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俺がここに来て数日が経った。
色々分かったのが、まずおどろくちゃんの暮らすこの街は崩壊仕掛けてること。
おどろくちゃんは両親を亡くして、一人で生き延びていたこと。
服で気付かなかったけど、おどろくちゃんは痩せてた。
今までどんな辛い思いをしてきたのだろう
なんとなく悲しくなって、おどろくちゃんのことを見ていると、「えへへ…」と苦笑いされてしまった。
………俺は一体、おどろくちゃんとこれからどう生きていくんだろ…
それとも二人とも死んでしまうのかな
……………あ、俺は一人取り残されるのか
俺は窓の外を見る。
〈 来訪者〉
こんこんと、扉が玄関の扉が叩かれる音がする。
「はいはーい」
おどろくさんが玄関に向かい、少し立ってからバタバタと慌てた様子の足音が聞こえる。
「凸さん!私物置から包帯持ってくるからこの人お願い!」
「え、あ、うん!」
おどろくちゃんの勢いに俺は思わず返事をする。
おどろくちゃんが部屋を出ていき、俺はその場でしゃがみこんでる人を見る。
え…
「べるちゃん…?」
「…まさか凸さんがここにいるなんて…」
「俺もまさかべるちゃんとまた合うなんて…」
そこで会話が途切れる。
やばい、べふちゃんとどういう話してたっけ…
べるちゃんと合うのは数年ぶりだ。
何をどう話せばいいのかわからない。
それはべるちゃんも同じなのか、気まずそうに下を向く。
おどろくさんはまだ来ない、包帯を探すのに手こずってるのだろうか。
べるちゃんは俺が来たときよりはまして、腕とか足とかの傷が見えた。
とりあえず、べるちゃんの手当をしたあとは、ゆっくりべるちゃんの身にあったことを話して、それで俺のことをはな…
ん?俺のこと?
「………あ!」
急に声を上げた俺に、べるちゃんの体がびくりと震える。
「え、急にどうし…」
「べ、べるちゃん…俺とべるちゃんが知り合いってことは言わないでほしい…」
「は、なんで…」
「俺は少し記憶喪失ってことにしてるんだ…」
「ああ…けどなんでそんなことに」
「復讐」
俺の言った単語に、べるちゃんがピタリと動きを止める。
「べるちゃんもわかるだろ…あんなことされて、恨まないなんてことはない」
「…そう、だけど」
「俺はしたいんだよ、復讐を…だから、そんな憎悪の感情を、おどろくちゃんに悟られちゃいけないんだ…」
「……………」
べるちゃんが黙り込む。
「………分かった。とりあえず凸さんのことは知らないってことにしておく。」
「ありがとべるちゃん」
「貸し1ね」
「えー!?」
少しだけ、昔のみたいに楽しく話せた気がした。