを開いた。
「あれ、」
みんな、俺らがいないって騒いでた。そりゃそうか。3人して帰ってこないから、、
『みんな、ごめん。連絡遅れた』
NO『大丈夫ですか!?どうしたんですか!?』
DN『どうしたの!何かあったの!?』
ET『JPとYAくんもいないの!大丈夫なの!?』
『今、駅から1番近い病院にいる。』
既読はついてる。でも返信が無い、みんな何かを察して、病院に来るのかもしれんな、
YA「みんな、なんて?」
「わからん、既読はついとるけど返信が来おへん」
YA「そっか、来るのかな、」
やっぱりそう思うよな、
途端に、ランプが消えた。
「っ!!!JP!!」
YA「JP!!!」
俺とYAくんは椅子から立ち上がった。手術室のドアが開き、医者と、看護師にベッドのまま運ばれてるJPが姿を現した。
「あの、!JPっ!!」
医「落ち着いてください、一命は取り留めました」
「……!」
俺はその場に崩れ落ちた。力が抜けた。
麻酔かなにかでまだ眠っているJPの顔は、昨日よりも酷くクマがあった。
医「起きるまで時間がかかると思います、今日はもう遅いですし、どうします?お帰りになられますか?それともこの方のそばにいますか?」
「……すみません、泊まらさせて貰います。このあと他のメンバーも来ると思うんですが、」
医「わかりました。その方々もここへ案内しますので。私はこれで。」
「ほんと、!ありがとうございますっ!!」
振り向くと、YAくんも力が抜けたのか、椅子の足元で倒れて寝ていた。
少し経ってすぐにほかのメンバーも到着した。
NO「JPさん!!!」
DN「JP!!」
他のメンバーもその夜はJPの寝ているベッドの周りで眠った。
〜翌朝〜
「…………え?」
俺は医者に呼ばれてJPの容態を聞いていた。
「ど、どういうことですか、!薬物乱用って、」
医「落ち着いてください、気が動転するのも分かります。しかし、手術の結果で、どう考えても、薬の副作用で倒れたとしか、」
薬……、ODか、?
「なんでそんなこと……。あ、」
自殺、?
そんな嫌な考えが頭をよぎった。いや、まさかそんな訳、、でも、それがホントなら、っ
「うっ、」
医「大丈夫ですか!」
俺は、その場で吐いて、目の前が真っ白になり、そのまま気を失った。
〜数時間後〜
俺はベッドで目を覚ました。どうやらJPの隣のベッドらしい。、メンバーが心配そうにしていた。
YA「TT、!大丈夫か!?」
「………YAくん、、悪いな、大丈夫や。それより、JPは?、」
YA「まだ目、覚ましてない、、」
「そうか、」
俺は起き上がって右のベッドで寝てるJPの方を見る。
「……JP、」
………………“薬物乱用”
「うっ、」
吐き気がまだあるけど、多分、もう胃液しか出て来おへんなこれ、
YA「TT、」
「あぁ、悪い、俺はホント大丈夫やで」
『大丈夫』……?俺は気づいた。心配されたら『大丈夫』以外に出てくる言葉がないんや。クソッ、俺がもっと気づくのが早かったら、、今更そんな後悔してもどうにもならんよな、
YA「お医者さんは、なんて?」
「……っ、」
どうしよう、なんて言うべきなんや、、
「…落ち着いて聞いてや、」
落ち着かせようとしたけど、みんなの顔を見るとやっぱり不安そうや。
「……言っても…大丈夫なんか……?」
あかん、こんな聞き方したらみんな『大丈夫』って言ってしまう、
NA「大丈夫です」
さっきの言葉を撤回する暇もなくNOさんが答えた。メンバーも頷いている。
「…………や、薬物……乱用らしい、」
言ってしまった。みんなはどんな顔をしているのか、俺は俯いてて分からなかった。その瞬間
JP「…………みんな、?」
弱々しく掠れた、JPの声が聞こえてバッとベッドの方を見ると、JPが不思議そうな顔でこっちを見ていた。
みんな「…JPっ!」
みんな一斉にJPに駆け寄った。俺も少し遅れてベッドから抜け出して駆け寄る。
YA「JP、!ごめん!!俺、あの時何も出来なくってっ、ほんとごめん、、!その、大丈夫!?」
YAくんが涙を流しながらJPに言う。JPはまだ状況を把握していないようで、目を丸くしてYAくんを慰めている。
JP「え…!!?大丈夫!?どうしたの!?」
ほかのみんなも泣きながらJPの容態を心配していた。騒ぎを聞き付けた医者が病室に入ってきた。
医「大丈夫ですか?……あ、JPさん!目が覚めたんですね。良かったです。」
冷静に医者が言った。
じ「え、あの、これはどういう、」
医「あなた、数日前に倒れたんですよ、覚えてますか?」
JP「……あぁ、そういうことですか、」
?やけに冷静だなっと思ったと同時に俺はさっき医師に告げられた言葉を思い出した。
<薬物乱用>
…っ!
TT「JPっ、」
JP「みんな、」
俺がJPの方を見ると、JPは全てを諦めたような顔をして、こう言った。
JP「生きててごめんね」
JPが口を開き、放った言葉を理解するのに俺は時間がかかった。
YA「え、?」
NA「……っ」
あ、そうか、俺とNAさんはJPの様子がおかしいことに気づいてたけど、他のメンバーはやっぱり知らなかったのか。YAくん以外のメンバーも困惑している。
「…そんなこと言うなよ、!JP、俺こそごめんな、俺がもっと早く気づけてたら、俺がもっと、上手く話を聞けたら、こんなことにはならなかったはずなのに、」
JP「……違う、たっつんは悪くないよ、ほんと、、ごめん、迷惑ばっかかけて」
「…っ、違う!!!迷惑なんかやない!!JPは、!、もっと俺の事、俺らの事、、頼ってくれよ!!」
JP「………」
「頼むから、ひとりで抱え込むなよ、、」
JP「…でも、俺は、」
「なんや、リーダーやったら相談できへんのか!?もう、みんなを引っ張らんとあかんって言うて自分を追い込まんでくれよ!!!俺らもそりゃ人間やし、全部わかる訳やない!今回だって、俺は、やっとお前が泣いてて気づいたくらいや!だから!!」
JP「……っ!」
「ほんと頼むから!俺らの事!!もっと頼れ!!!俺らは!仲間なんやろ?」
JP「っ!ごめん、ごめんな、っ」
普段は人前で泣くなんて有り得ないJPが、声を上げて泣き出した。
JPはみんなに慰めながら掠れた声で泣いたあと、子供みたいに泣き疲れてまた眠ってしまった。でも、JPは少しだけ、楽になったようだった。
〜翌日〜
JP「みんな、ほんとごめんね、」
「だぁかぁらぁ!お前はとりあえず謝る癖をどうにかしろ!あとこれはじゃぱぱが謝ることとちゃう!俺こそ、ほんまごめん」
NA「謝る癖なおすべきなのはTTさんもじゃないですか…?」
JP「ほんとだよwww」
良かった、JP、笑顔が嘘じゃない。ホッとしてると、
JP「どうしたのたっつん?」
「え?あぁいやほんと、良かったなって思って」
みんなも安心したように笑った。
〜数日後〜
JP&TT「お世話になりました」
今日はJPの退院の日。身体に入ってた薬は全て抜けたとのこと。
JP「いやー、それにしてもすごい迷惑かけちゃったなー」
「何言うてんねん!これから相談とかしてくれるなら、それで全部チャラやって!」
JP「…ごめんね、ありがとう!w」
「あ、おい!また謝った!」
JP「あああああwww」
ー帰宅ー
みんな「JP!おかえりー!!!」
JP「えぇ!?!?」
玄関前にてみんなクラッカーを持って、帰ってきたじゃぱぱを取り囲んだ。
JP「びっっくりしたー!wみんな、ただいま!」
その後、俺らは朝まで寝ないで、JPのおかえりパーティーをした。
さすがに寝不足やwでも、良かったな。
〜数日後〜
JP「動画もなかなか伸びないし挙句の果てアンチがいっぱいだしイベントの用意とかで多忙だしで、もう色々やばかったんよ〜w」
JPは笑って話してるが、内容が笑えねぇ…、
「JP、無理して笑わんで良いんやで」
JPは驚いた顔をしてから、
JP「もう全部お見通しってわけか…w」
と、疲れたように笑った。
後で聞いた話だけど、俺が話を聞こうと思って呼び出した時に返事が素っ気なかったのは、その時に薬を飲んで苦しかったからで、あとそのせいで遅刻したらしい。……正直普段の俺やったら、絶対気付かんかったってほど、JPの演技はうまかった。